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人間の歴史。  作者: TAK
科学の発展
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エンターテインメント

テレビ番組、放送、音楽、映像、ゲーム、いわゆるコンテンツと呼ばれる産業は国内需要で12兆円、海外全体でも85兆円規模と言われます。

さらにそれらを支えるAV機器(イヤラシイ奴ではないですよ)を加えるどれくらいな規模になることやら。

テレビ機器やラジオ機器も考えてみればニュースや警報という情報以外は、コンテンツないとただの箱。


全体規模からの割合から言うと大体3%くらい?


ちなみに企業が広告に使用する割合もそんな感じ

もちろん業界によって全然違います。

ただのユーザーには見えない部品会社にこれをかけてもあんま意味ないですし、エンドユーザにマス的な広告が一番効果ある商品は割合高いので。

たとえば嘘か誠か、コカコーラは原液5円、容器13円、小売り費用(輸送費含む)が大体30円くらい、残りは広告費と利益だそうな。

広告費3%どこではないですね。

大抵そういうところはブランドや著作権にうるさいです。

原価に金をかけず、ロゴやブランドに賭けているところは大抵はそういうところに費用をかけているところ。

ディズニー然り、Apple然り、日本サンライズやバンダイ然り。


だからといってぼられてるとは限りませんけどね。


私はある程度の電子機器、ディスプレイパネル、ガラス、ボタン、コンセントからコネクタ、梱包箱まで、かなりの割合で部品の価格がわかってしまうのですが、例えばAppleのiPhoneを買う奴は馬鹿だとか、あるいはソニーはこれでは儲からんだろうというくらい高級部品を使って、逆の意味で馬鹿だなあとか思ってしまうのですが、妻と娘から言わせると「おまえの方が馬鹿だ!」。


そりゃそうですね。

結局、価格は実現できたものを購入するわけですし、その中身にかっこよさやスマートさ、ブランドも含まれているわけですし、そこにも人件費というお金もかかる。それに多幸感を味わえるかどうかは人それぞれですね。

ましてお金がかかっていない部分を、「友情」「努力」「勝利」や「知恵と勇気」とかの部分と思えば尊敬さえしてこようもの。

そしていつものように娘の新型iPhoneを見て、「あーパネルまた品質落としやがったなぁ」とか「この金属は高いよねぇ、加工も大変だったろうに」とか思いながら口に出すのは控えています。





ま、そんな話は置いといて、


コンテンツってなあに?という本質は、全体のコンテンツ産業の割合と、企業が広告費にかける割合と近似しているのは、まさにコンテンツの役割を示唆しているようです。

多少無駄でも購買意欲をそそる、それがあればものが動かなくてもお金が動く可能性、マス的な効果で勝手に情報が一人歩きしてくれる、ブランドの可能性、ものが動かなくても尊敬できるものがある。

直接的な経済効果はなくても、それで支えるものは情報、流通、あるいは経済の後押しによる科学の発展の可能性etcetc

かってのソ連という国は、国威を上げるために「スポーツ」「バレー」「劇」「文学」を必死に上げました。

穿って考えると、そうやってすごそうに見えるからミグ21はあんなにたくさん売れたのかもしれません。


日本を含めた資本主義欧米諸国はもっとすごいですね。

ビートルズ、鉄腕アトム、セーラームーン、アイドル歌手、これを映したり聴かせたりする機器の発展は電子機器につながり、それはコンピュータや核兵器、人工衛星までつながる底上げしていたりします。

なかなかに馬鹿に出来ないものです。

私は新型受像機の開発をプラネタリウムの商談から始めたことあります。

これが将来、兵器の一部になりそうだとか思いもよらず。


こういったこと諸々含めるとコンテンツの影響範囲ってでかいですね。

たかが遊びとか宣う想像力の足りない老害はほっといて、どんなビジネスでもこれを頭の片隅に置いておいた方が良いですよ。

ゴールドマンサックスの人は、自分の見せ方を工夫して、その道のプロ雇ってたり、絵やデザインも力入れてたり。

個人レベルでも大きな力になります。




そんなコンテンツ業界ですがそれはひとまず置いといて...置いときすぎ?...ヨーロッパが誇る、古代中世からの歴史的な偉業ってなあに?を言いたくてこんな感じで引っ張ってしまいました。


もちろん一つは「科学」です。

現在の「学校」と呼ばれる建屋で使われる「教科書」はみな、科学という整理を終えた知識の産物です。

その知識の始祖は、呆れるほどヨーロッパは存在感なしです。

しかし、知識が秘技、特技、技能として存在し、一連の集団に託されただけなもの(ダマスカス鋼のように途中経過は忘れ去られたものも多いでしょう)でしか存在できないものをだれでもお金さえ払えば得られるものにしたのは偉業でしょう。


ただ知識としてのヨーロッパ人は悲しいほど彼らの発明品は少ないです。

古代は見捨てられた地、ローマで一瞬だけ光はしたものの中世では引き戻される、むしろ人口増加毎に疫病、伝染病の厄災が降ってくるような地なのでより苦労したかもしれません。


だからこその環境なのか、間違いなくもう一つ光っていたのが「音楽」と呼ばれるものです。


世界最古の楽譜、これは「世界で最も古い歌」と検索するとわかりますが、3400年前の中東メソポタミア地方です。

普通に現代音楽に通ずる感じで感動しますね。

ゲームで少し寂れた都市をロールプレイしてる感じのBGMとか?

もちろん本当に「最も古い歌」はきっと随分前でしょう。

狼の遠吠えだって歌に聞こえますし、砂漠の民の詠唱だって歌に聞こえますし。

それが能動的かどうかは別にして。


その次は紀元280年頃のキリスト教聖歌。

『三位一体の聖歌』と呼ばれています。

キリスト教は、あるいはアブラハムの宗教は、徹頭徹尾教えに音楽がくっついてます。


そしてローマが滅び、キリスト教会が人々を救い、そのシンクタンクとして機能し始めてからは町の中心となりました。

そこが人の集まる場所であり、町の中心になるといろいろな機能が付加されます。

そこには町のみんなで神の偉業を唱和するのも含みます。

そして牧師さんやその付き添いが楽器で演奏し。


あと、聖書にはやたら楽器や歌が記載されています。

例えば他の宗教は歌わない、口を開かない、荘厳等々であまりお坊さんが歌うとかないのですが(だからお経を読むのはリズムがあるのか?)、アブラハムの宗教はとっても推奨してます。

ユダヤ教徒かは琴とか。

イスラム教は無伴奏の歌とか打楽器。

 #ちなみに日本の神道は龍笛、篳篥、笙

  

キリスト教は、さすがユダヤ教ナザレ派で元々は琴でした。

しかし、すぐにオルガンとなり、複雑な音楽を奏でることになります。

多分「半音」「短調」とか出しやすいから。

バロックに通ずる、キリスト様の悲しみとか偉さ、世間の世知辛さを表現するのに超良い。

モーツァルトが生まれるまでは、短調は悲しみの歌がほとんどですし。


あと、あのオタマジャクシな現代の楽譜と同じ五線譜が9世紀頃うまれ、最古の聖歌集が登場。

「ポリフォニー」という複数の旋律で複雑な音の組み合わせをします。

 #それまでは一つの旋律のみの「モノフォニー」


ついでに管楽器、とくにトランペットは超古くからあったのですが、教会で唯一認められた菅楽器として「トロンボーン」が許可されました。

多分これも半音や短調が出しやすいから。

 #逆に教会の楽器なので近世でも

あんまトロンボーンが大衆には

  出てこないのはこれが理由

聖なる楽器


この後近世になってオルガン以外に「ピアノ」が出現し、産業革命で更に金管楽器、フルート、クラリネットといった複雑な構造の楽器がどんどん増え、それが「シンフォニー」「クラッシック」としてまとめられ、さらに文学者が書いた物語、古代ギリシャの物語といったものを脚本にして音楽と組み合わせた「オペラ」が16世紀のフィレンツェで生まれ、やがて演劇や映画といった産業にもつながります。




そして、ヨーロッパが音楽/エンターテインメントを栄えさせるもう一つの要因は「吟遊詩人」「ジプシー」の存在です。


ローマが滅びたときに面で支配する体制が崩れ、ローマ街道というネットワークも役に立たなくなり、教会を中心とした集落とその周辺の農地という点の支配に戻ってしまったのです。

そして集落間同士のコミュニケーションは、武力である「貴族」「軍隊」「騎士」「傭兵」、知識のコミュニケーションは教会を中心とした「宗教家」、物流は「商人」、そしてそれ以外の文化は「吟遊詩人」「ジプシー」といった放浪者が担うことになります。



吟遊詩人についてはヨーロッパ特有ではなく、ギリシャ時代からあるものです。

たとえば日本では琵琶法師や巫女がそういったことを担っていました。

ただ数少ない「ネットワーク」を担うものとして重要度が違う。

だれもが都市間を自由に行き来できない物騒な世界でリスクを担ってくれる貴重な人材でした。

中世のヨーロッパは猛獣や野盗が跳梁跋扈し、目的がなければ外出たくないです。

村、町を巡り、世間の動きや騎士、英雄、人の行いを物語として歌ってくれる彼らは大事な情報源で娯楽でした。




全く同じ理由でジプシーも台頭します。

インドから来たロマ族が有名ですが、それ以外でも中東、北アフリカ、中央アジア、スペイン等々、民族を現すものではありません。


「おまえらどこから来た?」

「エジプトの方から」


と答えただけで「ジプシー」(エジプティシャンが語源)という言葉が生まれたのです。

土地土地を巡り、その土地にあわせて楽器、演劇、占い、舞踊といったものをやっていたので固有の文化もありません。

放浪することだけが特徴です。


通り道の中央アジア、中東、北アフリカにはいないので、ヨーロッパだけが彼らを受け入れる余地があったのでしょう。

なにせ都市間を巡ってコミュニケーションをとってくれる貴重な人材ですから。

彼らも土地土地を巡り、地元に根差した躍りや歌、占いといった娯楽を発展させて人々を楽しませます。

ポイントは押し付けがましい彼らの伝統ではなく、地元の伝統を集めて良くしていく感じ。

娯楽としても、民俗文化の保存としても大事な人達だったでしょう。

民俗音楽と思っていたのは彼らが作ったものかもしれません。


中世ではこの「吟遊詩人」「ジプシー」で実にヨーロッパ全人口の30%とも言われてます。


楽器はバイオリンやギターの元になった弦楽器「リュート」と打楽器がメイン。

弾きながら歌えますから。


もちろんそれだけではないでしょうけどね。

フルートと言った笛(ちなみに我々が今「縦笛」と呼んでいるものが昔のフルートです)といった管楽器も中東から伝わっているので、十字軍以外に彼らが伝えたという考え方もあります。


吟遊詩人は騎士が廃れ、勇ましい話を所望するものが少なくなり、各地が富むようになってきちんとしたエンターティナ-が巡業することになり、そこに混じるか、廃業するか、定住するかで14世紀頃にはほとんどいなくなりました。


ジプシーについてはいまは浮浪者?泥棒?として現代でもいろいろ世界を悩ましています。

国が面で支配し、徴兵等で国民を管理し、世界に国境線が引かれるようになって「サーカス団」「劇団」のようなきちんとした興行者以外はいる余地がなくなってしまいました。

ナチはユダヤ人よりジプシーをたくさん殺したとかいう説もあります。



が、何にせよ彼らが残した財産は大きいでしょう。

彼らが歌った英雄物語、滑稽話はヨーロッパの文化に吸収され、彼らが弾いた楽器は色々な場所に改造されて現代でも残っています。

ギター、バイオリンは特に重要でしょう。




そして最後、プロテスタントの台頭です。

カソリックのお堅い習慣ではなく聖書どおりなら比較的自由な教え、オルガンで荘厳な音楽ではなく、聖書に出てくるような、あるいはそれ以外の新しい楽器を持ち込み、いろいろな手段で説法します。


いちばん極端なのがゴスペルでしょうかね。

黒人の宗教家が謳うとかっこ良いですね。

その影響なのかカソリックもいろいろな楽器や聖歌が響くようになります。



そしてヨーロッパが色々な地を支配することになる。

いろいろな国のいろいろな人種の色々な文化が混じることになる。

あるいは労働者が富み、独自の世界を築くようになる。

更に音楽が多岐に渡るようになる。

ジャズなんかは西洋音楽の旋律に黒人音楽をのせたものですね。


それが逆に教会で歌われたり、それで神聖な曲が生まれたり、もう複雑で懐深い「音楽」が産まれたのです。

他の地域は何となくおまけの文化が、ヨーロッパだけは「科学」「教育」の一分野として大きく羽ばたき、一定の経済を担う産業となったのでした。


今回はこんな感じで。



やっと「科学」の項目終われます。

長かった。


次はどっちにいきましょうかねぇ。

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