イギリス料理が不味いわけ
なんかだらだらと18-19世紀の科学を続けてます。
残りは文化的なことがメインだからもう少しかな。
続けていきましょう。
やはり忘れていけないのは製紙。
紙そのものは多分、ほとんどの時代で世界の中心だった中国か、あるいはパピルスで有名なエジプト(中東地域)のどちらかでしょう。
で、中国(漢)とイスラムがぶつかったときに中国の製紙が伝わり、中東地域も紙が使われるようになり、ヨーロッパも1100年くらいからルネッサンスの影響で伝わっており、イタリア中心に製紙工場が出来上がってます。
ただヨーロッパで特色だったのは、スズメバチの巣が木製であることに注目し、この作り方を真似て「パルプ」を作ってから紙にする方法に順次切り替えてます。
なにせ生産性が良いもので。
木(あるいは水素結合の繊維だったら古紙でも布でも良いんですが)を破砕し、薬品でセルロースだけ抽出し、塗料や漂白剤で白くしてパルプの出来上がり。
それを垂らして平らにして圧力かけて乾かしてという過程でつくることになり紙が出来上がると。
工程がとっても減り、安価に紙が作れるようになりました。
そして当初は他国の作り方に比べて「白くない」「丈夫じゃない」色々あったのですがパルプを更に分解して丈夫なものだけ取り出す手法、不純物を抜く方法、新しい薬液、いろいろ試行錯誤して最終的にどこよりも簡単で綺麗で丈夫な製紙が出来るようになり、他国は逆にヨーロッパの製紙を真似ることになります。
1851年の苛性ソーダで化学パルプを製造する方法を取ったのが決定的でしたかね。
蒸気機関でじゃかじゃか回し、木片を破砕するカッター、薬品を注入して攪拌し、垂らし、圧力をかけ、乾かし、ボタン一つでじゃかじゃか紙を作ることが出来るようになりました。
これは画期的でした。
製本ができる印刷機、一日で大量に印刷できる輪転機も含めて、ヨーロッパ世界中に本と新聞紙が出回ることになります。
新聞について、
もともとブルジョワのカフェネタの提供だったのですが、都市に労働者階級が出来た事による、発行部数の増大が極大化します。
そしてその発行部数の増加によるマスマーケティング、、新聞広告もはじまります。
現在の新聞は1800年代で出来上がり、それがそのまま21世紀まで続いている感じです。
そろそろなくなる前兆が出てきましたね。
記事と記者と新聞社が切り離せれば面白いことになりそうですが、まだ新聞の全てを肩代わりする何かは出現してません。
ちなみに日本では大阪夏の陣(1615年)の瓦版が初めて。
印刷は版画ですが、印刷機もない世界でなかなかすごい発行部数です。
本について。
やはり聖書が庶民、労働者に一つ、すごい発行部数ですね。
世界三大宗教のうちの二つ+ユダヤ教も聖書使っているので、全て含むとすごいことになります。
1815年~1998年に約3880億冊とかなんとか。
さらに娯楽としても本はメジャーとなります。
ロビンソン・クルーソー、ガリヴァー旅行記、トム・ジョーンズ、不思議の国のアリス、アーサー王伝説、嵐が丘、モルグ街の殺人、アンクル・トムの小屋、白鯨とかが有名どころ?
いままで詩人だのシェイクスピアだのお堅い話からいっきに崩れたものが増えます。
ちなみに不思議の国のアリスで本は挿絵も入るようになります。
絵があってこそのハンプティダンプティ!
そして図書館、学校も。
図書館は、1850年イギリス議会で「公共図書館法」が出来てからが皆様が想像するような図書館となります。
それまでは特別な人用の特別な建物でしたからね。
やはり労働者階級の知識を底上げするため。
もっとも古い都市公共図書館は1852年のマンチェスター図書館。
そして学校も。
1870年のイギリス、初等教育法が出来てから皆様が考える学校が出来上がります。
正直、あんま誉められたものではないですけどね。
軍隊教育、不良、体罰、いじめ、ヨーロッパの子弟はなかなかに厳しい環境で授業を受けたようです。
そうそう、蒸気機関と自動機織り機で服も変わりました。
王族貴族の気取ったロココスタイルから、服が安価になるにつれてブルジョワ、ビジネスマン、労働者にも出回ることになります。
そして格調高いが着にくい服から、格調高いままにだんだんと庶民のズボンシャツに近づけると。
18世紀頃のダンディズムでは白い長ズボン、ブーツ、イングランドの田舎領主が着ていたカントリー・フロックから前裾を切り落としたもの、フロック・コート
更に裾を切り落とした簡素なラウンジスーツを、なぜかアメリカのビジネスマンが着はじめ、それが現代のビジネスマンのスーツになります。
いまは余計なボタンはカフスの部分くらい?裾も袖もひらひらとかなし、襟もただの襟、動きやすいですね。
労働者階級まで着ることになったおかげで貴族階級の方も簡素化した結果です。
女性も簡素化しましたが、如実に現代に近いものになるのは20世紀になってから。
まだまだ女性はお飾りか労働者か召使いです。
パリが重農主義から工業、科学へのシフトはパリ・モードを代表とする服飾産業の力も大きいです。
インド元々の技術「キャラコ」での色とりどりの服を工業化して様々なデザイナーが華やかにしたもの。
王族も貴族も艶やかで色とりどりの工業生産品の綿織物を着るようになったので、そういう意味では庶民の服が派手で着心地が良くなったのでどんどん高級化していった面もあります。
あと趣味っすかね。
日本がやった「所得倍増計画」「一億総中流社会」とかを、まずは産業革命がやったという面もあり、貧富の差が労働者間でも出来上がり、資本家←→労働者の境目は貴族←→平民より敷居は低かったので、庶民の生活と言ってもバラエティに富んだものになってきました。
たとえば登山。
元々禁忌ではなくても神聖な山は測量と言った目的なしにはあんまスポーツといえるものではありませんでした。
しかしアルプスのモンブランに登ったら賞金というイベントで1786年に登頂が成功し、それから一気に登山は近代のスポーツ、趣味となります。
あと都市部で死刑が趣味とかあんま啓蒙主義にあわないものはだんだんと忌避され、健全なものを望むようになります。
そして丁度良く労働者が激増し、都市に人が集まり、各ローカルの競技が都市に集まるようになります。
ボクシングは殺し合いがない健全な決闘としてルール化して流行。
学校の不良達が喧嘩するのも,いじめのネタでもこのルールに則ることになってます(多分)。
レスリングも同じく。
古代からある競技ですが、ルール化は19世紀ギリ。
ハイスクールで後輩いじめのネタとしても有名。
競馬はイギリスのアン女王がアスコット競馬場を作ってスポーツとなりました。
騎馬兵の価値がだんだん下がっているのに、馬はこのおかげでサラブレッドどんどんかっこ良くなってきます。
田舎の祝日の蹴り合い、お祭りイベントが長じて都市部でフットボールとしてスポーツ化します。
サッカー、フットボール、ラグビー、球技の元祖ですね。
(あ、蹴鞠とか別ですよ)
バスケはアメリカ。
カナダ人のジェームズ・ネイスミスで、1891年に考え出してやってみた面白かったスポーツ。
クリケットも、元々出来たのは16世紀前、それが流行して18世紀に労働者の間での競技として花開きます。
ゴルフは出自がはっきりしないですが、スコットランドでモグラ穴で遊んだとか、元々中国の競技とか諸説ももろもろ。
いつの間に紳士のスポーツ。
ラクロスは北米、五大湖の部族のワイアンドット族の競技を真似て、白人がチーム作ってみたもの。
アメリカだったんですね。。
体操はドイツ。
バリバリ軍事教練からの派生。
右むけー右!の延長ですな。
ヨット競技は、そもそもアラブのダウという量産型の小型船。
これを小型船の競技、レジャーとして世界初のヨットクラブがアイルランド1720年。
アイルランドとイギリスでいくつも倶楽部が出来、それでいろいろとレースしたようです。
子供の教育にも良いという考え方で学校教育でも採用されました。
その最後のなれの果てが「戸塚ヨットスクール」からして内容はお察し。
海水浴も18-19世紀ですね。
海で泳ぐだけなら歴史も何もないでしょうが、レジャーとして認識されるのは鉄道が出来てから。
元々は体を塩水で洗う医療目的だったらしいですが。
まあ書くとキリがないのでこの辺にしておきますか。
産業革命後に新たな民衆「労働者」ができて色々こうなりました。
あとスポーツの影響なのか、チェスとか古い遊びですが、産業革命後は正式ルール、正式競技大会が作られ、メジャーとなりました。
フランスが先導してました。
カジノ、賭博も花開いたのも19世紀。
生々しい話ですが、フランス革命以前の王制の時は、公序良俗に反すると制限がかかっていたのですが、フランス革命後はむしろ流行らせて課税してお金持ちになろうという感じで大流行します。
身を持ち崩す話は現在も過去もギャンブルです。
そして公序良俗より課税優先で各国が積極的に奨励し、自殺者つくってました。
トランプも大昔からの遊びですが、19世紀はとっても積極的になりました。
食事については、
労働者も何だかんだでお金持ちになります。
輸入小麦パン、ハム、チーズ、カレー、ラム酒、ワイン、農業の多角化と他国から渡ってきた食事で食生活豊かに。
あとフランス革命で失業した王侯貴族のコックが下野に放たれ、外食産業ができます。
パブでビールやウィスキー、カフェで珈琲を楽しむ、フランス料理を楽しむとかはこちらから。
当然とっても工夫してフランス料理が出来ます。
それまでば魚まるごと、豚まるごとテーブルにでんと置かれ、来る日も来る日もシチューとかの世界。
ある肉と野菜を煮込んで終わり。
多少イタリアは中東の玄関だったのでましですが。
いまや世界の食文化の中心はフランスですね。
そしてイギリスの飯が不味い理由もこちらで出来上がる。
なにしろ当時はフランス嫌い、ついでに野菜もバリエーション少ない、王侯貴族もあんま豊かではないので肉料理ばかり。
そしてある意味立派なこと。
伝統的に貧乏だったからでしょうか、王族貴族は暴飲暴食せず、粗食がかっけぇ。
紳士の国とか言われ、むしろ労働者が一山当てた伝統ないフランス嫌いな貴族が見栄張ります。
そして農業から急激に都市圏に移住して伝統の味も断絶しちゃった。
伝統料理ない状況でママの味もつくれない、農場から都市に行って必要な食材が手に入らない、野菜少ない、肉料理はシンプル、そんな中でフランス文化を除外したら...なんか不味いもんばかりになっちゃっいました。
今回も工夫なくツラツラ描きました。
次でようやく「科学」が終わります。
最後に残したのは音楽。
だって書きたいんだもの。
アメリカはヤキマというど田舎に行ってきました。
一緒に働いていたアメリカ工学部学生すげぇ
・ひょろがりメガネ君でも100kgある部品を平気で持ち、スパナで組み付け出来る
・スーパーボウルやってそうな巨漢な学生がサーカスの熊みたいなかっこでGPUの半田付けする
・そして全く指示なしでプロセッサーの特権モードのプログラミング終えてる
・要領が超良い。互助会らしきもので企業、学生区別なくスケルトンなPG入手出来るらしい
・貧乏そう。上位1%のお金持ちの御曹司は100ドルの鉋を購入するのに超悩む。車はパパのプレゼントでポルシェだったが服装はABC
奨学金返せないと喚くどこぞの甘えん坊に爪の垢飲ませたい
・貧乏なんでお金儲けに積極的。親もたすけてくれない。日本の学生の地に足ついてない僕ちゃんのべんちゃーびじねす語る輩に聞かせたい
・コンビニの食材でサンドイッチとライスボール作って上げたら超喜ぶ欠食児童たち
・教授連中のほとんどはイメージ通りデブ(私も含む)
なお、日本の鉋はアメリカと違って引くので簡単な工作がしやすい
箱根細工方式でネジ無しで基盤やカメラをフローティング固定してあげたら、何故か鉋が30セットも売れた。
細やかな実家への貢献である




