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人間の歴史。  作者: TAK
日本の近代化
144/176

駆逐艦「夕立」っぽい!

引き続き、日本の近代化に邁進します。

といってもまだまだ背景を説明しきれてなく、日本が人間史に何かをもたらす前説明をもう少し語ります。



まず「産業革命」「経済」という点でそもそもボロボロです。


考えてみればイギリスの産業革命は、人口増加その他とセットなのがそもそもあります。

それこそ、都会に来て、サラリーマンになり、核家族化することと人口増加がそもそもセットであります。

そして丁度よく農業も改革されました。

農民ヨーマンはやってられなくなり、さらに産業革命で増えた資本は農業にも投入され、大農場化され、セットで農業も改革されたのです。

それが望んだ結果かどうかはともかく。

そして工場化に合わせた法律は、さらに小規模農業従事者がやっていられなくなり、工場化が進むのと大農場化が進むのはセットでした。



一方で日本はどうでしょう?

産業革命、、と言いつつマニュアルと伝聞で工業化がすすんだだけ。

というか工業「化」ではないですよね?

元になる産業も皆無だし。


江戸時代のままの人口構造で工場が突然「ポンッ」と出てきたものです。

それで市場が生じたわけでもなし、工業従事者が人口構成比が変わるほど増えたわけでもなく。

そして西洋を取り込むことで人口が急激に増えたわけでもなし。

江戸時代と変わらない農民の隣で、突然よくわからない工場が立っただけです。


日本国民の大半は未だに農民、ただ江戸時代と違って著しく価値は下がっていますが、かといって積極的にそれを変えたわけでもなし。

ただ貧乏になってそのまま残りました。


そして隣に立ってる工場は、販売する先も「官」がメインだったりする。

だって別に国民は、というか国民意識がない「領民」のまま江戸時代と大きく変わらない意識だし。

資本主義「っぽい」ことをして、見事に共産主義みたいな市場構成となってしまいました。

むしろ江戸時代の投資がすべて否定されちゃってるんで経済は大幅に縮小してます。

お伊勢参りもすたれて伊勢神宮も閑散としてしまいました。



もちろん、共産主義「っぽい」だけで望みは資本主義な列強ですからね?

ロシアはまだまだロシア帝国で共産主義は影も形もありません。

世界最初の共産主義国家かも。






もちろん、「民主主義-徴兵」も当時の強国の条件。

まんま真似して列強へと邁進しようとします。


民主主義...江戸時代の領民の気持ちで民度はそのままですけどね?

というか、現代でも民主主義って日本国民が理解している人は怪しい。

江戸時代の領民の気分で「お上」「親方日の丸」。

政治家は自分たちの延長という考え方はとても遠いです。

もちろん、政治家も民度の低い民衆に媚び売るより、マスコミや選挙区の名士に媚び売った方が良いので民度の低い選挙民なんてほったらかしが正しい。


ヨーロッパ、あるいはアメリカでも民主主義デモクラシーは、そもそも啓蒙主義という儀式を経た結果です。

神の元ではみな平等。

世の誰もが理性を持ち、各々のの役割をこなしている。

王も神から与えられたものではない、、、ここら辺は異論がありますが、なんにせよ契約であり、国民への義務があり、それにしたがって行う職業であると。


ジャンプの「こちら亀有~」でいってた税金の話が分かりやすいですね。

皆が近所の川に橋をかけたい。

ではみんなからお金を徴収して橋を作りましょう。

王や政治家はその管理人。


もちろん、どのような川のどのような場所に、どのような規模で誰に頼むか、巨額のお金を抱えながら決めますからとっても強い人に見えます。


しかし、それでもただのお役目なのです。

現代日本でもいまだに民主主義「っぽい」だけで、意識が民主主義の国民かはとっても疑問符です。

しかも、それに合わせて制度も意識も整えちゃったので、みょうな老人、既得権益、顔の利く地方のなんでいるかわからない権力者。

有力者のすすめに逆らうと、なんかよくわからないけど暮らしにくくなります。

ゴミ集積場が目に前に成ったり、なんかPTAで孤立するし、雪かきの雪が玄関に積み上げられたり、なんかねちねちが始まります。

それくらいだったら有力者のすすめにしたがって特定の政治家に投票した方が良いですよね。


アメリカでは「俺はトランプだぜ!」をアピールするためにとっても頑張りますけどね。

日本でそれやっても身内以外誰も来ませんしね。

むしろ宗教勧誘「っぽい」し、なんかやばいことに巻き込まれかねないしね。

民主主義「っぽい」政治が続きます。

明治維新は、民衆と関係なくなんとなく薩長閥(当たり前ですね、維新で活躍したほとんどが薩長ですから)、選挙はほとんど意味なくやってます。




そういや宗教も。


とうとうキリスト教が定着しました。

「なんでも西洋!」的な延長です。


しかし、いままでは江戸領民、知識層インテリゲンチャからそっぽ向かれていましたが、今回は違います。

西洋の真似すれば幸せが訪れると必死な上位階級の人が率先してキリスト教に関わりました。

ひゃっはー!


しかも、江戸初期の、宣教師なのか商人なのか、海賊なのか、奴隷商人とわからないようなカラブルみたいな宣教師は影をひそめ、ザビエルみたいな高潔な人が集まります。

なにしろ貧乏国ですからクズが集まるような環境でもないですしね。

日本のために宣教師とっても頑張ります。


カトリック教会 1895年 信徒数50,302人、司教4人、宣教会士88人、マリア会士27人、邦人司祭20人

プロテスタント 1888年 信徒数15,514人、宣教師451人、日本人教役者142人、神学校14校、神学生287人


そしてロシアの正教も入り込んでしますね。

というか、日本人はカソリック、プロテスタント、正教、どころかイスラム教とユダヤ教、これら違い解らないっすよね?

というか、半分カルトな韓国教会に騙される人、とってもたくさんいますね。

江戸時代の蘭学者や英学者のように、真摯に聞いて断った人達より不純な気がします。


まあいいでしょう。

上流階級、公家、貴族が殺到します。

そういえば天皇家も学習院意外にICUとかキリスト教系が多いですね。

神道の要、神の使いなのに良いのか?

そして、七五三は神道、結婚は教会でウェディングドレス、葬式はお寺でお経。

いまと同じ意識で良いと思います。

テキトー

なんというか、日本人は宗教「っぽい」ことしてるだけで信心深い人は少ないと思います。


ついでに西洋様ばんざい!な影響で神仏分離と廃仏毀釈が成されました。

天皇陛下は神道という大教宣布を拡大解釈して、なんか仏教は外来の神だからぶっ壊せ的な。

。。。つまり神道も仏教もわからなきゃ、それが日本に来てどう変わったかもわからないわけですね。

アホの集まりです。

たくさんのお寺が被害受けました。


私の家は神社なんですけど、守ってくれてるお寺は健在でよかった。

神社の近くにお寺があるのは縄文時代から続いていたことです。

神社が立派でお寺は×って、神社の人も困ったでしょう。


まあ維新でキチたくさんいましたもんね。

なんか天照大神アマテラスオオミカミを仏壇にかかげて拝んでましたしね。

自然宗教と一神教も混じってます。

もうわけわからん。




教育については微妙ですね。

なにしろ江戸時代と変わらずと考えれば、対象までまともに小学校がなかったとしても、従来通り寺子屋で学べば良いでしょうし。

まあ廃仏毀釈なんでお寺は前途多難でしたでしょうか。

なんか知識はあってもそれは国主導ではなく、微妙に徴兵の何かのためでもなく、都会のみどんどん学教が薦めていきましたが微妙。

尋常小学校のイメージ、次郎物語とか24の瞳から想像してはいけませんね。





あとは外交か?

まったくなってませんね。

諜報、オープン情報からの情報整理、どころか西洋化に邁進しても、肝心な西洋はわかってないです。

列強の何が強く、アメリカ、イギリスの違い、フランス、ドイツ、「強い」以外はとにかく理解できず。

アロー戦争やアヘン戦争の違いも中身も頓珍漢な意見やコメント、文献多数。

とにかく外国は怖いそうです。

そりゃまともに扱ってはくれませんわ。

江戸時代はあんなに尊敬されてたのにね。


外交官、外交「っぽい」ことはしてましたが、そもそも外交は何かもわかってませんね。

それも現代日本に通じているような。

まあ国民全体、政治家も含めて日本は手が縛られてハンデも気付いていませんし、飴と鞭の考え方もなければ密室外交、砲艦外交、諜報もまともにできません。

これはみなさん、実際お会いしてないからわからないですよね?


正直、こんな感じ。


・日本の政治家の外遊に喜んでもらった、、

・この国に好まれた。

・マニュアルどおり、現地日本人を世話した。


そして、政治家が変わってもスタンスが変わらなくて良い、本当になんの仕事かわからない職。

だって政治の外交スタンスが全てですね。

安倍首相がやっていることの大半は、本来外務省がやることっすね。

中身まで決める内閣情報調査室と、それを接待して「おれってすごくね」と自己満足な外務省。


諜報って何するか知ってます?

大抵の国は、現地の新聞、評判、公開データを入手して分析することです。

007だのマタハリだのが活躍しなくても8割がた情報は分析できます。


そして私は昔の職業柄、アメリカ外交官、イギリス外交官と接触しましたが意識が違います。

軍事的な指標、部隊の移動、人事まですべて武官でもない外交官がソラで言えます。

政治家がどの系統で、だれと関係してて、どこに接触しているかとかも。


アメリカの外交は、ケネディ外交官より、その取り巻きを見た方が何を重視しているかわかります。

実はそれなりその筋では有名人。

まあ未だに日本は外交「っぽい」ことしてるだけで、おかげで内調や総務省が超忙しい、悲しい行政府だったりします。

寂しいものだ。



そして民衆の自由民権運動は怪しげなブンヤが仕切って、



。。。。さて「っぽい」を何回言ったでしょうかね。

艦これの「夕立」を思い出してしまいました。

まあ、私は空母「加賀」派ですが。

私の嫁さんはああいうタイプです。

美人でもないし、おっぱいは小さいですが。

どうでも良いですね。




とにかく、ただマニュアルひっぱって真似しても随分と無理だったのが明治時代だったようです。


考えてみれば当たり前。


行政府が動かしたところだけ変わっても、それでマーケットがいきなり出現するわけでも、民度の高い国民が生まれるわけでもないですしね。

ほんと、明治時代は大変な時代だったようです。

17世紀のヨーロッパ、19世紀のアメリカ、カルトにはまるのは文明の発達に不可欠なのでしょうか?

廃仏毀釈だけではなく、なんか陰惨な雰囲気がたくさん漂います。


確かに江戸時代は悪く言われるわけですね。


江戸時代より明治時代の方がマシだよ!


なんて言えるわけない。

西南戦争で武闘派のほとんどは消え去りましたが、不満が消えるわけでもないですしね。

大正までこんなん続くわけですわ。

「っぽい」「っぽい」「っぽい」「っぽい」だけで本物が一個もありません。

馬鹿にされるわけですね。

教科書では 外国に「認められなかった」 ので不平等条約だったとか言ってますが、どう考えても外交に「相手にされなかった」だけなんじゃないっすかね?

法律だってやばいものです。

インテリジェンスさや平等な裁判さえ怪しい。

人治主義がはびこる隣の国を考えると、日本人的には彼らに裁判なんてされたくないですもんね。

外国も同じです。



妙な国民性になってしまいました。


・知識は高い

・民主主義レベルで民度は低い

・貧乏

・宗教はカルトっぽくなっていた

・国民意識皆無

・行政府は稚拙

・外交は「列強怖い」以外はまともな情報なしで手さぐり

・ぜんぶいい加減



でも、何とかしないと!


・列強は怖い!

・とにかく文明は底上げしなければならない!

・日本国民を作らなければ!


こんな条件のヨーロッパ国、見たことありませんか?


・帝政

・そもそも中世は工業国

・職人いっぱいいて知識レベル高い

・カルト、ぐちゃぐちゃで宗教、モラルひどい

・ちょっと前まで内戦でぐっちゃぐちゃ

・うまくいっても悲惨で立つ瀬ない

・貧乏

・武人が幅効かせてる

・イギリスやフランスがどんどん先進国になっても、なんか取り残されてる


ドイツがまさにそうですね。


北欧とイスラムの通り道で職人がいっぱい、

だから知識レベルは高い、

でもドイツ騎士団と迫害されているプロイセンでぐっちゃぐちゃ、

オーストリアやハンガリーやロシアは未だになんか殺し合いで怖い、

ドイツ騎士、それに対抗できた武闘派プロイセンが偉い貴族

周辺は産業革命うまくいったのにドイツは職人の国だけあって超貧乏(初代クルップは過労死)。


ああ、この先どうやってやっていこう、、、、



ということで、大日本帝国憲法がつくられました。

先進国への道筋に参考できるのはドイツだけ、皇室典範も含めて無難と言えば無難です。

言われるほど悪な憲法ではなく、立憲君主としてノーマルな法律。


問題点は軍制と古すぎることですかね?

ドイツ人と日本人の最大の民族性の違いは、杓子定規化、フレキシブル過ぎるか。

ドイツ人のかちんこちんな制度は、スタッフ、サービスという観点では相性がよく、クラウゼヴィッツからの戦争の考え方はまさにドイツ人のためにつくられたものです。

フレキシブル過ぎて無能な老人がはびこるいい加減な日本と相いれない部分。


そして古すぎる!

王権神授説的な怪しげなテキトーさで国をまとめる礎にしてます。

よーするに、ナショナリズムで国をまとめることに決めたのですな。


あと貴族院が衆議院より多少有利な点も。

まあまともな民度でないので、作った当時はその方がよかったかも。

江戸時代の為政者やそのノウハウを持っている人はみんな貴族院にいたので。


かなり天皇陛下を神格化しているのは、自由民権運動というカルトがはびこり始めてます。

ワシントンやらクロムウェルやブルボン家のまともな民権運動でもなく、後に血のカスケードのようなフランス革命のようにちょっとキチ入ってます。


まあ、実は今の自民党の「自由」、共産党だの社会党だの唱える「自由」はこちらなんですけどね。

ちょっとキチ入った状態がまだ続いているのかどうか。。。


ちなみに「憲法」って何ってのも確認しておいた方が良いです。

端的に言うと「変えにくい法律」というだけですからね?

法学という科学に神格化が入っている「自由」を唱えるキチに惑わされてはいけません。

国のスタイルがぽんぽん変わるのは対外的にも信用も失うし、具合が悪いので(アメリカ合衆国を見ればよい)、核の部分を変えにくくしただけの法律です。


「神聖な」憲法九条とかばかげてますね。

変えたくない、変えたいという心のエッセンスが敬すべきものかどうかはともかく、それを神聖と言って思考停止する態度は如何なものか?

啓蒙主義のかけらもなさそな自由主義です。



明治二十三年、1890年にようやく形だけ整ったというところでしょうか。

こういう背景で明治時代は続いていきます。

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