俺は最初から最後までクライマックスだぜ!
さて、どんどん続きますよー
1917年です。
なんと!
ついに!
あの強力なアメリカ合衆国軍が参戦します。
中立にこだわっていたアメリカですが、絶対勝てない戦争しかしない弱い者虐めなアメリカですがとうとう眠れる獅子が立ち上がります。
悪逆ドイツが大西洋を席巻し、罪もない船人達を殺しまくっている!
けしからん!
イギリスの北海の機雷よりUボートが残酷かどうかは知りません。
無人の機械、敵味方関係ない、間違って当たっても「事故デスネー」ですが。
「平和を愛する」民主主義者の世界中の「軍事侵略的な」独裁主義者に対する十字軍じゃー
あれ?どちらが仕掛けたんでしたっけ?
そもそもビスマルクと違ってフランス憎しの民衆に迎合したのがウィルヘルムさんですが。
無辜の民を乗せたルシタニア号の撃沈が直接のきっかけです。
ドイツ野郎はなんか「武器載せてた条約違反の船!」とか言ってましたが、そのいちゃもん具合も含めて悪逆非道なドイツ野郎です。
まあルシタニア号は武器の輸送してましたけどね。
忘れた頃に真実が公表されました。
そして芸術的なまでのプロパガンダポスターで若者を煽ります。
グーグルとかで「第一次世界大戦 アメリカ ポスター」とか検索するととっても芸術的なポスターを見ることができます。
もう若者のヒロイズムを煽る煽る!
若者はこぞってヨーロッパへ十字軍のように救出に向かいました。
平和を愛するからモンロー主義とか言ってませんでしたっけ。
まだ戦争忌避感があるころからあった「私は君が漢になることを望む!」とか言う可愛いねーちゃんのポスターとかでヒロイズム煽るのは平和主義の一貫ですかね?
まあ全部含めてアメリカらしい。
民主主義の民衆のコントロールは衆愚が一番です。
第二次湾岸線の時、イラクは生物兵器やら核兵器を隠し持ってるんでしたっけ?
いまの中国でトランプ大統領ズタボロですが、まあ「報道しない自由!」を行使するのは常套句、
「トランプは差別主義者!」
「黒人可哀相!」
「警察はクズ!」
下らないものでも大きな声で叫び続ければ愚かな民衆はそう思いはじめるもの。
トランプ一家は数代前はドイツ移民で、正しい移民は差別する気はないですけどね。
そしてアメリカの警察官にはなりたくありません。
ちなみに120万人が投入され、12万人の犠牲を出しながらムーズ・アルゴンヌ攻勢に参加し,大活躍しました。
なんと488平方キロメートルのフランス領土を奪還しました。
アメリカさんのおかげで「小銃手数」という小銃発射数のデータが激増しました。
まあ距離にして30マイルなのに、なぜかこの頃から報道が面積で言い始めたのかはよくわかりません。
そしてなぜに小銃手数とか新しいデータとかが報道に突然でてくるのかはわかりません。
ドイツ軍が「アメリカ参戦がなければ~」とか言ったのが戦後何十年かたってからの理由と関係あるかもしれません。
第一次世界大戦は「連合軍は科学で戦った!」とか言い始めたのとなんか関係あるかもしれません
煽りまくって参戦したくせに、税金の無駄遣いすると選挙で不利になりますしね。
まあそんな感じで米軍は大活躍しました。
ちなみに「アメリカ軍ってすごいなー」と思う一つ、ずーっと日本は参戦して地味に活躍したのに、突如この頃から賞賛されます。
曰く
連合軍兵士70万人を送り届けた!
Uボートの犠牲者を7000人も救った!
開戦初期からずーっと活躍してたのに、まあずーっと当初から地味に誉めてくれてたのですがこのころから激賞です。
そんな感じでマスコミの態度が豹変したのもアメリカ参戦と同時期です。
報道戦って大事ですよね。
ちなみにそれ以外アメリカ参戦で特記することないですね。
活躍したそうですよ?
次、
だらだらと負け続け、結果的に述べ1000万人殺されたロシアでロシア革命が起こりました。
2月23日の労働者、兵士の妻達、女性の農民を中心のデモがおこり、それをきっかけに二月革命が起こりました。
首都ペテログラードで「ソビエト」という社会革命党ら共産主義者を中心とした政府が出来ました。
ついでに正当な政府の方も「こりゃたまらん」とニコライ二世を退位させて臨時政府をつくりました。
頭はすげ替えられ、二重政府になりましたがそのままドイツとは戦い続けるんですけどね。
その後、スイスに亡命していたレーニンが戻り、景気よく「敗北なしの平和!」とか言いながら東部戦線で大敗北し、その他の戦線も逃亡兵が続出し、勝手にロシア軍は崩壊していき、、
いろいろな政争で大混乱が続き、引き続きロシア人は死に続け、1918年3月にブレスト=リトフスク条約が結ばれて停戦となります。
いったい東部戦線って何だったのでしょうね?
後年のソ連のプロパガンダ映像、アメリカのディカバリーチャンネル、NHKスペシャルとか、ナポレオン、第二次世界大戦と並べて「冬将軍」「ドイツやフランスが負けるきっかけ」とか同列になれべて語りますが、まあ、、、、冬将軍が活躍したそうですよ?
まあ東部だけではないです。
双方とも長い戦争で疲弊し、とくにドイツは物資の不足がやばくなっています。
ドイツは兵士が突撃しなくなり、再教育とかろくでもないことしはじました。
ご参考:フランツ)Tunnelstadt unter der Hölle
フランス軍68個師団が反乱おこしました(約4万名!)
「ソンムの戦い、大変だったなぁ」とか言ってるそばから、ただの1918年のなんてことない会戦の物資の方がソンムの戦いより多くなります。
金も人も物資もすべて呑み込むブラックホールになりつつあります。
ドイツはとうとう焦土作戦を始めます。
サン=カンタンから撤退するときに住民4万人を追放し、地雷やブービートラップの巣にして連合軍を疲弊させます。
その代わりにドイツの悪評がまた一段階上がりました。
どっちもどっちですが、だからこそ報道した方を世間は信用しますよね。
嘘をつくコツは真実を語ることです。(そして言わなくて良いことを言わない)
その影響か双方とも戦術が変わり始めます。
戦線を後退させるのではなく、戦線に貼り付いた兵士を分断させて撃破をする方に重点を置くようになりました。
今となって一点突破!快進撃!包囲殲滅!なんてありえない妄想ですからね。
連合軍は要地や突起部、奇襲、戦車、毒ガスを駆使して戦力を集中し、ドイツの分断を狙います。
ちなみに「ドイツ!毒ガス!ひどい!」とかなんとか言ってましたね。
もう普通に双方使ってます。効果ないですが。
戦車も双方投入してます。
効果ないですが。
ドイツは元々陣地の作り方が巧妙で、前衛、主戦、予備、複雑な経路と連絡線(しかも野戦陣地で!)多少の突破で揺るぎもしませんが。
ここで戦車論者は当時も現代も「戦車を有効活用しなかったからだ!」とか言うけどどうでしょうかね?
完全に焼け石の水の気がしますが、数を揃えたら何とかなったのかもしれません。
その分を弾薬に変えた方がましというのが私の所感ですが。
そもそも陣地を縦横にかけめぐるほど速度も走破性も頑強さもない気がするんですけど。
それを証明する様に11月「カンブレーの戦い」で大規模な機甲戦、航空戦を連合軍が仕掛けました。
戦車の半数は失われ、航空機は墜とされ、やはり失敗しました。
ここでも昨今、内外の戦車論者は「ドイツが戦車整備を疎かにした!失敗だ!」とか言ってます。
ひつこいな。
という感じでぐだぐだに終わる1917年。
ちなみに他戦線もいろいろ動きますがもう良いでしょう。
結局は開戦当初から徹頭徹尾西部戦線なのです。
いろいろ中東でも南部でも不幸はたくさんありましたが。
あ、オスマン帝国崩壊はいろいろ切ないですね。
ドイツからも連合からも疎まれ、キリスト教の敵とレッテルを貼られ。
キリスト教会も「意味ないから辞めろ」、ドイツは宰相が辞職。
アメリカのウィルソン大統領はこの戦争で頓珍漢なことを言い出します。
・ベルギー、セルビア、モンテネグロの独立
・アルザス=ロレーヌの撤退と放棄
・ポーランド独立
・公海の自由
・軍備制限
・オーストリア=ハンガリーの民族自決
そういう戦争でしたっけ?
なんか空気読めない感も漂い始めます。
そもそも主人公のイギリス・フランスコメントなし。
つか無視されてました。
アルザス=ロレーヌはそもそも戦争の原因そのもの、陣取り合戦でしたが、それ以外に意味があるかもわからない。
アメリカ参戦に意味持たせたかったのですかね?
後年もウィルソンさんは頓珍漢なことを言って世界を困惑させますがこれは後の話。
さて、ロシア革命が終わり、ロシアと講話し、東部戦線が落ち着いて東部戦線の兵を西部に回せるようになりました。
南部戦線も解決してませんが「カポレットの戦い」でドイツが積極的に参加し、浸透突破でイタリア惨敗、崩壊寸前にまでなりました。
すべてのリソースを本命の西部戦線につぎ込めます。
1918年3月、ドイツ起死回生の「春期攻勢」が始まります。
日露戦争で行った乃木将軍の決死隊。
それを大規模に戦術として行います。
連合軍がやったように分断点、突破点、突出点に歩兵を集め、まずは距離を稼ぐことや兵士数を減らす事よりも混乱を狙います。
ただし、目的をさらに尖らせて。
・大砲を制圧目的ではないので効率無視して一気に集中し叩きのめします。
・航空機、毒ガス、戦車、決死隊、ありとあらゆる形で特火点を叩き潰します。
・その一点を訓練した決死隊が犠牲恐れず踏み込みます
・混乱させれば成功とし、さらにその混乱を波及させるために兵士をそそぎます
・さらに混乱を拡大させるために兵士の撃破より施設や後方部隊を優先させます。正面兵力は迂回したり無視したり
・周囲の混乱を拡大させ、さらに士気を挫きます
正面からドイツ軍は来たのに戦線後方にドイツ軍が見え隠れするのがわかるので、まるでドイツ兵が浸み出たように感じ、誰が明確に名付けた訳ではないのに自然と「浸透突破」と言われました。
軽機関銃は制圧目的で作られましたが、ここでの用途はギャングと同じです。
MP、マシン「ピストル」というだけあってハンドガンごときの木っ端な弾は野戦の撃ち合いには役立ちませんが塹壕に飛び込まれてそこら中をばりばり撃たれたら士気挫きます。
戦車もただの打ち合いで辿々しく動くだけなら大して活躍しませんでしたが、混乱の時に蹂躙され、上からばりばり撃たれたらたまったもんじゃありません。
ドイツのA7Vは機関銃だけハリネズミのように武装し、まさに突撃時にバリバリ音を立てて士気を挫くために投入されました。
軽機関銃をバリバリ撃ちながらも正面兵力を無視し、たくさん殺しても後方に染み出て、その相手をしようとしたら直後に通常の歩兵に撃破される。
戦線は正面戦力よりその後方部隊から崩壊していきました。
イギリス兵は大混乱し、実に4日で38キロも後退させられます。
「戦車のない電撃戦」と言う人もいますが、私には少し違和感を感じます。
電撃戦は、、実際はそんな戦術はなく単なる突破戦ですが、、戦線を突破しての半包囲、カンネー以来のロマンを感じますが浸透突破は戦線崩壊を狙うだけで突破が目的ではありません。
要するに塹壕を要塞に見立てた拠点攻撃ですね。
まあ各人の所感になるでしょうが「浸透突破」という「突破」が付く言葉に惑わされているだけじゃないかな。
人間、ネーミングやブランドに騙されますからね。
そもそも特別な戦術でないとさえ言う人もいます。
実際、小戦闘で戦争初期から後方攪乱は当たり前のようにしてましたしね。
しかしここまで徹底的なのは何かのターニングポイントに感じます。
戦線が崩壊し、一時はパリ付近まで迫りましたが結果的に頓挫しました。
単純に戦力、物資不足、疲労、先細り。
当たり前ですが浸透突破で塹壕は無力化できたら、その後は剥き出しの歩兵がバリバリ撃たれるだけですからね。
3月のミヒャエル作戦からはじまり7月の第二次マルヌ会戦での攻勢失敗が終わりと言われます。
戦線が進んだパリには、毎月に20万人送られてきた兵が、実に210万人にも増えているアメリカ軍が待ち構えていたからとも言われますね。
戦争の規模から言えばほとんど戦っていないアメリカ人ですが(それでもアメリカ人はそのたった数万人の被害に目を剥きましたが)「第一次世界大戦勝利はアメリカのおかげ!」はある意味正しかったと言えます。
正直、本当に踏みとどまったのはイギリス人ですが、、フランス人どこ行った?、、戦争は兵士だけではないという言葉に説得力あります。
この春期攻勢の頓挫で実質第一次世界大戦の勝負は決まったでしょう。
1918年8月8日、連合軍の「百日攻勢」始まり、すでに損耗したドイツにそれを押し返す力はなく、ただひたすら後退を続けます。
力尽きたのかドイツ軍人はどんどん捕虜となり、たった一ヶ月で10万人もの捕虜を出しました。
ここで敗戦を覚悟したのですが、初期にベルギー、オランダを裏切ったのもまずかった。
「ドイツ悪!」はアメリカの巧妙な宣伝戦でも影響受けます。
だれも中立国は相手をせず、負けとわかってもだらだらと続き、、とうとうバルカン戦線も崩壊して石油のあてもなくなり、ありとあらゆる反攻作戦は始まる前に反乱され、結局は仲介役なしでアメリカのウィルソン大統領に直接申し込みます。
ここでイギリスやフランスでない部分が嫌らしい。
案の定、ウィルソンはまず「議会の統制を受けること」「立憲君主制の施行」の要求でした。
意味わかりません。
もっともそれは執行され、ヴィルヘルム2世は全ての権力の座を追われてオランダに逃亡しました。
ドイツの名は消え、ヴァイマル共和国が成立しました。
ドイツはその国土を一度も侵されることもなく、でも後年の誰もが「ああこりゃ負けだ」というのがわかる、なんかよくわからない立場のアメリカ大統領がしゃしゃり、私も書いててつらかったぐだぐだな戦争がぐだぐだなままぐだぐだに終わりました。
後半は主人公のイギリス、フランスが出てきません。
たくさん死んでるはずですが。
そもそもフランスは前半以外はあんま出てきません。
本当の主人公のはずですが。
ドイツはともかく、それ以外はぐだぐだぐだ、なんかたくさん死んで、なんか終わりました。
第一次世界大戦、私も書いててつらかったです。
クライマックスって最初と最後以外ないですよね?
つかあれもクライマックス?
だらだらだらだらの第一次世界大戦でした。
が、第一次世界大戦の本番はこの後でしょう。
アメリカを主人公扱いしたが正しかったかどうか知りません
たらればなどびっくりするほど想像つきません。
すーっと黙っていたイギリス、フランスが、無視され、無視していた連中がようやく動き始めます。
アメリカ人、ほんっと余計なことしかしません。
そのアメリカの条件で素直に下がったウィルヘルムさんは、その降伏条件を呑んだこと自体なんの貢献もしてません。
交渉相手がさらに一段下がり、好き勝手出来るようになってからイギリス、フランスが積年の恨みを吐き、ドイツをずたずたに引き裂きます。
というか、ドイツだけは傷一つない状態で降伏する時期、一番肝心なときにいなくなるウィルヘルムさん、そりゃまあひどい話です。
互いの恨みつらみは戦後に噴出しました。




