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人間の歴史。  作者: TAK
日露戦争
156/176

ネトウヨが好きな話?

世の中に「ネトウヨ」なる言葉があります。


意味は「ネットワーク上だけ右翼?」

対面しないネットワーク上?なら強気でいられることと、過激な国粋思想の組み合わせでしょう。


人間はネットワークに限らず、対面しているという現実感がないと強気でいられるのは確かです。

車の中で鼻くそほじったり大きな声で歌うのと同じ。


国粋主義は、そもそも国としては国に素直に従ってもらう方が予算少な目で奉仕してもらったり社会維持が楽になるので、そういうイメージを押し付けるものです。

道徳然り、制服然り、愛国と宗教を混同させること然り、世界共通のイメージ戦略。

それにうまうまと載せられる人がいるのもいかにも自然なこと。

そして載せられても別にそう悪くないので、そのイメージが支持されるのも自然なこと。


もちろん「俺ネトウヨ!」などと自慢したり自覚したりすることは少ないでしょう。

まあそれは「左巻き」な人と同じ。

国粋主義で不利益になる人がいるのも当然なこと。

そして国に反抗するのが「正義」というイメージを利用しない手もない。

自分が貧乏なのは国のせい。

一定は正しかったりするので、その裏っかわはド汚くてもうまうまとノセられる人がいるのは事実。





私的にはどっちもどっち。


社会思想は、意思としては悪くないと思います。

そこらへんは「助け合い」の延長と唱えれば誰もが持っている思想。


それを「何が何でも」という考え方から凄くなりますが。

手段と目的を取り違えて

「先生!ルールを守りません!殺しちゃいましょう!」的な学級委員な考え方、

それで善行を積めばポイントが貯まって出世できるという厭らしさ、

それを利用して人を従わせる考え方や、「一番善行を積んだ偉い金様万歳!」はちょっとなぁ。

あるいは「子供は純真、純真な心は社会を救う!」と考えてそれ以外を殺しちゃうポルさんか。



ここらへんの思想、実は日本が最先端だったり。


自由民主党の「自由」は明治の頃、欧米の社会主義「自由」を取り違え、それをゆがめて本末転倒な無政府主義者が味付けし、欧米ではカルトな扱いの連中を素直に聞いて、戯画化したへんてこりんな思想がこれです

もしかソ連の、あるいは中国のへんちくりんな共産主義は日本が元かもしれません。

日本赤軍が世界中のテロリストから尊敬されるのは伊達ではない。

結構、教祖として崇められ、マニュアルになってます。

それが本当かは「意思」の話なので誰も証明はできないでしょうが。



一方、ネトウヨ的な思考もあれですが。

なにしろよく聞くと「あいつが悪い、だから俺は正義」的な極端から極端へ走る思想、何の関連もないのに、耳心地が良いので信じられる「正義」も如何なものか?

「敵の敵は味方」か、「敵の敵でも敵は敵」なのかは中身によるのにね。



まあ年を取っていろいろな人を見てきたらあんま心動かされません。


金の流れと命令系統ラインの流れからみると「既にある政府」か、「これから民衆が作る理想な政府」か知りませんが、「一つの意思で無駄のない投資」はどちらも同じで眉唾臭い。


資本主義で、頑張れば成功する、その失敗の悲劇は数多繰り返されても「それはそれ」と言う方が私にはしっくりします。

もちろん自分が失敗したら、娘が失敗したらと考えるとセーフティネットとして生活保護くらいは欲しいなと思いますが、悲劇の最後がこれくらいと決めてもらえば満足です。

むしろ「かわいそう」ビジネスが横行して、実はその外郭団体、NPOが肥える世の中の方が嫌です。

東北震災で親を亡くし、それを救った善良な叔父、、実は補助金からその子の財産までかっぱぐ所業は善行がビジネスになるからですよね?

善行の価値は時価だし、大きい声を上げれば価値高まるし、原価ないのでかっぱげるし。



という感じですが、この時代だけはネトウヨ様(実際そんな人がいるのかどうかはともかく)、朝鮮半島の所業に喜ぶところです。



自国が滅ぶかより、権力争いというマウンティングを優先する。

利己的な行為を優先し、利他的な行為を食いものにして国民全体が利己的。

悪徳や裏切りに忌避感なし


私はスポーツでもない限り、遺伝子だの血統だのは欠片も信じちゃいないので「朝鮮人」なる悪の遺伝子など馬鹿らしいと思いますが、なぜこうなったかは興味あります。

儒教、というか上は何をやっても良い、上になれば利己的になって良いというトンデモ儒教がどう生まれたか。

多分、義和団以降に、なぜか三国志も「儒教が悪い」的な風潮は、朝鮮半島からだと思います。

だってそもそも儒教がメジャーになった頃の儒教は、高祖)劉邦ですし。


俺たち偉くなったからこそ礼節を知ろう!

でも秦の連中のように非道になっちゃいけないから謙虚にな!

あとスペシャリストやらオタクやらの才能は役だったよな!「狂」はとっても大事!


的な考え方からどうこねくり返してもトンデモ儒教にはなりません。

でもなっちゃてますね。




ということで、世界は日清戦争とその後の混乱は終わり、新しい枠組みができ始めています。


「清」が日本に負けたことで、ギリギリ綱渡りだった求心力が地に堕ちました。

もうヒステリーみたいに「義和団」として外国勢力にテロを働いてます。

ついでに、「清」の大半の時代で穏健で認められていたキリスト教徒も殺されまくります。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い!

そして西太后も自分の意思かどうかはともかくテロ組織に担がれ、破滅までまっしぐら


清政府の混乱に乗じて「フランス」「ロシア」「ドイツ」が英国無視して好き勝手やります。

(アメリカも新参者ですが、ここはきちんとしてました)

阿片戦争から列強非道!な評判は、最後の事でのことではないかな。

カウンターテロ、虐殺、略奪、生々しい記録がたくさんですね。

英国、アメリカ、日本もちょっとはやったでしょうが、そこはモラルと軍紀であんま指摘されてません。



そして日本は日清戦争で注目され、英国同盟で清のお世話を押し付けられて評価され、義和団の鎮圧でその男っぷりに評価が爆上げです。

きっと良いことでしょう。

しかしこれが見栄をはる原因となり、その後の不幸、、あるいは戦後は間違いなく「先進国」になったので良いことかもしれませんが、、は伊藤博文が心配した通りになってきました。

、、、俺ら超弱いよね?あんま調子にのっちゃいけないよね?、、、



そしてその混乱でロシアは満州を得て、その経営に勤しみます。

不凍港?

アラスカ手放したばっかです。

ウラジオストク、ナホトカすでに手に入れてます。

みんな指摘しないけど不凍港です。

極めて東なド田舎なのであまり興味ありませんが。


日本を中心に考えると違和感感じますが、海のハイウェイとして有効なのは西側です。

ロシアの首都は西のモスクワです。

アメリカに有用で、日本に有用でも、はるか西が首都なロシアは重要ではないっすね。

というか、アメリカに対抗するのでなければいまでもウラジオストクは微妙。

というか、ウラシオストクは繁栄してますが、周りはなにもありません。

なんか軍指定地域という手つかずの土地がイルクーツク以東に残ってます。

スターリンに飛ばされて木を数えた人は何も結果を残せませんでした。


たしかに北の果ての農業限界地がロシアなので、膨張主義で南下したいは確かですが、なんにだって限界ある。

そしてイギリスに睨まれ、というか満州とったのもムカつかれてます。

暫く大人しくしたいロシア。




しかしこんな修羅の世界、朝鮮半島だけは別です。日清戦争の頃の続き物です。

朝鮮を中心に考えたら支配者が変わっただけでなので当たり前か。

昔から中国支配は「たまに搾取、普段は放置プレー」でしたし、日本はちょとおせっかいなくらいうざいやつ。

「そんな事実はない」

「助けてくれなんて頼んでないやい!」

 ↑

兵だせ、保護しろ、援助しろは言ってるくせに



この期に及んでも彼らの認識は「国内問題」っすね。

それは現代でも通ずるような、、、

強制徴用なる「頭痛が痛い」「後で後悔」並みにすごい造語もすごいですが(実は「頭痛は痛い」は重言として正しい使い方らしい、びっくり!)、突っ込みどころが凄すぎてどう決着つきるのか。


そもそも朝鮮半島からの徴用200人ちょっとでなぜ何百社も相手できるのか?ナルトの影分身?

日韓請求権協定はどこにいっちゃったのか?

死んでも親族が請求OKという自己申告制。

法治国家という、あるいは法学という学問で抑えられた何重もの囲いを食破ってやっちゃった感がすごいですね。




当時の歴史も似たようなものです。


国を喰い物にし、疲弊させた閔妃は倒されました、

巫堂ノリとかいう呪術に国庫の6倍を布施し、それ以外でも連日の宴会で浪費したこの人をどう言ってもヒロインに成りえないと思うのですが、なってますね。

「悪役日本で、忍者に殺される17歳の儚い姫」という設定は無理がありすぎです。

日本陰謀論は微妙。


黒幕、首謀者、実行者に、井上馨だの伊藤博文だの、なぜか与謝野晶子の夫とかミーハー的な有名人が並んでいる時点でむしろ違うと思ってしまいますがどうでしょう。

普通に考えれば政敵)大院君で普通じゃないっすかね?

まあドラえもんが開発されるまでは真実は闇の中。




で、残った大院君が勝ち、これから安定した政治!っとならないのが朝鮮半島の難しいところ。

この人も大概でしたし。

景福宮の建設8000万両。

特別税で民衆から搾取し、しかもその中抜きを役人だのたくさん、建築材として霊山の木を伐り倒し、大概にせいや的な感じで過去に失政?というか何がしたかったのかよくわからない施政をして追い落とされた過去ありますからね。

大院君は閔妃の地位を平民に格下げし、大韓帝国の成立し、初代皇帝は光武帝(閔妃の旦那さん、高宗)に嫌われて引退っす。




そしてその高宗さんに変わってもいろいろやらかします。


春生門事件、、閔妃暗殺のカウンタークーデターと言われますが、私的には謎な事件。


例によってデマをマスコミが流すのは現代に限らずデフォルトみたいです。

あと、なんか連携しているみたいに一斉に反対運動がおこったり。

日本が黒幕、その報道が流れたとたんにスイッチが入ったみたいに途端にデモ、反乱、政争、暗躍。




アジア歴史資料センター『朝鮮京城事変ノ顛末ニ関シ小村弁理公使ヨリ報告ノ件』に詳しく載ってますし、日本、ロシア、アメリカと関係している国がすべて記録に残しており、ついでに彼らの行動は筒抜けだったのでそれも資料も含めてたっぷりあります。

でも、結局「いつ」「どのように」「何をして」はわかっても「誰が」「~のために」はなんともぼやけた印象です。



端的に言うと、アメリカとロシアの水兵巻き込んで閔妃の仇を討つ?


双方が日本に接触し、どうも忠臣蔵、冤罪の払拭、親日派への攻撃、いろいろ言われていますが、なんかちぐはぐなような。


しかも仇は日本なのか、仕事人なのか、その黒幕なのか、それさえはっきりしてません。

日本に至ってはとっても捜査し、とっても頑張って処罰しようとしてます。

日本国内しかそれはできませんが、にしても、行為者の幾人かが日本人だとしても、なぜに「犯人はヤス」的な立場に日本政府が立たされたかよくわかりません。

しかも、なんか日本と交渉して第三者になるよう交渉させしてます。

仇のなかに日本は居ませんね。



じゃあ大院君?というと、まあ半分はあってますがどーも政争っぽい。

何にせよ海外は国内のデモ、治安行動、政争、全部国内問題なのに巻き込まれて迷惑っすね。


あ、親米派という新しい派閥も出来上がってます。

なんかキリスト教を殺せ!的なことになり、外国人排斥は清まで飛び火したのにふざけてますね。

朝鮮半島内では親日派、親露派、親米派で拮抗していたそうです。

ロシア的にはだんまり、アメリカもばかな水兵がいたな程度の扱いでしたが。

国内と海外の温度差がすごい。

とにかく彼らは目の前のことしか考えないようです。



成功したのか、失敗したのかも不明。

表向きの目的?「金弘集総理らを殺害し王を奪う」は失敗してますがなんか高祖さん、ロシア公館に逃げ込み、主だった人も逃げ込み、その後もテロしたり政争したりいろいろ。

成功したんですかね?


なんかその後、ロシア公館から命令して大院君一派の人々が逮捕されてます。


ロシア、凄い謀略じゃないですか!


最小限の蝋略で最大限の果実を!


と言うべきでしょうがねぇ?

ぶっきりというか、短視眼的というか。

たしかにロシアが一番得したので


「ロシアの陰謀!」


というべきなのでしょうがなんとも泥縄というか、続き物じゃないっぽい事件が続いているだけな気がします。

道端の500円玉を拾っただけというか。。


たしかにロシア公使は閔妃を足がかりに朝鮮に食い込み、その死でパァになったために代替が欲しかったのは確かです。

でも当人は清まで逃げ、なんか外交官と国とのちぐはぐな会話、そしてそもそも本学の会話は春生門事件が「終わってから」で起こる前は音沙汰なし、とても周到な謀略で本国を無視してやらかしちゃった感ではありません。

だってその後は周到に準備して高宗さんを公館に招いたわけですから。前と全然態度が違います。

てことは、それ以前は無計画だったってことですよね?


なんにせよ、ロシアの意識を大幅に変えたのは事実です。

それ以前は「西・ローゼン協定」で見られるように立場は明瞭。

「満州は認めてほしいな」

「朝鮮いらないから」






まあ得するなら全力で人を押しのけるのもロシア人。

500円玉に向けてまっしぐらに駆けているロシア人。

自分が害されないなら微笑ましいのですが。。

いきなり棚ぼたが起こってからアグレッシブになります。


日本人と対局ですね。

日本は高価な機器が空港に置いてあっても警察に届ける国民性ですから。



500円玉に向けてまっしぐらに駆けているロシア人。

というかこれも朝鮮人が行ったのかロシア人が行ったのか、主体者はどちらかは未だに不明です。

事実は克明に記録されているのですが「意思」だけはわからない。

偶然でしょう。

そして何にせよ、これがきっかけで日本とタイマン貼る気になって来ました。




「露館播遷」

高宗がロシア公使館で執政をとったことを言います。

わけわかりません。

が、「国としての体をなしていない」「ロシアになめられる」というプライドのぞけば上手くやったかもしれません。

大院君一派を一掃しました。


大院君は一応「親日一派」だったので日本の気分は大いに害しましたが、蝙蝠外交としてはバランス取れているかもしれません。

蝙蝠外交が上手く行くのは最後の見極めでばしっと決められる状態でなければならないのは悲惨な目に合うのはイソップ童話だけでなく世界中で言われていることですが。

現代の韓国みたいに奈落の底へ沈むことになりがちです。


あと「なめられる」が現実になります。

ロシアをはじめとした欧米諸国に朝鮮国の利権を差し出すことになります。

鉱山の採掘権、鉄道敷設権、森林伐採権を譲渡しました。

よりによって清でやらかしたロシア、アメリカ、フランスです。

(アメリカは紳士でしたけどね。でも南米を考えると、、)

日本というよりイギリスが激オコ。

日本はむしろ日英同盟が強化されて悪い感じではないですが。



一方、ロシアは大局観でみると微妙。

とにかくヨーロッパの一員となり、イギリスにやられつつ、その逆にドイツ、フランスから利用されつつ利用しつつ地歩を築き、近代化が進み、そのために逆にツァーリズム政治体制、野蛮な政治が限界にきつつありました。

そこで突然降って湧いた果実が「満州」。


とにかく国内政治の矛盾を目をそむける新天地が出来てしまったのです。

しかしこれは毒入りでした。


名目は「義和団の乱」の鎮圧。

既成事実化して居座ろうとしましたが、日英米(主に英)からしっかりと「治まったら当然撤退だよね?」


しかも中途半端に深入りさせたのはドイツ、フランス。

「僕は良いと思うよ?」


こいつら、ロシアが西に伸長するのはめんどいし、英国が強いのはむかつくし。

まさに利己的な意思ですね。

もちろん、そんな背景ではいざとなったら裏切ります。

というか、日露戦争になった途端にだんまりでした。

終わったら「露、あいつむかつくんだよねぇ」みたいな?


しかも駐留を既成事実化したネタに露清密約も結んでしまいました。

お互いが攻め込まれたら、お互い助け合おうね!

そのかわり満州はロシアが守るよ!


要するに不平等条約です。

もちろん清は面従腹背です。

つか、当たり前ですが裏切ります。


駐留するネタ程度なので軽く考えたようですが、ロシアは日英同盟をちらちら見つつ、その「二国以上の介入があったら英国も参戦!」を気にしつつ、良いんだか悪いんだか更に手足を縛りつけます。



さらに毒入りリンゴを飲ませたのがペラーゾフさん。

極東林業で満州へ赴むき、儲かりそうとニコライさんに耳打ちし、その極東の権益を囲い、その権益を犯すの許さないマンになってしまいました。


「イギリス東インド会社のような利益を満州で!」


札束でひっぱたいて「ベゾブラーゾフの徒党」が出来上がる

マリア・フョードロヴナ皇太后、フェリックス・ユスポフ公、ミハイル・ロジャンコ、エヴゲーニイ・アレクセーエフ、甘い蜜に群がりはじめる。

そして1903年5月極東総督に任命されました。

金、金、金、金、ごうつくばりが欲にまみれて一番やっちゃいけない時にやらかしちゃいました。


ちなみに彼の会社は早々と潰れるんですけどね。

スイスに亡命しました。

無責任っぷりがすごい。

ロシアを蟻地獄に引き摺りこんでトンズラします。




そして、さらに毒入りリンゴを飲ませたのが朝鮮の高宗さん。

ロシアの公館に逃げ込み、その中で政治を行う。

当然、ロシアは朝鮮を手に入れたも同然に思うでしょう。

権益もがっぽりもらえたし。



目の前に500円玉があって拾わないロシア人はいない。

どんどん深みにはまっていきました。

しっかりとお巡りさんである英国と、その子分である日本は見てましたが。



西・ローゼン協定。

そもそもロシアの意思は1898年時点では明確でした。

何もなければわざわざ波風立てる地ではないのです。

韓国の商用・経済発展への日本の投資を妨害しないことを誓約し、韓国が日本の勢力範囲になることを明確に認めています。

代わりに日本は満州におけるロシアの勢力範囲を暗黙に認めていたのです。

しかし、次々とロシアの前に500円玉を置いていく奴、毒入りリンゴを喰わせる事件が続いたのです。





1903年、フランス、ドイツの支持を受けて満州の兵力をさらに増強しました。

ロシアが韓国北部に軍事基地を造り始めたと報じられると、日本の国内には開戦論が強まります。

日清戦争と違って、日露戦争は反対派も多かったんですけどね。

内村鑑三、幸徳秋水、与謝野晶子。

さすがに大国ロシアとタイマンは躊躇するものです。




無鄰庵会議


出席者 

元老・山縣有朋

政友会総裁・伊藤博文

総理大臣・桂太郎

外務大臣・小村寿太郎


桂は、一方には此の報告あり、他方には露国の北朝鮮経営の警報に接したので、此際対露政策を決定するの、最も急なるを痛感せざるを得なかった。而して桂が小村と謀り、公の黙契を得て決定したる方針は、露国の満州に於ける条約上の権利は之を認むるも、朝鮮に於いては、彼をして我が帝国に十分の権利あることを認めしむるにあった。然かも我にして、此の目的を貫徹せんと欲せば、戦争をも辞せざる覚悟無かる可からずと云ふにあった




ある意味、最後通告、、というには日本は弱いので脅しにはなってませんが、要するに「満州認めるから、朝鮮には来ないで!」。

英国はともかく、日本は自国の防衛だけが大事でしたから。



ロシアも「それだけならそれでも良いかな」とは思ってました。

だって、東の果ての不凍港なんて興味ないし。

もう持ってるし。

しかもそのウラジオストクは未だ僻地でまともでないし。

力関係でも朝鮮より日本だし。



でも、満州の権益を犯されるのはまずかった。

それにツァーリニズム、一度奪い取ったものを妥協するのもまずかった。

「朝鮮半島にあるロシアの利権を捨てろ」


はありえないし。

なにせ高宗が無料でくれたものだし?


ある意味、日清戦争と同じでしょう。

国内政治がめちゃくちゃで朝鮮に興味がなくても


「妥協する」


はありえないほど切羽詰ってるロシア国内問題。

弱い皇帝(ツァーリー)に従ういわれはなし。

だって皇帝は暴力で手に入れる地位だし。



ここまでくると、その主人公である朝鮮は丸無視です。

まあ他国の公館でピーチクパーチク騒いでも何の説得力もありませんし。



セルゲイ・ヴィッテ財務大臣は正論を言いました。


「戦争に負けることはなくとも、ロシアが疲弊しその対価が朝鮮半島では割に合わない。

満州が手に入るなら良いではないか」


左遷されました。

弱腰に見える行為はすべて言語道断でしたから。




ロシアは日本側への返答として、朝鮮半島の北緯39度以北を中立地帯とし、軍事目的での利用を禁ずるという提案を行いました。

もちろん、そんなん信用できません。

どころか満州で行っている満鉄が開業したら、ロシアの兵隊が大量に西へ送り込まれることを指くわえてみていろと?



もちろんロシアも明瞭です。


いろいろ日本とは何かしたい。

朝鮮は巻き込まれた口。

なんか英国に睨まれている(ボーア戦争で忙しくて極東派遣はきついですが)、

米国から嫌われ始めた。

損得勘定すると、あんま意味なくね?


いろいろあるますがぜんーぶ丸無視です。

だってロシアは強いんですから。

そして日本は弱いんですから。

弱気を見せたら反乱多発ですから。

ショボい日本より国内問題の方が重要ですから。


1904年2月6日、国交断絶。

   2月8日、旅順口攻撃

   2月11日、大本営設置


こんな感じで開戦したのです。

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