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人間の歴史。  作者: TAK
日清戦争
148/176

状況開始!

さて、いよいよ日清戦争がはじまります。

各国介入の名目は「甲午農民戦争(東学党の乱)」の平定。


各プレイヤーはどういう状況でしょうか。





世界の潮流。


当然ながら、当事者のうちの強国は全てヨーロッパです。

イギリス一強。


特にインドを介した中国の権益は垂涎の的でした。

イギリスは、各国からは「羨ましい」「妬ましい」。


しかし、なんだかんだ言ってまだまだ後進国のアメリカだけは、イギリスの腹にコバンザメのようにはりついてちゅうちゅう利益を吸い上げているので、大人しく従ってます。





フランスは「イギリス超ムカつく!」


イギリスのように中国からおこぼれが欲しいので、中国属国のベトナムに手を出しましたが上手く行ってません。

ナポレオン3世の対外政策、しかも彼はもういない。

川船でサンパン叩いてクレバーに勝利を掴んだイギリスと違って、清と正面からがっぷり組みついてます。

遠隔地、兵力差で敗けそうです。

とりあえず日本のおかげで辛勝しましたが、そもそもそんな状態で美味しいわけがない。

内政は順調に回復し、世界一の科学国!世界一の文化国!と称賛されているのにね。

ナポレオン3世なのか、それを支持したフランス国民なのか、なんか間違った方向に進んでいます。

別にイギリスが美味しかったのは独立国、親交国を操って利益をかすめる状態の方がよかったのに、その利益をむさぼれない状況にあこがれて、ジャイアンのように喧嘩売ってます。





ナンバー3のドイツは新興。

「世界が混乱すれば良いなぁ。そうすれば僕が主人公になる機会ができるのにね!」

厨二病な思春期です。


だれも尊敬してくれない。

せっかく産業革命果たしても二流扱い。

外征してもうまくいかない。


ああ、世界が混沌とすれば自分が美味しい思いが出来るかもしれない。


「やってくれー、世界を火の海にしろ!!」


というのを心の底から望んでいます。

業の深い国だ。


ついでにロシアが東に目を向けるのは大歓迎です。

大国、、と言い難い国ではありましたが、その言い難い部分「乱暴」「暴虐」「命が軽い」という部分も含めてドイツや東欧諸国にとってロシアは面倒な国です。





そしてそのロシア。


各国から「うぜぇ国」と思われていました。

でも、じゃあ仲間はずれかというとそうでもなく、


たとえばイギリスが孤立した時は、イギリスに鼻薬かがされて「そーだそーだ!」


イギリスがうぜえと思われたら、ドイツとフランスに賄賂もらって「そーだそーだ!」


ドイツが生意気に見えてくると、フランスやイギリスに言われて「そーだそーだ!」


国力はそんなないし、実は言うほど強くないけど、一応はナポレオンを倒した列強ですから。

言葉の大きさでジャイアンみたいに目立つので、良いように各国に利用はされてました。


ついでにトルコというイスラム国家の防波堤、クリミアというアジアの野蛮人国家の防波堤の役割も担っており、、、という訳でもないです。

既にイスラムもクリミアもバルカン半島もヨーロッパの一員です。

ロシアがちくちくいじめられる状態なので、判官贔屓でむしろロシアより彼らの方が贔屓されています。


イギリス・フランス

「ロシアさぁ、あんまトルコやバルカンの連中いじめんなよ?おまえその非道さは人間じゃないよ、自重しろよ!」


キリスト教の旗手と頑張ってたのに、むしろその所業でロシアは「どうしようもない国」と位置づけられ、何だかんだで仲間はずれになりつつあります。

なんか最初の一行と矛盾してますが、所感としても微妙な孤立感とかそんな感じ。



そしていつまでたっても貧乏。

いつまでたってもおミソ扱い。

乱暴者と言われてるし、野蛮人と言われてるし、田舎者といわれてるし。。。

しかも彼らは自分たちをキリスト教の総本山!文明国の中心!と本気で思ってたりします。

だってヴィザンチンから譲り受けた「キリスト正教」の宗主国であるモスクワ大公国の末裔じゃないっすか。

みんな忘れてるけど。

というか、現代でもロシアは宗教の件で浮いてます。

アメリカ人やイギリス人はキリスト正教をプロテスタントの一つとして扱い始めてます。

キリスト教のご本尊なのに「ロシア正教」と閉じ込めてしまいました。

ロシア人的にはキリスト教は「キリスト正教」なのに、カソリックやその派生のプロテスタント的には、キリスト正教そのものが忘れられつつある


キエフやウクライナからは、現代でも文明世界の中心から外れた田舎者、、だって西の方が発展してますしね!、、モスクワ的にはキエフ/ウクライナは俺の子分、なんとも罪な片思いです。


そういえば西東京に住んでいたおいらのカルチャーショックを思い出した。

西東京に住んでいると、新宿や池袋に近い方が都会、不動産価格も高いし高級!的な考え方があるんですよ。

そんな連中に、厚木に住んでいる連中から「田舎から大変だね!」と言われ、その根拠は「厚木はラオックスがあるしパルコがあるじゃん?多摩にはないよね?」と言われ(実際はありますが)、田舎や都会の尺度もいろいろあるなと「へぇ」とか思ってしまったものです。


まあどうでも良い話です。

とにかくロシアはプライド高く、コンプレックスも高く、田舎者と蔑まれ、しかもそれが真実という、、それを打破したいという気持ちはたっぷりあります。

    |

   \  __  /

   _ (m) _ピコーン

      |ミ|

   /  .`´  \

     ハ_ハ  

     ( ゜∀゜)')

    (つ ノ

    ⊂__ノ

.     し'

そーだ!海で儲ければ良いんだよ!

そうしたらイギリスみたいに尊敬されるよ!


それが港を手に入れたいという南下政策です。

周辺諸国はみんな迷惑してます。


しかも現代でもそうですが、政府は強権発動しているように見えますが、まとまりがない、国民は従わないアナーキーな連中ばかりです。


ロシアが南下するとその中の人は他人が耕した田畑を勝手に奪い、港が欲しいだけなのになぜか国ぐるみで略奪行為をしているようにも見えますし。

まあ略奪しているんですけどね。

逆にロシア人が勝手に奪って、国が追いついて「オレのモノ」という所業もあるし。


国ぐるみで極悪非道な略奪をしているように見える。

ヨーロッパでは、イギリスがバックのバルカン半島や地中海、東ヨーロッパはドイツがバック、トルコはイギリス、フランス双方を味方につけました。


フランス・イギリス・ドイツ「いい加減にしねぇとぶんなぐるぞてめぇ」

ロシア「さーせん」


本気でやられるとロシア弱いです。


人口少ない、武器は粗末、国民性はいい加減。

個人の腕っぷしはすごいですが、というか腹にナイフが刺さったまま暴漢をぶん殴ったデブなかーちゃんを見たことありますが、、

それだけにまとまりがないロシア。


現代のロシアでもそうですよ!?

プーチンの強気と、その裏付けの腕っぷしや銀色のとんがったミサイルが筍のように並んでいる姿、ミサイルと砲をばんばんに積んで、これでもかというほど強さを誇示する、戦艦みたいにでっかい巡洋艦やら潜水艦やら。

やたらセンサーを張り出させてまるでSFみたいな飛行機。

見た目超強そうです。


でも、ベトナムやら湾岸戦争やらシリアやら、


「甲板に一発当たったら死にますね」


「その暗視スコープ、すぐ電池切れになりますね」


「みえない飛行機とか言ってますけど、そのセンサー配置じゃ自分が盲目でみえないだけですね」


という評価をちょびっとづつ実戦で証明してたりします。

ロシアの勝利は何時だって冬将軍。

あるいは国民犠牲の焦土作戦。

それ以外はまともに勝てません。

あ、そう思っているとT34やMigといった名機がぽんっと出てくるのでわかりにくい国です。


あ、おかしな方向に、話を戻します。


とにかくロシアはヨーロッパでは頭打ちになってきました。

むしろこれ以上やると殺されそうな孤立感です。

でも膨張主義はやめられません。

東洋に目をつけ、日本との交渉で「樺太」、清との交渉で「満州」「ウラジオストック」を手に入れました。

東でもうちっと欲しいなぁがロシア。


そしてそれを疎ましく思っているフランス・イギリス。

そんな世界が日清戦争前夜です。









そんな中で各プレイヤーの具体的な動き。


<アメリカ・ドイツ・フランス>

不干渉を考え、


世界が混沌になれ!

そしたら俺が主人公になれる!


的な立ち位置に行こうとしてますが、なにかとロシアからお願いされてます。

確かに朝鮮が開国して自分たちの遊び場になるのはうれしい。


しかし、こんな形で逆説得をしてロシアを黙らせてますね。


・そもそもロシアは各国からうぜぇ奴と思われてもいるので、ロシア自体が朝鮮を属国とするのはまずい。

・朝鮮に一番近いのはむしろ日本じゃね?おまえじゃねぇよ。


日本的にはとっても助かってます。





<ロシア>

ヨーロッパの一国であり、国境線がある隣の国として朝鮮から接触されました。

超期待されました。

しかも不凍港を手に入れるチャンス!

しかし良く考えてみれば、中央から外れたど田舎。

鉄道さえまだまだ。

満州権益の方が忙しい。

そもそも太平洋は美味しくない。

なんかいろんな教科書で、こんなこと書かれています。


「朝鮮は重要な地」


「植民地が各国切り取られていったので残ったのはここだけ」


多分、日露戦争のころと混同してますね。

まだまだ清はまともな国。

ロシアは、そもそもウラジオストックの前にシベリアや満州をどうにかせねばなりません。

あんま重要ではありません。

あんま積極的でないまま一応朝鮮を助けました。


が、なんかイギリスに睨まれるし、フランスもドイツもむしろ


「このままにしとけ」


と逆説教をされるわで、朝鮮が思う程、朝鮮に興味を持たなくなりました。

イギリスと組んだ清を疎ましく思っているだろうと、日本にも接触しましたが、むしろロシアより清や英の方がましと考えていたみたいでがっかりしました。

日本の方が正しいんですけどね。

泥棒に狙われている家(朝鮮)について、隣組の英と清に相談/対立していたら、その元凶の泥棒自身に


「相談相手の清や英はムカつくだろう」


と言われてもね。


そもそも朝鮮半島の長大な海岸線、国境線を守る力もないしね。


その後は朝鮮が気を悪くしない程度になあなあで付き合います。

対立は続いているけど、それとは別にそろそろシベリア鉄道の権益とか、線路の設立とか、清も多少は協力してくれそうだしね!






<イギリス>

自分の縄張(シマ)である中国の権益を犯すロシアを敵視してます。

しかもロシアはフランス、ドイツ、アメリカと積極的に外交してイギリスを孤立させようとしてます。

(結果的に実は失敗しているのは↑のとおり)

一触触発。


巨文島占領はロシアをビビらせるのには充分でした。

その後ロシアは素直に手を引き、イギリスもそれに呼応して手を引きました。


しかし、外交戦略の手腕、派兵の素早さ、実はこの地を安定させるのは「清」ではなくて「日本」だよな


とか、


今は力が足りないから素直に下がったが、またロシアが南下するだろう


とか予想して日本の肩入れの決意を固めたようです。

薩英戦争から日本ラブでしたが、具体的に手を組み、外交で助けてくれるのはこの頃から。




<日本>

超貧乏。

超弱者。


それだけに朝鮮半島をロシア、あるいはそれ以外の列強に進出されるのはまかりならんという気持ちが大きい。

実はそれほど心配ではないんですけどね。


朝鮮半島が現代でも世界の盲腸で、紛争のタネであるのは地政学的なことが大きい。


中国という超大国、ロシアという中国政権の農業限界の北にある大国、海側は日本、という地政学的にも、緯度的にも、気候的にも、どの時代でも3国と接触するのが当たり前の場所にある。


中国に秦、シベリアに突厥という騎馬民族が闊歩することから分かっていること。


陸から攻めるのはとっても困難で難攻不落。逆に海からは攻めやすいし攻め込まれやすい。

海陸軍の発達によりますが、なんとも縄文時代から現代まで三国の拮抗しやすい立ち位置にあります。


そして貧乏。


国民が総じて貧乏なロシアでさえ「あんま欲しくないな」というほど産業発達が困難。

中国歴代王朝も属国にして放置プレーにするのが一番と言われ続け、統治にお金かかるし、それこそ何度も反乱の拠点になったところ。


日本はそもそも自国の方が肥沃です。

鉄鉱石が欲しかったので手を出したけど、蹈鞴製鉄が社会に定着すると大抵の時代はどうでも良い国。

手を出すだけで貧乏。

なので、もしか手を出さない方が正解かも。


でも防衛上の困難も明らかです。


白江村前後の何度もの侵入

北条政権のモンゴル

対馬もいつも脅かされる




だから清や朝鮮にサービスします。


居てくれるだけで良いから!

なんだったら維新とかするなら協力するよ!

安定して国を保てるんだったら血を吐くよ!


しかしここに手を出すと、絶望感を味わいます。

当事者感覚0

どころかあんなに警告しているのにロシアを引き入れようとしやがった。


「本当に朝鮮半島が欲しいと思う国はロシアだけ」


正しいです。


そんな状態を、日本の外交畑「陸奥宗光」が決意します。

積極的な謀略を開始します。


「清は日本の防衛を邪魔する敵」

「朝鮮は日本の防衛を邪魔する敵」


現代の外務省と違って(まあ左翼や自称平和主義者に首根っこ掴まれ、与党でも矛盾する要求が激しいので、すべて無視して接待係になるのはわかる)、明治時代は信じられないほど有能でした。


一度決めたら「悪魔の弟子か」という程の謀略を展開します。

しかもチームワークも高く、みんな一丸となって同じ方向を見ています。

条約には清が絶対に守れない一文を入れ、

清への諜報を積極的に行い、

どんな列強よりも積極的に「清」の戦力分析し、

清の大艦にビビらずむしろ積極的にパクろうとし、

列強が日本にどう見えるかを計算して外交、報道に手を加え。



東学党の乱が起り、その鎮圧のために朝鮮政府は清に派兵を求めました。

清軍は2,400名の出兵します。


日本は天津条約を元に朝鮮に派兵を通達します。

清が朝鮮に出兵した場合、公使館と居留民を保護するために派兵するのは条約どおり。

日本軍は約8,000名の出兵をします。


混成第九旅団が仁川に上陸しました。

すでに東学党の乱は鎮定されています。

でも日本は撤兵しません。

だって清軍が常駐してますもの。


「朝鮮に手を出すのはやめよう、手を出すのならお互いにね!」


条約どおりですね。


海外も黙っています。

すでに調略済み。

しかもとっても受動的なので外交上もウケがよい。


外交ルールは守ってます。

言われるがまま従ってます。


事前に条約を締結しており、丁寧に警告をし、条約に限りなく従順にしたがって派兵し、手順通りに治安を安定させてます。


清軍は友軍として英に積極的にアプローチを望みますが無視されました。

英は日本にこの地の安定を望んで好意ある無視。





尤も、実はその派兵軍は補給もままならず一会戦もすれば補給切れ、

海軍は動員も完了していないので出航不可。

そんな貧乏な日本らしくスカスカな体たらく。


でも良いのです。

だって日本は朝鮮半島を支配したいとは思っていません。

未だに清も朝鮮も東洋人つながりで仲間だとも思っています。

片思いですが。


朝鮮半島を清が積極的に安定させてくれるならさっさと撤兵します。

それは避戦派の伊藤博文であろうが、開戦派の陸奥宗光だろうが同じ意見。


まあ無理だろうなとも思っていますが。


清は、そもそも朝鮮半島は歴代の王朝から放置プレーを推奨されてます。


朝鮮政府は、自らを奪う泥棒を積極的に引き入れようとする愚か者ども。


まあ弱者に選ぶ権利はありません。

日本はその頃は弱者です。

防衛に必死。


内閣は解散したり弾劾したり、国会も紛争続きで派兵の賛否で殺し合いもおきそうな勢いでした。

しかし、実際の兵は気楽だったのか、悲壮感たっぷりなのかは知る由もありません。

清軍との睨み合いが始まりました。




<清軍>

会社がダメになる徴候。

「何をするにも、市場や購入者ニーズより社内事情を優先する」

そんな兆候があったら転職を考えても良いかもしれません。

まあ、ビジネスのコツは


「自分のリソースを有効活用できるかどうか?」


なので自らを省みるのは正しいですが、


「ボクチャンがこうしたいと思っているから、市場はこうあるべきだよね! 」


は本末転倒です。


なんにせよ、清が最初からこれほど積極的だったら日本と戦争をすることもなかったでしょう。

そもそも片思いではあるものの、日本は清や朝鮮は仲間と思っていましたし。


「対外的にどう見えるか」


「何が原因で、何が理由なのか」


を検討せずに、


「国内の現政権支持率が下がっている。積極性が足りないから打って出る」


をやっちゃうのは不味いですよね。

切羽つまる前に、まだ選択肢が残っている間に検討して欲しいものです。

しかし、国内事情を優先してしまいました。


そもそも対外的な解決したら、国内支持率は何とかなるのにね。

なぜ下がったのかの深堀もしていない。

勝てば良い、解決すれば良い、という一番肝心なことが抜けています。


はじめから計算高く取捨選択をし、積極的に動いていたら失うこともなかったかもしれません。


イギリスを研究し、手玉に取ればそもそも何も起こらなかったかもしれません。

だってイギリスの望みは「まっとうな貿易」「安全」それだけですから。

イギリスが利益がでるよう、長丁場で準備しています。

むしろ変なことやって、それを失う方が恐ろしい。

インド、アラブ、中国、イギリス、積極的に利益を出る組み合わせの貿易ネットワークを既に整えているのです。

それをきちんと認識していたら「イギリス、助けろ!」で解決していたかもしれません。

しかし、イギリスにアピールしていたのは国内もまとめられない惰弱っぷりだけです。


はじめっからフランスと真面目に戦争しておけばよかったかもしれません。

本気でやれば勝てる戦争でした。

だってやる気ないし。


フランスも、清そのものではなくて、その属国のベトナムでは利益が出るかどうかも怪しいモノでした。

すでにアホな対外政策を唱えたナポレオン三世は失脚しています。

フランスの植民地政策はどれ一つとっても利益が出てません。

「おかしいな、おかしいな、イギリスの真似しても俺らでは駄目だ」

そんなフランスの世論の一つでも聞いておけばよいのに。


しかし選択したのは中途半端な妥協です。

「ちょっと日本が怖くなってきたから降伏します!」

フランスは濡れ手に粟という程欲しい場所でもなく、後のベトナム経営も苦労します。

最初からそれも予想していた人多数。

とっくの昔にナポレオン3世はメキシコやらプロイセンに負けて失脚してるのに。

対外政策の失態で反省続きなのに。

勝とうと思えば勝てる相手だし、それこそ一歩も引かないだけで国内支持率が上がる可能性も充分あるし。


なのに勝手に清は「負け逃げ」しやがった。

清国民は政府の惰弱さに絶望します。



そして日本。


そもそも沖縄はとっくの昔に日本の縄張シマです。

中途半端に主張しなければ無視された程度の。

日本が普通に併合したのは当たり前なこと。

何も言わなければ何も問題なかったこと。


台湾はちょっとぱかし上陸し、ちょっとばかしすったもんだがあったが、そのちょっと以外は誰も本気で経営したことない国。

「オレのモノ」と言わなければ惰弱さが露呈しなかったのに。

未だに権利はありますが、それこそ日本との火種に変わりつつあります。

伝染病が蔓延するお金にならない島。

なんでこんなことになっちゃたんだなろうね。



そして朝鮮半島。

それこそ歴代の政権が苦労したこと。


産業がなくてお金にならない

統治が困難

陸戦だと守るに易く、攻めるに堅い


放置プレーにしておけば良かったのに。


・ロシアは南下したい。

・日本は日本攻略拠点を敵に渡したくない


でも中国的にはどうでも良い場所です。

しかし妥協続きの日本へ領有権をはっきり主張してしまいました。

対外事情より内政を優先してしまいました。

宗主権明言し、袁世凱を派遣し、支配権を強化し。

確かにここは清の縄張シマ

その権利はあります。

しかし、世界の潮流は清が惰弱すぎて「日本じゃね? 」

やったら損するのに、精神的な惰弱さや、自分からイニシアティブを取らないあやふやな態度は、すでに有利な選択肢を奪われ、敗けの濃い一点賭け。

やっちゃった感がたっぷりですね。



イギリス、フランス、負けに負け、国内支持は最低レベル。

西太后の手腕でギリ治安は維持していますがいつ反乱がおきるかわかりません。

士気モラルは最低レベル。


装備も艦も一新して強力ですが、

まだまだお金もたくさんありますが、

国内世論は沸騰中です。


大したことないフランスとの妥協。

でも敗戦は敗戦です。


そしてロシアとの妥協で満州やウラジオストックは失う。


中国にとってはどうでも良い場所ですが、今となっては弱気の代名詞に見えます。


そもそも自分のモノではない沖縄と台湾。

当たり前の日本との妥協も、国内では「小国日本に3連続で屈した」ように見えます。

なのに北方国境はロシアとトラブル続き。

上海はヨーロッパ人が我が物顔で歩き回っています。


惰弱さによる国民の不満MAXです。

そんな中で朝鮮は、また中国に不幸を呼び込みました。


反乱です!


何とかしてください!


俺ら清さんの舎弟ですよね!


やっぱり小火ボヤがおこりました。

いままでだったら助けようが助けまいが清の都合だけで決められたのにね。

いまや「はっきり」対外的に「俺の縄張シマ」を明言してしまいました。

日本のアギトが待ち構えているとも知れず、気楽に、いつも通り派兵しました。

清軍陸兵2,400名。


そういえば日本と条約結んだな。

台湾と同じだっけか?

思い出しました。

「清が軍を出せば日本も出す」


...清と日本の睨み合いが始まります。




<朝鮮>

それが事大主義というのか、、各国と積極的に接触します。

「助けて!」


日本に「助けて!」と言えば開国を迫られ、対外貿易で日本に一方的に赤字を垂れ流すことになります。

産業ないんで当たり前なんですけどね。


清に「助けて!」と言ったら、完全に属国化を迫られました。

すでに日本と妥協し続けて世論は沸騰しています。

これ以上は日本と妥協できない。

これ以上下がったら日本にも負けたことになってしまう。

朝鮮半島と全然関係ない理由で、朝鮮半島は他人の物になってしまいました。

もともと清のものだったんですけどね。

朝鮮だけが気づいていないだけで、対外的には当たり前です。

日本も「うんうん」うなづいています。

それが当時の世間の常識。



ロシアに「助けて!」と言ったら、イギリスが問答無用で攻めてきました。

完全にロシアとの喧嘩で朝鮮と関係ありません。

朝鮮政府は無視。

その後もロシアは「助けてやるぞ!」と口だけは言いますが実行しやしません。

鉄道もつながっておらず、ウラジオストックには人もいない。

イギリスにびびって実は妥協している。

ロシアは「助けてやるぞ!」と山びこのように返してくるだけの存在です。



そしてまた反乱がおこります。

自業自得なんですけどね。

歴代政権はキリスト教やら仏教やら、みょうちきりんな理屈をこねて、「これが儒教です」と外国人を殺しまくり。

外国人がきたら不満たらたら打ちこわし。

それを追い出した日本が来たら、赤字垂れ流しで不満たらたら殺人。


東学党の乱でもいつも通り助けを求めたら、来てくれた清はいつもと違う。

なんか本気マジ


呼んでもいないのに日本が来た。

条約の事は忘れてました。



東学党の乱、別名:甲午農民戦争


あわてた朝鮮政府は指導者)全琫準と妥協し、和平を結んだそうです。

自分で平定できるなら最初っからやれよ!


でも、なぜかそんな証拠や文書がどこにもないのが不思議。

何時もの朝鮮の謎です。





朝鮮は日清両軍の撤兵を申し入れますが、両国は無視。

日本は清に対し朝鮮の独立援助と内政改革を共同でおこなうことを提案したが清は拒否。

イギリスは清へ撤兵案を出すが「日本の撤兵が条件」として清は拒否。


まあ清の事情は国内事情。

「これ以上惰弱は見せられない」

ですからね。


それをイギリスの時、フランスの時にやっていたら随分と違った国になったろうに。

切羽詰った本気は上手く行かないことが多いです。

背水の陣なんて、兵にそれを言うなら士気も上がるでしょうが、将がそう追い込まれるのは愚者の証拠ですからね?


戦闘が開始されます。

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