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人間の歴史。  作者: TAK
十字軍
39/176

いかなる点においても神聖でもなければ、ローマ的でもなく、ましてや帝国ですらない。 ヴォルテール

イスラム国が結果的にせよ自由貿易で自由に商業が出来るようになり、「唐」という最大の相手国も出現し、その影響でユーラシア大陸、アフリカ大陸が大いに底上げされました。


<海運>

東は日本から始まり、朝鮮半島、中国、フィリピン、台湾、ベトナム、タイ、インド、イスラム、北アフリカ、ベネチア、ジェノバ等地中海沿岸、アフリカ東海岸


<陸運>

唐からモンゴル、ステップベルト、中央アジア、ロシア、ビザンチン、ドイツ等を通り抜けて北欧まで。




肝心のイスラムはたった4世代で分離しはじめ、とってもええ加減な国家経営でしたが、それと関係なく、というかそれだからこそイスラム商人は活発に跳梁跋扈してます。




そしてその影響で


シルクロードの通り道のオアシス国家群、

モンゴル騎馬民族、


唐←→イスラム貿易経由地の日本、フィリピン、アユタヤ(タイ・ベトナム)、カンボジア、インド、各地域で帝国が出現し、アフリカ東海岸、北アフリカ、イタリア、ギリシャもイスラム商人の拠点として都市国家が点在するようになります。



政治的な脆弱さを持ち、あまり統一した巨大国家という雰囲気はありませんでした。

何となく同じ宗教感、価値観で緩い一体感という感じです。




そもそもの教義がそうだからでしょうか。

イスラム国家に所属することは、キリスト教徒、ユダヤ教徒、その他の人々にも幸福でした。

イスラム教徒にとっては、人間は3つの種類しかありません。


 「イスラム教を信じるもの」

 「異教徒の友人」

 「敵」


まさに人種、言語を超えた「友愛」です。


どこぞの元首相の似非な「友愛」、むしろ学生運動のいろいろな言葉の本当の意味、「粛清」とはずいぶんと異なる本当の友愛ですね。


実際、イスラム圏ではキリスト教会、ロシア正教の玉葱屋根の建物も普通に建っています。

争う前ののんびりしたイスラエルに居たイスラエル人にとって、親切なアラブ人は良き隣人でした。

すばらしい!


私も、自分の命を救ってくれる友人は、肌が青かろうがピンクの水玉だろうが気にしませんが、イスラム教徒も同じようです。 


え?

今のイスラム教徒は?(特にシーア派)


ビンラディン一派とか仏像とか破壊したりしてますが、多分クルーアンの教えからは外れていますね。

きっと背教者なのでしょう

もちろん皮肉です。

カエサルのものはカエサルにという意味が理解できないキリスト教徒、

真理を至上と考える仏教に池田○○先生をおく似非新興宗教とかと同列。


アメリカへの反感は、まあこれはユダヤ人とともに敵認定を受けているので仕方ないところでしょうか。



ただ、


「偶像崇拝いくない」

「食のタブーを」

「犬ムカつく」


をここ10年ですごいことになったのは、イスラム教徒がきゃんきゃん言い始めたのは教育を受けていない庶民が西欧文明と本格的に接触したからかもしれませんね。

女性トラブルもすごいです。


私の友人♀が中東圏に「海外青年協力隊」に行ったとき


。。。。。あの海外「青年」とか「青春」18きっぷとか、あれ何とかなりませんかね。女子高生の娘がいるオッチャンはみるだけでこっぱずかしい、。。。。。


ブス(本人申告。わたしはいってませんよ?)な中年おばちゃんなのにモテモテだったそうです。


理由:真面目で勤勉でモラルの高い日本人がだらしなくヒジャブ(あの全身覆う頭巾みたいなやつ)から髪の毛がでていたかららしいです。


髪の毛が出ていたと言ってもほんの少しだけ。

着慣れていないからというだけにすぎません。


しかし、この場合は貧すれば鈍するというのか?

ちょびっと髪の毛だけで大興奮するイスラム人。


満員電車で胸元のおっぱいが見えた威力か?

風でスカートがまくれた威力か?


もう「愛しの彼女」とのたまういろいろな男性が来て、もうすぐ40代のおばちゃんに何人も求婚をし、熱い言葉でお誘いを受けたようです。


現在、自称難民?としてヨーロッパに飛び込んでいったイスラム人、たまらんものがあるでしょうね。

髪の毛だけで大興奮できるならパリの街中はエロエロでしょう。

そりゃもおトラブル起こすわけだ。


それに女性は護るものなので、護られていない、街中に放り出した女性は落ちている宝。


落ちていたら拾うのは当たり前。

放り出している親や男が悪い。


こんな感じでトラブル多発。


恵比寿のディケンズとか行くとわかりますが、イスラム圏やインド圏男性に声かけられる女性はトラブル多いです。


言葉自体は蜜のように甘いでですが、男尊女卑どころか女性は持ち物っす。

本国でうまく行っているのは当たり前。


自分の妻や娘が侮辱されたら命を賭けて戦うのがイスラム戦士、

自分の妻や娘のためには自分が飢え死に寸前でも贅沢させるのがイスラム世界の夫、

一夫多妻制なのが許されるわけです。


だから彼らが自国内にいるのなら軽蔑しませんし、反対はしません。

が、摩擦はあるのでぜひ慎重に。





話がまた外れました。


...まあそんな明るいイスラム教徒なので商業も盛んでした。


地中海とインド洋という2つのハイウェイを手に入れて、活発に商売をします。

ほとんど一次産業だった中国に比べ、当時のGNP(富)のほとんどは地中海圏に集まったのではないでしょうか。


エジプトも自然にイスラム圏になりました。

元ローマという気配は全くなくなり、北アフリカも含めていまでもそれが続きます。



さらに交流で科学が非常に発達しました。


「発明」することそのものは、人口が多い、定住が多い中国が有利。


しかしそれを駆使する科学技術はイスラム圏です。

ノウハウも商売のネタにし、完全に世界の中心は地中海に移りました。



しかしながら、地中海はカリフの浴槽でしたが全てを支配したわけではありません。

相変わら旧態依然とした国家の枠組みは、分離したり、従属されたり、なんとなく雑多な感じ。


中にいる人も、自分が教義に従っているのか、国家に従っているのか、法に従っているのか、何とも中途半端な状況です。



そんな世界の枠組みで、ヨーロッパが取り残されることになります。


理由は単純。


「イスラム←→唐」の間にないこと。


スペインの鉱業、北欧の工業といった以外は魅力もなく、ただ蛮族が跳梁跋扈する地。


耕作地として適さず、人口集中もままならない。


古代ローマ帝国であれば、長大な北方防衛線として役に立ちますが、イスラムでは本当に辺境というだけの地。

世界の果てに行く途中にいる蛮族という位置ですね。


とにかく魅力がないのです。


その時代はヨーロッパは暗黒時代と言っていますが、更に輪をかけてひどい状態です。

皆さんの想像以上に真っ暗な時代だったでしょう。




まあヨーロッパと言っても一口ではすみません。

少し状況を整理してみましょうか。



<ヴェネチア、ジェノバ>

彼らのまっとうなライバルとしてはベネチア、ジェノバです。


こちらは商業国家として、科学の後継者としてはローマの純血後継者なので(元元老院も多く協力している)小さいながらも強力でした。


現代でも重要な船主がギリシャ人(元ローマ人)であるのもうなずけます。


イスラム国家群は彼らの頭の良いやり口に手玉にとられている部分がありましたが、逆に商売相手として双方協力もしあっていたので複雑な関係で共存してます。


ローマの頃のキリスト教の良き部分(門戸が広い・ストイック・政教分離)もあるし、後のルネッサンスの萌芽(科学を尊ぶ)を持っていましたし、天性の商売人ということもあって、イスラム人には比較的つきあいやすい国家でしょう。


ストイックで信心深く、科学を尊び、機転も応用も利く、強固なヴェネツィアは後に1000年帝国と呼ばれます。



<ビザンチン(というかローマ)>


古代ローマ帝国の国際法上の後継者です。

あくまで、現代の国際法上の国家承認プロセスに当てはめたらというだけですが。


S.P.Q.Rの精神は忘れて久しい。

身分も固定化され、そのために沈滞して商業が得意とは言い難い、そんなローマ時代末期のキリスト教国家を色濃く残しています。

同じく(元)ギリシャ人の国家ですがヴェネチア、ジェノバとは随分違います。


都市の姿も、こんなん


 ・優れた芸術品であったローマの像もなく

 ・多民族多宗教であるイスラム国家の煌びやかさも華やかさもなく

 ・ヴェネチアみたいに合理的で質実剛健でもなく

 ・フランク王国や神聖ローマ帝国のようにキリストに殉ずるような覚悟もなく


なんとなーく中途半端な国家です。

蝙蝠外交で長年生き延びますが、十字軍国家が、


「とりあえず占領しよっか?」


と言いたい気持ちがわかる中途半端な国でした。




<神聖ローマ帝国(後にドイツ帝国)>

ローマが頭を悩ませたゲルマン人の後継。


当初はキリスト教徒の衣はまとっていたモノの蛮族の延長です。


元ローマのリメス(ライン川流域の防衛ライン)を中心に一応王制としてまとまったものですが、国家の体をなすためにキリスト教国として、ローマの後継者を認められたとなっています。


が、まあ形だけです。


長い空位でも全く問題ない状況というのは、たいして政治力もまとまりもなかった証拠でしょう。

東フランク王国を分捕ったりとか周辺諸国を悩ませます。


 ※思想家ヴォルテール

  「神聖でもなければ、ローマ的でもなく、そもそも帝国ですらない」


気候で食糧増産もままならず、富むわけでもなく、面倒な蛮族扱いはしばらく続きます。


もちろん、本当のローマの後継者であるビザンチンとは犬猿の仲、ヨーロッパがまともになるのは食糧事情が改善するジャガイモが来るころ。


そもそも地中海に接していても、ゲルマン系は内陸を中心とした文化を培っているので商業も関係なし、文化的にも非常に劣っています。


ヒトラーは第一帝国と尊びましたが所詮こんなものです。




<フランク王国(後にフランス王国)>


同じくゲルマン系の蛮族の王国。


しかしながら後にフランスになるだけあって神聖ローマ帝国よりはかなりましです。

都市も、パリといったローマの防衛都市リメス中心ではあったものの、元々ローマの貿易都市であるマルセイユ、南側はローマ街道があり、南側の穀倉地帯の肥沃な土地も含まれています。


食糧事情も元フランスだけあって小麦とかそこそこ。

文明もそこそこ。


もっとも一番ましだった部分が軍事力である部分は、後のヨーロッパ人の非道な所行の元祖でしょうか。


集団戦を否定した正気ではない軍隊、個人が支弁する重騎兵である「騎士」はイベリア半島まで進出してきたイスラム教徒を完全にストップしました。


馬も人も鉄で武装し、生き死にや利益を無視してばったばったと切り裂き、後の占領政策など無視した破壊の権化、大して肥沃でもない蛮族の地を併せて考えると、文明的なイスラム教徒としては近づきたくなかったというのが本音でしょうか。

お金にならないし。


本来の馬の機動力を重装備で殺し、衝突力は保ったモノの数は揃わず、高価でまともな会戦では使い物にならないかも知れません。

一対一では優秀でしょうが、戦争という意味ではローマの重装歩兵より使いではないです。



フランスがイスラム教徒に占領されなかったのは、当時は多くの人の不幸でした。

ユダヤ人、その他異教徒は大量に難民としてイスラム圏に落ち延びます。





<イギリス>

アングル人(イギリスの語源)が支配して、ローマに支配されて、その後に北方のノルマン人が支配してきて、そのうち大陸からノルマンディー公が移住してきてとかごたごたしてきますが、世界史にとってはどうでも良い位置づけにいます。


獅子心王が十字軍として参加してエルサレムで大活躍しますが、地中海圏の住民にとっては、蛮族の侵入という迷惑そのものでしかありません。


あと、イスラムが支配した地中海には無数の海賊が跋扈することになります。

あと十字軍とかの影響も含めた、マルタといった後の騎士団が地中海の島々に根城を築きます。



元々ローマ時代も、中東の土地を得ることは富の象徴でしたが、ヨーロッパ自体はただの防衛線リメスでした。

さらにその奥にあるイスラムにとっては防衛する価値も無し。

ほぼ自ら放棄しています。



陸運もドイツ、ビザンチン、モスクワといった場所は北欧との通り道でしたが、あくまで通り道。

目的地ではないです。


ローマのカエサルに征服される前に戻ってしまいました。


山賊が跋扈する黒い山、黒い森。

街道の狼さえ排除できないほど行き来のない街道。

昔は耕作地だった場所も、人口激減、

都市国家以下で板塀の村では、周辺の狭い土地の耕作地の維持がせいぜいです。


そしてあれほど水道と浴槽が大好きだったローマ人が去り、食器も使わなくなり、不衛生な都市は少しでも人口が増えると病が流行り、奴隷さえ維持できないので、主人は奴隷を農奴としてそこらにほったらかし。

何も食べ物がないところで


「勝手に生きろ、お前は自由だ、財産持って良いぞ」


とはひどいものです。

逃げたところで出来るのは乞食だけ。


何も手入れしなくても何百年も生き残れるローマ街道もローマ水道も、何百年もほっといたので寂れる一方。


そんな食い詰め者の野蛮人達が、半分は襲撃という理由で始まったのは十字軍です。

ヨーロッパ人の教科書には、宗教を守る偉業として誇らしげに描いていますが、イスラム国の側では第三次十字軍になるまでほぼ無視。


ヨーロッパ人は、まだ神話さえない野蛮人でしたから。

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