欧米はがんばってる
さて、20世紀に入る直前、各国はがんばってます。
日本やら、征服された各国からは列強と言われて恐れられつつ、実情はなんかつらそうな列強たち。
一強のイギリスさえ「なんか儲からなくなったなぁ」「面倒なこと増えたなぁ」。
でもイギリス政府のためにお金を寄進して頑張ってくれるビジネスマンの為にがんばります。
もちろん有権者も無視できないんで極悪非道すぎることも出来ませんが。
そしてナポレオン敗戦以来、ひたすら内政がんばって、がんばって、万国博覧会を開催できるくらいな文化一等国、料理一等国、ファッション一等国、日本さえオサレなものにはとりあえず「フランス」だの「パリ」でも付けときゃいいかくらいのブランドになったのに、なぜかイギリスに対抗しなければならないような義務感に駆られて海外に出てしまいました。
まあ数百年間もいがみあってた仲ですしね。
アフリカ横断だの「猿岩石」並みの企画を立てて(大昔のTV番組なんて知らないか)、やっぱりやらなきゃよかったという結果で四苦八苦してます。
まあ世界を征服すりゃ幸せになれるに違いないという心意気なのかもしれませんね。
片思いのイギリスの方はかなり前から
「世界征服しても、貧乏人の面倒な奴らを世話しなきゃいけなくなるだけだよね?」
的な後悔しているっぽいですが。
そしてドイツの方は「愛国心」「ナショナリズム」という劇薬を手にして国をまとめ上げます。
たしかに「俺の国」を国民に認識させるのに、民主主義やら革命やらで国民の自覚を即すより犠牲も少ないし、手っ取り早いですものね。
周辺がいい加減な中世から脱し、「民主主義」でまとまりつつあるし、国境線が固まりつつあるし、危機意識も大きいと思いますが。
「巨大な悪の国、フランスを叩き潰せ!」
「スペインを救え!正義のために!」
ま、ナポレオンからこの方フランスはとっても恨まれてたし。
見事に一丸となりました。
ま、この時点で悪いとは思いません。
宗教改革だののご本尊らしく、カソリックとプロテスタント、ドイツ騎士とプロイセンの民衆、ポーランド人とゲルマン人、ユダヤ人やジプシーといった被差別民族の争いが凄かったですから。
そして「宗教」「民族」「差別」は人を狂わせる。
それこそこの地は「奪え」「殺せ」「異教徒の女は犯せ」と聖職者が叫ぶような地でした。
その治療に「愛国心」「ナショナリズム」を使って治めたのを悪く言えませよね?
ちなみに現代人でも笑えませんよ?
ボスニアでは隣近所のパン屋のオヤジが武器持って豹変して、異教徒殺せ!と叫んで子供が追い掛け回される時期があったわけですから。
ま、それ以外で「列強」と呼ばれた国々を説明しましょうか?
「アメリカ合衆国」は簡単ですね。
日本で儲け、南北戦争をこなし、完全に保護主義で鎖国に近い形で自国の工業を保護し、粛々と内政向上に努めています。
丁度よく各国が産業革命の発展が頭打ちになり始め、優秀な失業者がぞくぞくとアメリカに渡ってきました。
「移民」が素晴らしいという人、この事実を考えた方が良いですね。
アメリカが独立前から食い詰め者が集まっても貧乏でした。
イギリスで一旗咲かせようとドロップアウトしてきたイギリス人、スペインのカソリックに迫害されたプロテスタント、プロテスタントなイギリス教会から逃げ出したカソリックのアイルランド人、貧乏人が寄り集まってもやっぱり貧乏でしたから。
教育があり、お金持ちのイギリス人、ドイツ人、ロシア人が入ったこの時期に富み始めたのです。
それでもイタリア人とか、中国人とか、日本人とか、同じ時期に移民してきた貧乏人たちは長らく差別されてきました。
実際、かなり長期間はアメリカの足を引っ張ってましたしね。
もちろん黒人達も。
イギリスで黒人が差別されていたか?。。まあされてましたが、マンチェスターという奴隷売買な街が工業の街になり、啓蒙主義で反省して人権を与え、多少蔑まれつつ、といっても社会の構成員として扱われつつ、まあ人としてはまともに生きてます。
イギリスの中国人街だってそうですよね?
多少は蔑まれつつも、イギリス料理で唯一(は言い過ぎか)美味しいレストランを経営し、常連さんも白人さんたちに感謝されて通ってましたよ?
大体、ガンジーだってなんだかんだでインナー・テンプル法曹院で、上級職の弁護士になれてます。
差別はされてたでしょうがその程度。
フランスなんて当時は黒人のアイドルっぽい人さえいましたよ?
でもアメリカはもう...先進国で唯一の、本当に差別していた国ですね。
アルゼンチンや南アフリカを先進国かどうかの論議で微妙でしょうが。
ジム・クロウ法が廃止されたのは1964年。
南北戦争っていったい何だったんでしょうね?
黒人差別を積極的に政府がやっている稀有な国になりました。
南北戦争前より悲惨です。
オランダは...東インド会社を巡ってイギリスに噛みつき、大航海時代はあれほど修羅の道に踏み込み、胡椒を手に入れるために現地人を苛め抜き、搾取し、殺し、とにかく世界中を混乱させましたが、この後は地味に生きていくことになります。
「列強」と言われたのは幕末までで、その後はパッとしないまま歴史に埋もれていきます。
尤も、4chでも「ヨーロッパの朝鮮」と囁かれるだけあって面倒な奴と思われ、この後もいろいろやらかしているのは確かです。
1941年の太平洋戦争で東インド植民地を日本に占領されたとき、なんと敵国なのに自衛のために拳銃携帯を許可されてます。
だって現地人にとっても恨まれてましたもの。
つまり17世紀の胡椒を奪い続け、現地人を奴隷のように働かせていたのを、なんとWW2まで続けてたんですね。
そして日本が敗けた時も日本軍人をBC級戦犯として連合国中で最も多い226人の日本人を処刑、数千人を無期・有期刑で服役させてます。
そして現地人を収容していた宿舎を自分にあてがわれたら怒り狂い、「日本人残酷!」と女王陛下まで叫びまくり、「じゃあその宿舎に住まわせられた俺らはなんなん?」とインドネシア人にブーメランを投げ返されてました。
...まあそういう国ということで。
現代ではどうなんでしょうかね?
微妙な所業はたまに聞きます。
でもまあ、現地に出張行っても印象残らんし、お姫様がかわいいというだけ憶えてます。
もう一つ言われている列強は「ロシア」ですかね。
プーチン大統領の言う、ナポレオンに攻められたときの「大祖国戦争」で、別に勝ってもないですけど列強に組み入れらてます。
ま、一応戦勝国ですからね。
フランス軍人300万人を凍死させ、餓死させたのはロシアの地です。
ロシア人のおかげかどうかは疑問が残りますが、1814年以来、ウィーン会議といった国際会議に呼ばれてぶいぶい言わせてます。
政治体制は中世どころか古代以下の帝政。
へたすりゃ中国の古代王朝「秦」以下かもしれません。
アレクサンドル1世だのニコライ1世だの、常に反乱やらテロやらに頭悩ませてます。
そしてそれを誤魔化すために乗り出し、ギリシアだのエジプトだのトルコだの北欧だのにちょっかい出してます。
クリミア戦争とかとっても大規模な戦争でした。
1853年にトルコを巡った戦争です。
内容は、まあある意味中東世界の内政問題で、最近のボスニアの問題と根っこは同じですかね?
まあそういうのは中東の話として後に流すとして...ロシアの投入兵力220万人、犠牲者13万人以上で敗けました。
敵は半分以下。
殆どが民兵に毛の生えた感じの兵隊やコサック騎兵。
原始人が銃持ってわんさかと攻め寄せて、わんさかと撃退されている感じですかね。
敵であるフランスやイギリスは「強い」とは別な観点で脅威だったみたいです。
皇帝を頂点としたいい加減な政府。
国民の命は紙のように安い。
教育もまともに受けておらず、貧富の差がとんでもなく大きい。
政権が倒れた時の皇帝家の黄金の量!
ロシアは貧乏なのに何故?の答えは、皇帝家が搾取していたからでしょうね。
世界的には大きな影響を与えてます。
このクリミア戦争でヨーロッパ中を注目させたがためにアメリカがその間隙ぬって日本にぶいぶい言わせてました。
そしてこのような原始社会に絶望して、ロシアのインテリゲンチャ、お金持ちたちがアメリカに移民し、アメリカの第二次産業革命の原動力になってます。
残っても知識階級は称賛されないし、むしろ王族を脅かす筆頭として処刑第一候補ですからね。
そういう暴力が吹きすさぶめちゃめちゃな国として現代でも続いているのかもしれません。
もう一方で、北欧-中東間の通り道としてドイツと同様、工業がとっても発展していた地でもあるのでどうにもアンバランスというか、何というか。
そんな国を相も変わらず続けています。
まあ列強と言われた欧米人はこれくらいですが、それ以外も言っときましょうか。
オーストリアあたり
ハプスブルク帝国と呼ばれ、スペインだのフランス王朝だの北欧だの、血族体制でヨーロッパ中の王家に血を入れ、影で操っていた末裔の王家がここ。
フランス革命、清教徒革命、アメリカ独立、ドイツ帝国成立、まともな国家群として各国が機能しはじめ、王家などすべて軽く見られるようになり、結果的に力を失います。
いつのまにオーストリア大公、ハンガリー王、ボヘミア王、以外の肩書はなくなっちゃいました。
中世の遺物ですね。
で、各国がまとまりつつあるのでそれに対抗し「オーストリア=ハンガリー帝国」という国をつくりましたが、元ドイツ騎士、イスラム、ボヘミア人、ユダヤ人、ドイツと同じように様々な対立と思惑が錯綜し、投資に苦労して借金をし、一時期はフランスの従属国家的な立ち位置、その後はドイツの従属国家的な立ち位置で地味な後進国として民族紛争を抱えたまま生きていきます。
そして中世では影の実力者として暗躍し、近世で力を失い、近代では実力不足で国中を混乱に陥れ、その結果はWW1で引金をひく原因をつくり、世界を地獄に叩きこんで消えてなくなりました。
ヨーロッパ人は彼らを恨みに思って良いんじゃないですかね。
そしてボスニア問題も元をたどれば彼らが作り出したもの。
そのハプスブルク家に一番影響受けまくったスペインは、無敵艦隊がイギリスに敗れてから、どんな厄病神に憑かれたか、とにかく敗けまくりますね。
独立戦争でオランダに敗け、
同じく独立戦争でポルトガルに敗け、
三十年戦争でプロテスタントに敗け、
西仏戦争でフランスに敗け、
ハプスブルク家が断絶して継承戦争が始まり国内大混乱、
イギリスやアメリカ、フランス、オランダにその後も植民地戦争で敗け、
こんな感じで連戦連敗です。
尤も「植民地で儲けた奴はいない」の逆説的な結果でしょうか?
意外に景気は良くなっています。
内政に力を入れ、カルロス3世の18世紀初頭はむしろ景気良くなってますね。
特にカルロス3世は今までの尊大な王家と違って啓蒙主義な良君だったようで、なかなかうまい具合に治世が進んでいきましたが、、、、
19世紀にナポレオン野郎が来て大混乱、勝手に来て、勝手に王国建てて、勝手に親族を王家に据え、勝手に滅んでいきました。
ついでにその後の王政復古でのフランスの影響受けまくって混乱続き...フランスの影響を受けた自由主義と、王家による親政ですったもんだし、なんだか自由主義と親政、近代化と反近代化、民族主義とリベラル、後に共産主義まで入ってすったもんだの内戦が下手すりゃWW2の終りまで続きます。
こちらの混乱はハプスブルク家のせいにするのは如何なものかという部分もありますが、ナポレオン後の一貫性のなさはオーストリアに負けません。
なんだかなぁ。
イタリアも直接は関係ないですが、オーストリアの混乱で右往左往した地です。
元々はローマの末裔、中世の教皇がしゃしゃりでてなぜかカソリックのご本尊、教皇領もでき、ベネツィア、ジェノバナポリといったルネッサンスの原動力となった優れた都市国家があるだけあって、小国が乱立していた地でした。
ナポレオンがいったんは征服しに来て、勝手に王国作り、勝手に滅んで行ったイベントもありましたが。
で、その後は自由主義とか工業化とかで大混乱。
ついでに教皇が何トチ狂ったか「近代化はんたーい!」とか言い始めてなんだかな。
最終的には元小国のサルデーニャ王国が勝者となり、イタリア王国を建国します。
そしてフランスの従属国っぽい立場のまま地中海に手をだし、弱体化したオスマン帝国と争い、それがムッソリーニまでそのしょぼい膨張主義が続きます。
なにせ地中海諸国を取ったからと言って、イギリスといった強大な海運国から地中海の制海権を取れるわけでもなし、「今更何?」状態ですからね。
そしてこちらも戦乱、混乱で移民者多数。
アメリカにもたくさん移民します。
尤も、ドイツやロシア、イギリスと違ってアメリカでも南米でも移民としては嫌われ者。
「カソリック」「家族主義」「貧乏」は足を引っ張る要素しかないですからね。
そしてシチリア的な「マフィア」といった後ろ暗い社会もつくるし。
まあ、そんな地と思ってください。
スイスも同じく、イタリアの自由主義の流れに巻き込まれてすったもんだします。
王政、自由主義、共和制、すったもんだしましたが「1848年革命」で連邦制度が採択されました。
基本的にこの体制で現代まで続きます。
1862年、スイス・ユニオン銀行創業。
1864年、赤十字創設。
ここらへん、スイスの方向性を現すイベントですかね?
そして強国に囲まれたスイスは、元々は傭兵を輸出していた強兵が多い国、そんな国が国民皆兵となり全国民が軍隊という超軍事国家となります。
山に囲まれた天然の要塞ですしね。
「強国の誰にも介入は許さない!」
ということでナチスも侵入しなかった勇ましい国となります。
それが結果的に中立となり、その中立性を利用した金融業、国際機関、各会議で重宝されます。
戦争してる国どちらも付き合える、だれも介入できないので正当性を保てる。
太平洋戦争の時、日本がスイス銀行を通して特許料を西側諸国に払っていたりとか、スイスの役割を良く現してます。
そしてなぜか、「中立」「平和」のみ伝わり、「軍事国家」な部分を除かれたまま、日本の似非平和主義者に「スイス」「平和」「永世中立」と利用されるようになります。
北欧
デンマークは当時は北欧と呼んでよいものやら。。。
ドイツからぴょこんとつきだしたこの国は、もともとバイキングな頃から工業国、インテリゲンチャ、なんかアンデルセンだの知識階級が多く、ナポレオンに占領された後に例によって自由主義と王政復古のせめぎ合いが始まりましたが、なんか平和的に一瞬で終わります。
そして1873年5月5日、スカンディナビア通貨同盟で北欧の一部になり、現代まで続きます。
ちなみに常にドイツに脅かされているので意外に現実主義者で、いまでもヨーロッパの「人権」だの「リベラル」だのに影響受けることなく、北欧にしては移民の被害はとっても少ないです。
スウェーデンは、
近世では流星王として近世軍隊でドイツを混乱に陥れるほどの軍事国家でしたが、
ナポレオンとの戦争での立場で中立性が生まれ、
デンマークと同じく知識と工芸で史実前から名を馳せていた国だけあってインテリゲンチャが多く、ノーベルといった知識人を輩出する国家となり、
なんだかノルウェーが「独立したいっす」「おっけぇ」というとっても平和的な国家として現代まで続きます。
ただし、中立性が仇となって独自に工業が進んだことが現代にとなって仇になり、ちょっと不景気になってます。
そしてドイツの口車と人の好さで移民をたくさん入れ、その中東人が目立ち、レイプといった犯罪が激増した暮らしにくい国になってます。
日本ラブな友好国なのに残念。
ちなみに未だに王国です。
大したイベントなしにいつの間に立憲君主的なものになっており、ここもとっても平和的ですね。
もともとグスタフアドルフの頃から徴兵制もあったし民主的だったんで今更なんですかね?
ノルウェーは...スウェーデンから独立して頑張ってます。
一応スウェーデンからの独立性を大事にしていますが、正直な感想はあんま日本人的に違いはわかりません。
日本とは漁業的に協力したり、仲良くしてます。
フィンランドは、ロシアとスウェーデンとロシアに挟まれて右往左往。
ナポレオンに協力することで独立を勝ち取り、スウェーデンが平和的、中立的になると共に、ロシア憎し、でも大切な貿易相手、しかし戦争になったら噛みついて噛みついて噛みつきまくる強い国。
結果的に防波堤になってますね。
やはりインテリゲンチャが多く輩出するのはバイキング時代からの影響か?
IT企業でフィンランドはとっても名を馳せてます。
最後は東欧か。。
ギリシャもポーランドもその他たくさんの国も、ドイツ、ロシア、オスマントルコに挟まれて右往左往です。
もう民族も主義も宗教も混じりあってぐっちゃぐちゃ。
不幸すぎるんでアメリカにもたくさん移民してますね。
ユダヤ人が多い国なのでそれも含めて。
ちなみにロシア、ドイツに挟まれているだけで昔っから職人の国で工業で有名です。
意外にここ出身の有名な工業製品は多いです。
ということで「西欧諸国」「列強」とか言ってても千差万別だったんですよ。
少なくとも日本にとって「列強」と言える国はそう多くありません。
当時はアメリカでさえ微妙でしょう。
オランダなど当時でさえもう弱小。
こんな感じが19世紀末でした。
仕事でロシアに行ってきました。
で、そのお土産に私の猟銃に合う暗視スコープがあったので、冬季の害獣駆除の役に立つかもと購入したのです、、、まあ狩りなんて普通は昼間にやるもんですが。
価格は1万ルーブル(2万円)、しかし円で買うんなら1万2千円、ドルで買うなら100ドル(1万円)、、、何というか外国の札の方が未だに価値ある時点で、国内政治は全くうまく言ってないですよね?
そして現代になって北極圏を抑え、中東よりよほど有望な資源国家になれるのにそこらじゅうに喧嘩を売って
黒海艦隊捨ててトルコにパイプラインを引き、ウラジオストックを商業国家にして日本にパイプラインを引いたら下手すりゃナンバー1の金満国家になるポテンシャルがあるんですけどね。
いまだに古代中国以下のツァーリがいる貧乏国家。
そしてお金はドル、モスクワ大学の知識層はマフィアに就職。
ちなみに日本人というだけで50代でもモテました。
モテたきゃロシアに行けばよいと思います。




