封印の地〜異変〜
ちょっと長めです
――博麗神社――
霊夢「あんた等、ここで宴会するのはいいけどちゃんと片付けなさいよ」
萃香「そんなの今はいいじゃないの、楽しく、そして旨い酒が飲めればいいんだよ」
アリス「そうそう、それに毎回そんなこと言ってるけど結局誰かが片付けたためしないでしょう?」
霊夢「・・・それもそうね。でもねぇ。それはそれでなんか嫌だわ」
勇儀「そんなこと言ってねぇで飲もうぜ。宴会なんだからパァと盛り上がらねぇと勿体ねぇよ」
霊夢「ハァ・・・わかったわよ!盛り上がってやろうじゃないの!」
博麗神社では何かあったり異変解決したりすると必ずと言っていいほどここで宴会が行われています。その後片付けは毎回霊夢なので愚痴をこぼすのもわかるというもの。
そんな楽しげな空間に血相変えた魔理沙が飛び込んでくる。
霊夢「そういえば魔理沙がいないんだけど何してるのかしら?いつも来るのに珍しいわね」
アリス「魔理沙なら魔法の森でキノコを獲ってから来るって言ってたわよ。それにほら、こっちに向かってきてるみたい」
アリスが指差す方を見る霊夢、そこには確かに魔理沙が見えた。だが、様子がおかしい。
霊夢「本当ね。でもなんか様子がおかしくない?何かあったのかね」
魔理沙「れいむぅ!!た、た、大変だぜ!!皆を1か所に集めてくれ!」
霊夢「な、何よ、そんなに焦ってアンタらしくない。一体何があったのよ」
魔理沙と霊夢は幼少期からの付き合いでありお互いのことはある程度はわかる。そのため魔理沙の様子は嘘や冗談をつこうとしている顔ではなかった。ただ、何が大変なのかがわからないため少し警戒する。
魔理沙「そんな事言ってる場合じゃないんだぜ!私はあんなの初めて見たがただの子供だましじゃないってことぐらいはわかる、このまま何の対策もしないで放置しといたら幻想郷や外の世界が亡ぶぜ!!」
全員『・・・え?』
魔理沙の言ったことが信じられないという顔をしながらその場にいた全員が反応する。
それから八雲 紫を始めとした幻想郷に住まう者、ならびにその関係者達が集まった。
映姫「それでは魔理沙、貴女が見た事をここで全て話しなさい」
魔理沙「わ、わかったぜ。え〜とまず最初に私は魔法の森でキノコを獲りに出掛けたんだけど約5時間探しても見つからなかったんだ。最初こそ運がないなぁとか思ってたんだけど時間が経つに連れこれはおかしいって思い始めたんだ。それでその後も探しまわったんだけど結局見つからなかった。それで気付いたら知らない場所にいたんだ」
霊夢「霧のような物が全体を覆ってるって場所ね?」
魔理沙「ああ、それからまた少し先に進んだら見たこともない真っ黒な石版があったんだ。周りの様子もおかしいしこれはなにかあるなって思った。それにちょっと気になった。それで石版の前に行ったらなにか書いてあったんだぜ」
映姫「・・・それが今回貴女がもしかしたら世界が滅びるかもしれないと言うに至った文章ですね?」
魔理沙「そうだぜ、その石版には。『この地に封印されし者、解くべからず、その者の封印が解かれし時、多大な犠牲と共に世界は滅びるであろう。その者、邪神の長、その者、約束を破られし悲しき者、その物、邪竜神レイドルニア、最強とうたわれし邪神である。命ほしくば封印を解くことなかれ』って書いてあったぜ」
魔理沙が見たという者を言いえると一人を覗いて全員が頭に疑問符が浮かんでいる。
映姫「・・・伝説は本当だったんですね」
紫「伝説?」
この場には紫と幽々子もいるが普段嫌っている映姫がいても平気なようだった。幻想郷の危機とあっては損なの関係ないのかもしれないが。
映姫「はい。太古より昔、神々が争いあったと言う伝説があるんです。それをまとめて神界大戦争と呼んでいますがその中に邪竜神と呼ばれた者がいたそうです。その者は強大なる力で邪神達を束ねていたとか、しかし、それを良しとしなかった創造神がその者との一騎打ちを持ち掛けたらしく、それを受け入れた邪竜神は創造神と戦ったとされていますが、その最中に何者かにより封印されたと言われています。もし魔理沙の話が本当であればこのまま放置しておくには危険すぎるでしょう。ですが、だからといって不用意に近付き封印を解いてしまったとあれば間違いなく幻想郷を含めたあらゆる世界が滅びを迎えることになってしまうでしょう」
霊夢「・・・でも何で神同士が争ったの?」
映姫「私も詳しくは知りませんが確か新たな生命を誕生させる事で神は2つにわかれたとか」
霊夢「そうなんだ。神も大変なのね。(チラ)」
神奈子『そこで何故私達を見るんだ(のよ)!』
諏訪子
霊夢「何となく」
そのやり取りを聞いていた映姫達は幻想郷のみならず世界が滅ぶかもしれないという状況下でも霊夢は霊夢なんだなと思った。
その時だった。
全員『っ!!』
とても邪悪で禍々しい気配がしたのだ。それも先程話しに出てきた魔法の森がある方角からだった。
霊夢「すごい邪悪な気配を感じた」
映姫「ええ、これ程濃密で邪悪な気配は今まで感じたことありませんでした。それもこの方角からすると恐らく魔法の森付近からでしょう」
魔理沙「もしかして封印が解けたのか!?でも誰もあそこには近付いてないしそもそも解こうとも思わないはずだぜ!」
勇儀「あたしゃ行きたかねぇぞ。こんな気配を出す奴に勝てる訳ねぇしよ」
映姫「そうだとしてもこのまま放置したところでいつかはどうにかしなければいけない事。そうである以上今行こうと後で行こうと結果は変わりません。でしたら今行くほうが懸命でしょう」
勇儀「そうだけどよぉ」
映姫「何はともあり行きましょうか」
勇儀「う〜ん・・・」
唸る勇儀を引っ張る形で魔法の森に向かうのであった。
次話は石版のあるところに行く予定です