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人間の歴史。  作者: TAK
日露戦争
163/176

(おまけ)旭日旗な新聞  

日露戦争のもう一つの影響


識者がやたら「日露戦争は日本の端点だった!」とifを提示します。

とにかくこの日露戦争で集中する識者のタラレバ。


私もそう思います。



例えば作家)司馬遼太郎さんとか?

「昭和という国家」は大好きですね。

まあこの本は司馬遼太郎さんの知識と、その限界が見え隠れしますが。


日本戦車は弱い!

やすりで削れた


は有名でしょうか。


ちょっと冶金を知っていればわかること。

戦車の装甲に必要なのは靭性の高さ、引っ張り強度と真破断歪の大きさ。

やすりより硬い硬度は根本的にはいりません。


多少でも接触時の防御効果を高めるために表面を硬化処理することもありますがタイガー戦車みたいな分厚い装甲の場合は衝撃を吸収するために焼き入れしない均質圧延にしてます。

要は考え方ですね。



まあ科学オンチはしゃーない。

作家に工学部の知識を求めるのは間違いでしょう。



国民の意識がとんでもなくカルト化し、先鋭化する部分は「ふむふむ」と思ってしまう。

もっとも、「軍部が原因!」「軍国主義!」という部分は???と首をかしげてしまう感じ?



何にせよ、日露戦争で一番紛糾する「if」は軍国主義まっしぐらな部分です。

「誰が悪いか?」となると、「軍が騙した!」という部分が疑問ですけどね。


ナチス/ヒトラーの研究とかも、21世紀になって随分と変わってます。

「民衆がナチを望んだから」


日本はうやむやになっていますけどね。

「軍事国家は、それが民衆が望んだ民主主義の結果である」


まあそれを否定したい人は現代でも右左上下前後、「軍部のせいにしておきたい」は誰もがそう思っているからかも。



正直、事実だけ並べると疑問符です。

まあ軍が全く無関係とは思えないですがね。

そもそも 日露戦争でもHQに、↓というバカがいたわけですし。


ウラジオストックを占領しろ!

目指せモスクワ!じゃなくてサンクトペテルブルク!!




小村寿太郎さんがポーツマス条約を締結した時、日比谷焼き討ち事件が起こりました。

民衆曰く、講和はこれが妥当である。


・賠償金50億円

・遼東半島の全ての権利

・旅順 - ハルピン間の鉄道権利

・樺太全土

・イルクーツク地方以東のロシア帝国領土割譲


全容を知っていると「正気か?」と思ってしまいます。

「シベリア全部くれ」はすごいですね。

多分、本気でサンクトペテルブルクを占領できると思っていそうです。



ちなみに


軍部の提灯に無理矢理させられた!

軍に統制されて自由に書けなかった!

日本は暗い時代だった!

俺は被害者!


な朝日新聞さんの9月1日付の見出しです。


「講和会議は主客転倒」

「桂太郎内閣に国民や軍隊は売られた」

「小村許し難し」



小村寿太郎さんが帰国した時、約束どおりに伊藤博文さんは称賛し、海軍大臣)山本権兵衛さんは新橋駅で小村さんがテロにあわないように、あったら心中する覚悟で両脇を挟むように歩いたそうです。



へー、旭日旗な朝日新聞さんは政府と軍の言うことを聞かなきゃいけなかった被害者だったんだ。

政府関係者と軍の要人へのテロを扇動するようなアジテートな記事が政府の指示なんだ。

へー、ホ~(鼻ホジ)



日比谷公園に侵入して警察に暴力行為、皇居前、銀座、国民新聞社、内務大臣官邸、東京市各所の交番、警察署、市内13か所以上から火の手。


ろくでもない民衆ですね。

乃木将軍やらの奥さんとかを脅すだけある卑怯者たち。

手のひらクルクルで歌まで作る節操なさもすごいですが。


文明社会の途中、科学が入り込む途中はどの国もカルトが蔓延します。

中途半端なインテリゲンチャって一番タチ悪いですもんね。

都知事とか現も前も前々もあんま知性なさそに見えます。

「ザーマスおばさん」とか「新百合ヶネーゼ」とかテレビで見る自称知識人ってすごく知性なさそで下品ですもんね。



まあ民衆にインプットした、でも焼き討ちにあっている新聞社もなかなかすごいです。


おすすめ

太平洋戦争と新聞   前坂 俊


まあ左巻きにこり固まってますが、それなり正しいし的確。

私は左右節操ないので正しいこと書いてある書物はどんな思想持ってようが宗教人だろうが好きです。


敢えて言えばフランス革命とその新聞の役割に夢持ちすぎですが。

だって新聞の始まりは「パリ市民」とかいう自称民衆の下品なブルジョア連中の所詮娯楽ゴシップ誌でしかなかったわけですし。




まあこの時代の会社はどれも同じです。

制度は資本主義でも実質は共産主義。

官製な企業です。


ですが民衆の娯楽となり、直ちに利益をあげる民間企業になりました。

進軍喇叭らっぱの武勇兵」

「忠勇美談」

「勇壮進軍!」


こんなこと書くと売り上げが激増しました。

日清戦争も日露戦争も反戦記事はあったのですが、売れないので止めました。

朝日新聞は常にアゲアゲでしたが、毎日新聞とか時化たことかいて潰れそうになりました。

反戦記事書くと経営傾きます。




まあ軍部が全く無関係とは言いません。

西南戦争の時、西郷隆盛さんが一瞬で賊、賊軍になったのは、まさにそう書かないと取材させてくれない軍部が原因だったりします。


当時の首相、桂太郎首相は「ニコポン宰相」とか呼ばれてました。

記者の肩をニコニコしながらポンと叩くからだそうです。

明治維新の偉人木戸孝允さん宛ての宛名「木戸尊大人様閣下」。

世界一周鉄道を夢見た鉄道王)ハリマンには満鉄権益を気楽に約束しました。

外交案に「30億取ってこい」と書いてあり、児玉源太郎参謀長に「バッカジャネーノ」的な感じで目を剥かれました。

多分、正気とは思えない民衆の「50億クレ!」はここら辺の取り巻きからでしょうね。

「清がくれたんだから」とか国際情勢もわからず(そもそも清は政治が混乱しているだけでWW1でも有数の金持ち)、ウラジオストックに攻め込め!とか首都に攻め込め!とかね。



とても活躍し、列強にあれほど堂々と立ち向かった小林全権大使は、ポーツマス条約が結ばれた深夜、ホテルの一室で泣きじゃくっていたそうです。

日本に帰っても評価されないことを知っていたんでしょうね。

私も泣きたくなります。


海軍は大正時代は民衆に蔑まれる軍隊でしたが途中で迎合し、やがて憧れになり、民衆に踊らされたのか、踊ったのか、決してハンモックナンバーの上位は頭悪そうな人がそろった怪しげな組織になります。

陸軍は最後まで抵抗しましたが、なんか関東軍だの若者に反抗され、それでも理性を保とうとしたら、なんか戦後は3流軍隊、バカの代名詞となります。

私は米軍の評判とか聞ける立場だったのですが、、日本海軍の評価は高いのに、なぜか称賛する工業製品は陸軍の奴ばかりという妙なことを聞けました。


日露戦争後はGNPの40%が軍事費になり、国力にあわないような戦艦大和が作られる国になります。



結果論として良いか悪いかは知らない。

そもそも列強に入る前は南米以下の国だったわけですから、見栄張り続けたからこそ現代の豊かな国なのかもしれませんし。





あとこれは神の目線なのですが、アメリカとの諍いが始まります。


鉄道王ハリマン、世界一周鉄道を夢見た漢な鉄道王です。

アメリカ大陸横断、ロシアの満鉄というかシベリア鉄道か、、でユーラシア大陸、船でつなげば鉄道で世界一周!

ある意味ばかばかしい夢ですね。

お金持ちなロスチャイルド家はそれに乗ります。


シベリア鉄道に融資したのは彼ら。

日露戦争の時、中国門戸開放を夢見て融資したのも彼ら。

なんか「陰謀」だの「ユダヤ人」だの言ってる人いますが、そもそも日清戦争からの一連の流れで、そもそもアメリカは弱者の新参者で、別にその野望は隠してないし、日本と共有している気持ちになってたりします。

日本の名士、郷士、政治家、みんな賛成します。

ハリマンの魅力、脅されて、騙されて、好き勝手言って人のせいにしている名士たち。


おかげでアメリカから莫大なお金を調達しました。

実にその借金を返済するために1986年、昭和です。


満鉄も一億円の融資付き、、日本国家財政の半年分、、全部反故にしました。

まあ日比谷焼き討ち事件とかいろいろ日本もあって。

小林寿太郎さん、ただでさえ妥協した印象を国民にもたれた上に満鉄の権利も放棄、、、怒り狂いました。

で、それを反故にして、アメリカ国民怒り狂いました。


契約まで交わしたのにね。

ま、「覚書」となってますが、日本の会社はなぜ法的には同じなのに「契約書」は結べなくても「覚書」は結ぶのでしょう?

日本の会社と付き合ってよくある私の気持ち「バッカジャネーノ」



第三次日英同盟は引き続き結び続けますが「アメリカ」が追加されることになります。

もうイギリスはこの頃から日本を見捨てることを想定してたかもですね。



ここらへんのif

・中国経営もアメリカがいたら自然になってたかもしれない

・WW1後アメリカの絶頂期になったのに、その青田買いとして日英同盟より強力そうなアメリカの保護を得られたかもしれないチャンスを反故にした

・アメリカが融資してくれるなら借金すぐ返せた。列強なのに国が貧乏なわけのわからん軍事国家にならずにすんだ

・どうせ日本人は差別されたのですぐに反故にされたさ

・アメリカずるい。日本騙される(←神目線で見るとどう考えても日本ズルイな気がします)

・ロスチャイルド家とユダヤ人の陰謀。日本は滅ぶ!




、、、、まあそんな感じの日露戦争でした。


私、書いているうちにデジャブを感じました。

私、実は10回転職しているのですが、、嫌で辞めたのは一回だけで、それ以外は請われて円満退職、、こと国内企業では登場人物、そっくりな人がたくさんいます。


・奥さんまで攻めるいじめ、卑怯

・全部人のせい

・浅はか

・手のひらクルクル

・上司には媚び媚び

・社内事情で対外的な約束を反故

・なぜかトップが責任を回避する。上司なんていないのに。

・正義をわめくマスコミやら第三者やら


幸いなことに当時の偉人にそっくりな性格の方もたくさんおり、とくに上司は大当たりが多かったのでやさぐれることもなかったのですが、、日本変わんねーなとか思ってしまいました。


ということで長かった日露戦争は終わります。

日本カワンネーナー

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