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人間の歴史。  作者: TAK
科学の発展
104/176

「超」科学なんて言葉遊びの単語に欺されてはいけませんよ?

うーん、科学の時間は書けば書くほどきりがないのでそろそろ終わりにしたいかな


しかし現代に通ずる体系はほぼ18-19世紀に集中してます。

私が持っている知識だけでも際限ないんで。


およそ皆様が想像する知識はほぼ18世紀以降からの続き物。

それ以前の知識はなかなかアンバランスで、いまいち続きというか連続性がないです。

そもそも連続性があるモノは、そう見えることこそ「科学」「体系立てられた学問」で、それが確立する以前の知識は教科書から微妙に外れているのです。



というか古代の知識は、18世紀以降の体系立てられた学問に知識を付け足したものなのでなんとなーくずれたり、補完したり、変質させたり、18世紀以降のモラルや価値観、「そうだったら良いな」の希望も付け加えているので変な感じになっちゃってます。

まさに時計の逆回しですね。

そもそも基本、「今の(18世紀の)ヨーロッパ人がこんなに優れているんだから、過去の優れた文明もヨーロッパに違いない」という根本的な勘違いが発生してます。



東洋の知識、中東オリエンタルな知識、それこそ南洋諸島や旧アメリカの連中の知識が低く見られているのもそれが原因です。

彼らの知識はそもそも元が東洋や中東からの知識がほとんどなのにね。



あといきなり日本の和算、どのように作られて、どう発展して、裏でどのような体系なのかは誰も管理してません。

それまでの「知識」ってそういうモノですから。

いきなり円周率42桁、二項定理、ピタゴラスを知識として知っているだけ。

鉄を斬る刀を作れる刀鍛冶の浸炭技術も、それこそ秘術、秘宝に見えたでしょう。


「Oh!Fantastic!ニホンノシンピネ~」


となってしまうのは、何も西洋人の知識不足だけではなく、我々こそわからないのです。


それこそアフリカで石積みの、肥料や土を耕す知識をもっている19世紀の連中が馬鹿にした芋の栽培、実は非常に優れた水耕農業の方法だったと気づけるのは21世紀になってから。


インカ帝国が実験農場を持ち、ジャガイモの遺伝子改造を試みているのを知ったのも21世紀。


マヤ帝国で普通に虫歯の治療や簡単な脳外科手術をしていたのを知ったのも21世紀。


中国が普通に水力を動力として大量生産を行っていたのを知ったのも21世紀。



西洋の知識は実質18世紀から、それから綺麗に、誰でも使えるように体系立てたもの、そこに異分子が入り込んで、取り込もうとしたらそれ以前のそこに至るまでの膨大な知識が必要です。


それを日本人が作ったんだから日本人が補完すれば良いのでしょうが、それこそ全世界共通、西洋のとっても便利な「科学」を知ったらまず自分たちがそういう類いを捨ててましたからね。

それこそ「五稜郭はヨーロッパ様が作ったお城、江戸城って原始的ぃ!」みたいな。



見直される土壌を作ったのも、足りない知識を補完しようとする試みも、すべて西洋の知識体系「科学」の恩恵です。

日本刀が出来る結果を鑑み、その原理や製法、浸炭の様子、全部が「科学」から得た知識で掘り下げ、「科学」から作り上げたセンサーや顕微鏡で様子見し、足下の技術が補完されて初めて体系に組み込めます。

ヨーロッパ人がいなかったら、「日本の伝統」「文明の破壊者の欧米人」とか叫んで宣ってるバカだけでは日本の過去の技術の復活なんて無理だったでしょうね。



「世界史」が西洋史であることは、何も西洋人のせいだけではありません。

それこそ日本人が「鹿鳴館」をつくり「東洋医学」を捨て、寺社仏閣を悪として破壊し、西洋文明を取り入れる、それが文明の発達と定義したからという一面もあります。


そしてそれこそカンボジア、イラン、リビア、シリア、毛虫のように西洋文明を嫌いながら20世紀後半、21世紀後半で自国の文明を捨て去り、西洋の科学を吸収したりしてます。

それこそ「文明の発展」「繁栄」を言いながら。

仕方がないんですけどね。

世界最強の欧米人に戦争で勝ちたかったら真似するしかないんです。

工業だけ真似しても、制度だけ真似しても上手くいかない西洋文明。




文明の破壊者は自分自身。

そしてそれは悪いことでもない気がします。


実際、科学はとっても便利です。

「神秘」「中国XX年が生んだ奇跡」「東洋のXX」という詐欺的な商法で、はったりを売り物にするならともかく、永続的に、進化させながら売りたいのなら、普通に体系立てて研究した方がいろいろな利益になります。

「超」科学なんて言葉遊びの単語に欺されてはいけませんよ?

知らないことは良いのですが、科学は超えるものではありません。

体系に当てはめるものです。

「超」をつけるような輩はまず嘘です。


というか見事なほど嘘でしたね。


ユリゲラー、ピラミッドの呪い、ネッシー、マヤ帝国の宇宙船、ノストラダムス


なんか私の頃は特番でゴールデン時間で2-3時間のテレビ放送するようなネタだったんですよ?

ドリフより視聴率稼いだ時期もあった気がする。


しかしどれもGoogle様が答え合わせしてくれますが、数十年後に理解し、のけぞったのはこちら。


ピラミッドの呪い=呪いで死んだとか言ってる伯爵は普通に生きてましたよ?


ネッシー=死ぬ前に告白します。嘘です。こういう感じで写真を撮りました。と作者がゲロしました。


マヤ帝国の宇宙船=わざと横にして一部だけ撮って宇宙船っぽくしてます。


ノストラダムスについてはこちらがおすすめ。


アシモフの科学エッセイ〈10〉存在しなかった惑星 (ハヤカワ文庫NF)


紀元前から年表を並べて、世紀末のイベントを全ての世紀でノストラダムス風に言ってのけてます。

どの時代も「世紀末だ~」と言ってるようです。


ちなみに1582年2月24日にユリウス暦からグレゴリオ歴に変わっています。

そもそもそこで強引にさっ引いて、さらに閏年とかでどんどんずれていき。。。。

その時点で1999年9月9日は全く説得力ありませんね。

少年の頃はいろいろ期待しました。

1999年にまつわるアニメや映画はいっぱいあったなぁ・・・・「マクロス」とか。



アシモフのエッセイは昔に書いたものなので背景とか古いですけど現代でもお薦めです。

UFOが宇宙人の乗り物だとしてそれが出会う確率をこんな感じで弾き出そうとしてます。


ビックバンから弾きだした各元素の存在率。

その元素で作られる「コピーが出来る=生物」が作られる可能性、確率。

炭素型生物とそれ以外の生物の可能性とその生存惑星

宇宙に散らばる星で、その生物が存在できる惑星の可能性。

存在できる生物の数

文明の出来る種族も含め、ある一種類の生物が存在できる期間

それが同時に通信、連絡がとれるほど交差する期間と確率


もちろんわからないものに答えは出しようもありませんが、少なくとも「超」文明、「超」生物を語られる本よりもよほど面白い。

こっちの方がよほどロマンを感じました。






ああ、どんどん話が飛んでいく。

戻しましょう。


といってもこの後は飛び抜けてヨーロッパの何かを現すものではありません。


特記するものがあるとすれば、産業革命後は欧米人全てがちょっと不信心になったことですかね?

ガリレオからの影響か、科学者ちょっとキリスト教に反抗気味。

スピノザの神とか言い始めました。

「科学的に考えれば海が割れるわけはない」

聖書に対して大人げない。

ちょっと親に反抗し始めた子供っぽいですね。

民衆も、神は神、科学は科学と割り切れるものでもなく、すこし聖書にたいして懐疑的になり始め、即物的な意識が芽生えてます。


ま、明らかに自分たちに富をもたらしているのは神様ではなく、目の前でジャカジャカ動いている蒸気機関ですしね。

物質主義万歳!というところです。


逆に言うと、その動力の恩恵を受けない分野は少し大人しくなります。

化学とかはルネッサンスで中東の、もしかインドや中国からかもしれない、知識から出来上がったものですから、そんなに飛び抜けた発展はないです。


主要なのは機械関係で関連する硫酸、油脂化学、新たな建材としてのガラス=炭酸ソーダ、前回のタイヤで出た合成ゴムあたりでしょうか。



あとノーベル賞で有名なノーベルのダイナマイト。

合成火薬は武器の発展に直結しますし、土木作業としても便利。


それ以外でも体系立てた知識が増えるにつれて伸びていきます。

あと電気で出来ることが増えたのでそれも。

なんにせよ本格的な発展は20世紀からです。



特記事項


それに関連して1843年にリン酸石灰が生産開始されます。

原始的な無機肥料ですね。

アンモニア合成は20世紀なので本格的な肥料は20世紀ですが、黎明期として。

ついでにそれらの活用で四圃制農業といった農業を研究し、体系立て、ノウハウに反映させるという作業は新種の植物の発見もあわせて農業も大きく発展させてます。

16世紀のぱっとしない大航海時代と違って、海外からの新種も大いに役立ってますし。


ついでに遺伝学も。

雌雄異株植物、人工授粉とか結構昔から、それこそ古代の日本(ジャポニカ米とか?)インカのジャガイモとか、なとなくやってましたが、科学に組み入れられて大きく発展します。

で、メンデルの遺伝(1856年~)につながると。


様々な交配実験のデータは後年まで有り難がられました。

の割には20世紀まで評価されなかった人ですが。

細胞や染色体、花粉と卵子の受精、減数分裂、正確さも含めてすっごく偉大な研究なんですがね。

更に新しい学問「生物統計学」も生まれます。


ま、「優性」とか似非科学を誘発しやすく、後に「アドルフ・ヒトラー」とかいうちょび髭とか「ギレン・ザビ」とか白髪ハゲがお間抜けな説を唱え始めます。



あと医学でも多少。


「キニーネ」というマラリア特効薬。

アンデス山脈のインディオがキナの樹皮を解熱剤にしているのをみてヨーロッパ人が真似し始めました。

しかし詐欺師が多いこの世の中、まがい物が出回ります。

それを定量的に見分けるためにいろいろ化学分析をし、薬品で抽出できるようにして薬にしたのがキニーネ。


「モルヒネ」

麻薬、あるいは鎮痛剤として有効なこちらはケシのみから有効成分を分離したものです。


「アセチルサリチル酸」=ドイツのバイエル社の商品名「アスピリン」

こちらも鎮痛作用を持つ柳から分離させたものですね。

なぜかアメリカ人に絶大な人気があり、実に200億錠も呑んでるらしいです。

飲み過ぎて副作用で胃潰瘍になって死亡する人多数。


あと私は原始人すぎて薬は滅多に呑まないのですが、風邪の時にこのアスピリンを飲んだらたちまち回復します。

医者である妻「解せぬ」。


ま、産業革命で発達した薬品はこんなもの。

本格的な発展は20世紀になってから。


そもそもこの頃は、それこそキナの樹皮を知ってるインディアン、高麗人参をしってる日本人、何でも食う中国人の方がノウハウを知ってます。

医療で逆転するのは20世紀あたり。


外科手術は例外ですけどね。

どの世界でも人体を切り刻むのはタブー、なぜか中二病でスピノザの神をとかいっちゃう西洋人だけが人体を切り刻み、とっても外科は発達させます。

日本人の知識人に結構医者が多く、そもそも明治維新の総維新軍の司令官は医者、、内臓の各役割もなんもわからない状態で人体の不思議を詳細に書いてある「ターヘル・アナトミア」を見て、西洋ラブが加速しました。

次女も人体の図鑑大好きです。

確かに人を感動させる。





そして、人間に興味を持てば派生で他の生物に興味が湧くものです。

生物学が発展していきます。


といってもこの分野は古代「アリストテレス」の分類、生殖、発生、その他観察から大きく進んでおらず、馬や牛と言った農業関連以外はかなり遅れている分野。

アリストテレスが最初ですでに完成形という考え方もありますが。


そこで追加されたのはガラスの発達による顕微鏡で細胞学の発展、有機体、有機物の概念等々、ミクロの世界を調べて生物の概念、性質を知るという新たな分野が生まれてます。

それが遺伝学と補完し合い(細菌やバクテリアは観察が早く済みますしね)、数理や方法論という他分野からの概念を追加し、まだまだという感じではあるモノの20世紀に大きく花開く最初ではありました。



あと化石、恐竜もこの頃から。

恐竜はロマンですからね。

こちらが活発になったのは、同じ時代に花開いた「レジャー」「ピクニック」「山登り」の文化のおかげでしょうか。

なにしろキリスト教徒、この時代より前は山登りなど禁忌に近いものでしたから。


「なんで山登りがタブーなん?聖地とは言ってるけど聖書は別にとめてへんで~」


ちょっと反抗期なキリスト教徒達(^^)

あと、中国はそもそも10世紀頃から詳細に化石や恐竜を調べてます。

いくつかベストセラーになった文献もあるらしい。

中国すげぇ。





忘れていけないのは電気でしょうかね?

紀元前、ギリシャ時代から存在を知っていました。

Electronはその頃からある言葉です。

中国も紀元前。

電力と磁力の関係もそこはかとなく知っていたようです。

が、知ってはいたものの「それが何?」

有名な「フランクリン」が1752年に雷を捕まえたときも「それが何」程度のものでした。

しかし、1791年にガルバニ電池、1800年にボルタ電池、1808年にハンフリー・デービーが2000個の電池をつなげてアーク灯を光らせ、初めて役に立つ用途を見つけました。


あ、それまでも蛙を動かして生物学に、あるいは電池を作る過程でナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ホウ素、バリウム見つけましたね。

物理学にも貢献してます。



そして1837年にモールスがモールス信号で電気が超役立つようになりました。

通信は人類の夢でしたから。


昔っから狼煙あるじゃん?

信号旗あるじゃん?


いやいや、インターネット契約で通信契約を結び、娘にばれたら軽蔑される、いやらしい画像をダウンロードしている人ならわかってくれると思いますが、通信速度ってダンチですよ?


狼煙で送れる信号は何bpsでしょう?

信号灯での通信はそれよりましですが、人が見える距離に信号を維持し、アルファベットを信号旗や信号灯に置き換える訓練をし、24h維持する交替要因を確保し、目もくらむようなお金がかかります。

しかもそれでも間違うし。


線を這わすだけで通信が出来る、通信網は一気に広がります。

1861年10月24日、初の大陸横断電信システムが開通しました。北アメリカの西から東まで通信が届く画期的なシステム。

鉄道とともに引かれるのがデフォルトなシステムになりました。


更に電磁力の発見、モーターの発案、電磁石の発案、乾電池、電気の世界はどんどん進みます。

私らが想像する電気はまだまだですが、その始祖はもうこの頃に出来上がってますね。

1832年に無線も発見しました。


そして有名な発明王「エジソン」

電球、蓄音機etcetc。

電気の可能性を一気に期待させます。

エジソン自身が偉大かどうかは賛否両論ですが、エジソン以前とエジソン以降は全く電気の扱いが異なっています。


本当の活躍は20世紀ですが、この時点で電気のほとんどの可能性を示唆してます。

内燃機関の発明も相まって、19世紀後半、1865年から「第二次産業革命」という人がいますね。



。。。。ああああ、まだ終わらない。

本当にヨーロッパはこの時代に全てが押し込まれてるんですよねー

続きます。

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