文明開化!
さて、日本の近代化続きます。
といっても、日本の活躍はいまいちでした。
日本が出てくるときは、とっても金持ちか、とっても貧乏か、今回は貧乏ですね。
そして調べてみてびっくりですが、なんか教科書のイメージ「明治時代で文明開化、近代化!日本TUEEE!」的なイメージあったのですが、どうにも違うようですね。
明治時代は、先進国どころか下手すりゃ南米以下の国力です。
しかも明治時代後半になっても改善していません。
なんか「東洋人だから西洋に馬鹿にされてた!」とか書いてある本とかもありますが、なんか数字見ていると、それ以前の問題ではと思ってしまいます。
そんな日本を題材にして、お前の「人間の」歴史とか大風呂敷広げてなにやってんねん?
ご尤も。
ですが、これから言いたいことはこちら
・産業革命、第二次産業革命、銃器の発展、動力船
これらが「どのように人類社会に適用されていったか」を書こうとすると、実はこの時期の日本が一番適切です。
生活、これら発展については、それこそ第二次産業革命の延長として特筆することはあんまありません。
第二次産業革命で述べたように、エジソンが別に電球を発明したわけでもなし、フォードが初めての自動車を作ったわけでもなし、でも彼らはある端点として偉業は成しているわけです。
そして彼らのようなビジネスマンがアメリカ、ドイツでどんどん活躍していきます。
それこそ映画になりそうなことをたくさん。
しかし、これらこまぁなことを言っても多すぎますし。
しかも伝記に書かれるような偉人とはちょっと違いますしね。
悪人ばかりだし。
ただ、まあアメリカのビジネスをちょっと触れてみると、、、とにかくごった煮です。
南北戦争で儲けた北部側のクズ、奴隷商人上がり、困った黒人を更に食いものにする業者
イタリアの家族主義が高じたマフィアが禁酒法を利用したり、カジノを作ったりとか?
あるいは、一方でピグリムファーザーズと言われる古き良きアメリカを体現したような人は移民にも多く(それにあこがれてきた人とかもいますし)、後にWASPと呼ばれるような清廉な人までが成功したり。
まあ特に投資を募るが前提なアメリカは汚いだけではビジネスが成り立たないですからね。
ロックフェラーやエジソン、フォードのように個人の中にクズな所業と、高邁な精神が同居したりとかもしてますし。
ついでに黒人-中国人-日本人-ユダヤ人-イタリア人といった被差別民族が社会に組み込まれる過程もアメリカの発展の一部となってますし。
黒人がひたすら差別される時期と、それが社会に組み込まれる時期と、それを利用した差別ビジネスが横行する時期と、それが完全に陳腐化する時期とを注目するとこんなことを思ったりして。
アメリカって「差別」ではなくて「区別」しているんだなぁとか、行動はとっても正直だとか思ってしまいます。
同僚が黒人で尊敬さえしても、自分の子供は黒人が占めている小学校には絶対に入れないとか。
確かに
黒人1人-白人1人なら友達になりますが、
黒人10人-白人10人だと対立します。
黒人10人-白人1人だといじめが起こります。
小学生のような社会では当たり前のことですが、日本のPTAは「天使」「純真な子供」とか言い出して無理やりごたまぜにしますね。
日本人は(東洋人は)子供に甘すぎるとかよく言われますが、そのへんな近世の魔女狩りみたいなキチが通用しているという点でその通りかもしれません。
なんか赤ちゃん抱えた母親が、勘違い特権階級とかになってますしね。
指定席/グリーン車の席譲れ!
私の天使ちゃんのために窓際座らせろ!
羨ましがるからそんなんだすな!
喫煙席でも子供のいる私のためにタバコ喫うな。
ちょと現実みろは在日外国人(特に欧米から来た連中)によく言われます。
そしてキチを甘やかすから少数でも目立つ目立つ。
礼儀もほどほどってもんがあるだろうというのは在日外国人(ほぼ全世界)からよく言われます。
まあ良いでしょう。
とにもかくにも、技術の発展、文化への適用はごった煮ではあるものの、アメリカの道を辿っていくと、時期的には前後はするものの、ほぼ全世界共通の発展となっていってます。
そして、日本は明治時代は後ろの方で遅れに遅れている状態。
まあ仕方ないですね。
江戸時代とは全く別なベクトルに走りはじめ、いままで走ったことが無駄だったように、今までのお金は霞と消えていき、尊敬される技術も、文化もまずは否定し始めました。
教科書で詳しく書いてあるでしょうし、そこら辺の発展は端折りましょうか。
どれも欧米、あるいはそれ以外の地域でもしょぼくて特筆することはありません。
鹿鳴館?
なんか不平等条約のために云々と言う以前の状況ですね。
正直いうと、むしろとっても馬鹿にされ、ダンスを踊れる女性がいないので芸者を訓練したとかフランスの風刺画に書かれていますね。
江戸時代は尊敬されていたのにね。
万博では称賛され、
ゴッホは惚れまくり、
蝶々夫人、イリス、歌劇は日本ネタばかり。
ドビュッシー、ラヴェル、今でもCD屋さんにたくさん並ぶ作曲家も日本の影響を受けまくりです。
それが、たった数十年で風刺に書かれるような馬鹿にされた国になるとはね。
まあ仕方ない。
西洋の何を選んで、何を捨てるか、そもそも判断できる根拠もないですしね。
とにかく丸ごとコピーを選択したので、それを貫くことに決めました。
どうでも良いですけど、私がコンピュータ会社のSEだったころを思い出してしまいました。
マイクロチャネルだのイーアイサだの、まだまだ技術が黎明期な頃、レガシーで特殊なアプリがあるので、なにも変えずに古いPCを丸ごと新しいPCに移したい。
黎明期の頃は無数のBUS、メーカー、変なボード、ドライバソフト、それこそメインメモリがKBで数えるような世界。
ただコピーするだけでは似たようなメーカーでもエラー出まくりです。
そしてそれを新PCに置き換えるのは一日以上の作業。
日本がまともな先進国になる時間が明治時代だけでは足りなかったのは仕方ないように思えてしまいました。
富岡製糸場、豊田織機、コスモ石油、日立造船、日本郵船、どれも明治時代であれば世界にとってどうでも良い企業です。
しょぼい、高い、技術力ない、既得権益、競争力なくて官におんぶにだっこ。
昭和、戦後の「護送船団」方式を批判する人多いですが、その時代に立っていた人から見れば「何いってんの?」状態でしょう。
現代のMADE IN JAPANが想像できないようなだらしない企業ばかりです。
豊田、いえトヨタの社長?が先見の明があったとしても、それこそ例外中の例外だったりするのです。
実際、成功した名だたる企業の経営者は得意げに官僚を批難しますが、おんぶにだっこも多いし、救えず潰れた企業も多いし、それ考えれば役人無能とは言い切れないような、、、
まあ現実を知るのは、成功体験を聞くより、敗北数を数えてみた方がよくわかります。
アイドルに成りたい、ミュージシャンに成りたいとかいうお子ちゃまには、下積みアイドルがどういう扱いか、どういう給料かを教えた方が良いですよね。
そしてその負け組なアイドルさえ、偉そうに恩着せながら搾取するJASRACだの、なんちゃら放送協会だのがいることも知っておいた方が良いです。
搾取する方はお金など必要ないくらいに高給なのにね。
負け組は口をつぐむのでなかなかデータは集まりませんが。
そして明治時代も同様なようです。
日本の開拓者スゲー、近代化スゲーの裏っ側の数字をみるとあまりほめられるようなものでは。
というか、この文章を書くためにたくさん調べものしましたが、評価と数字と、規模、西洋や南米との比較を考えると矛盾だらけになってしまいます。
とっても時間がかかってしまいました。
というか、そもそも「日本スゲー」論者は明治時代を無視しすぎです。
日本は優れている!
日本は学問を大事にしている!
老舗企業!開拓者!偉人!才能ある!
近代化から幾らも絶たずに列強に入れた!かっくいー!
民主主義!自由民権運動!
きちんと明治時代をみていたら正気かよ!と思います。
明治20年の尋常小学校就学率は50%です。
20年たっても50%。
全国民の農業従事比率は1885年で50%近く、1920年でも30%以上。
製造業は1920年でも30%。しかも生糸ばっか。
残りは3次産業、、、といっても鉄道といった輸送です。
船舶も無理やり奪って既得権益で。
そして政府サービスも5%以上。
まるで共産主義国家の数字を見ているようで頭が痛くなります。
1920年「大正9年」でも、産業構造はまともな国家とは言えない。
既に列強と言われている時代でもこんな体たらくなのです。
教科書では
「近代化して日本はがんばった」
「列強の仲間入りした!」
「先進国!」
としか書いていない状態、富岡製糸場やら足尾銅山やら八幡製鉄所ががんばったと言いつつ、その頑張った中身は空白。
とっても弱者だったのです。
江戸時代から明治時代に変わり、たちまち近代化したようなイメージで説明していますが、その実とっても歪んでいたことは全然、説明されていません。
たしかに日本人は識字率が高かった、維新の英雄たちはいろいろな産業作ったは正しいですが、それがまともに動き始めたのはずーっと後です。
むしろまともな先進国っぽい産業構造はアメリカが進駐してきた戦後かもしれません。
「日本だけが近代化できた!」
とっても空しい言葉ですね。
しかし、だったらなぜおまえは歴史を説明するネタに日本を選んだの?
単純に言うと文明開化とは違う部分の全てですかね。
例えば海軍。
西洋はまだまだ帆船が疾走し、イギリスとスペインが無敵艦で争っていた戦列艦と同じ考えかたで海戦を考えています。
商船と軍船は装備は違えど根本的な違いはありません。
戦列を組んで、しかも戦列自体はローマ時代とあんま変わらない歩兵のような考え方で確たるものではありません。
蒸気機関が出来上がりましたが、それをどのように海で使うかもきちんと決まっていません。
むしろ置き換わったのは最近で、あまりに帆走が便利だったのでまだまだ明治時代は黎明期と言えます。
沿岸や河川ならともかく、大海原ではまともに戦ったことはありません。
まあ弱小米海軍が日本にはったりでやったことを数に入れるかどうかはともかく。
鋼鉄船という、装甲で覆われた艦も作られましたが、それも大きいか小さいかも決まらず、形状も半潜水したり、一部木だったり、砲の大きさも決まっていません。
衝角、機関砲、白兵も絶対いらないかどうかもわからず、陸戦と海戦との境目、上陸戦闘、役割もマハンといった戦略レベルでは唱えられたものの、実地レベルには落ちていません。
そんな世界が明治時代。
陸戦も同様です。
兵器が違っても、実は考え方は日本の戦国時代、スウェーデンの流星王とドイツのヴァレンシュタイン、ナポレオンと考え方は変わっていません。
南北戦争も隊列を組んでマスケット、あるいはマスケットライクに後装ライフルを使って集団戦を戦い抜いています。
狙撃も機関砲もおまけ程度。
塹壕も陣地も鉄条網もまともに使っていません。
鉄道や船舶は駆使しても。
そして明治時代、あるいは大正時代の日本はそれに石を投げ込みます。
...投げた波紋に影響を受けたのは他国ですが。
日本は
西洋を真似しようとし、
資本主義を真似しようとし、
民主主義を真似しようとしても、
形だけで制度や目的はまるで違う西洋風のインフラや制度、
まるで古代王国みたいな徴兵、
まるで共産国家のような予算配分、
まともな競争原理も働かず、民間の製造業は役所の延長で妙に歪んだ文明開化をつきすすみます。
良いか悪いかはともかく。
まあ最終的に西洋化は達成したので良いのでしょうね。
そしてそんな状態のまま近代戦をまずはやってみる。
それによって日本は変わりませんが、それをみたイギリス、ドイツ、アメリカ、ロシアが近代戦をどのようにするか、大いに役立てます。
そんな話が明治時代の話。
。。。実は思ったのと全然違う結果だったのでこちらの方も参ってしまいました。
GW
久々に日本で仕事せずに楽しみました。
長女とは艦これとよみうりランドにツーリング、次女とは駅でフルートの路上ライブ、地味でしたがとりとめもない休日も良いものです。




