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第37話 作戦会議


「おかしい……」


 アルトリアはコックピット内でレーダーの映像を確認しながらつぶやいた。

 目の前には誘導灯に照らし出された『海鷹(かいよう)』の甲板が広がっている。

 損傷した『キ12試作戦闘機』の代わりに搭乗している『零式艦上戦闘機21型』を減速させながら、甲板へ機首を向ける


<こちら海鷹(かいよう)着艦を許可します>


 無線機から流れる『海鷹かいよう』の管制官の指示に従い機体を緩やかに着艦させる。

 エンジンを完全に停止させ、誘導を整備兵に任せてアルトリアは機体のチェックを行う。幾度も出撃を繰り返しているわりには目立った損傷がない。

 エレベーター横に待機していた整備兵が、綺麗な機体を見て称賛の声を上げる。

 しかし、アルトリアの心境は複雑だった。旧式の『キ12試作戦闘機』では、もう限界だ。次々と製造される新型機には対応できない。


 やはり、早めに乗機をアップグレードする必要があるか。


 そう考えていると、『零式艦上戦闘機21型』を載せたエレベーターがゆっくりと下降を始める。


「ふあぁぁ……」


 ヘルメットを取ると、噛み殺せなかったあくびが漏れる。

 一呼吸置いたアルトリアは、瞳にたまった涙を拭った。生理現象まで再現しているとは相変わらずよくできたゲームだ。


 コックピットに浮かぶ涙の欠片を眺めながら、どこかズレた事を考えながら腕時計を確認する。

船団がバラセラバルを出撃してから、五時間が経過しようとしていた。

 これでソ4船団は航海日程のおよそ三分の二を消化したことになる。

 とはいえ、ここまで決して順調ではなかった。

 この数時間の間に、ソ4船団は敵による襲撃に何度も晒されていた。


 襲撃のたびにアルトリアは、隷下の護衛部隊と共に出撃を繰り返えすことになった。

 おかげで、『海鷹』の格納庫内に収容されている機体にも、大きな傷が目立つようになってきた。

 一部の機体に至っては、エンジンやコックピットが吹き飛ばされており、大きく抉られたボディをワイヤーで固定されている状態だった。


 それを横目に、待機していた整備兵に補給と整備の依頼と、『二式亜空間戦闘機』に搭乗しているホワイトⅡに指揮を引き継ぐ旨を伝えた。

 同時に、ホワイトⅡにも内線で連絡を送る。


 一通りの事務的手続きを済ませると、艦橋へ向かった。


 ◇


「ご苦労様。アルちゃん」

「おぉ、ホワイトリーダー、お疲れさん」


 ヘルメットを片手にエレベーターから降りると、艦長席に座ったメイビスが振り向いて労いの言葉をかけてくれる。戦闘中のため無重力になった艦橋で、彼女の赤い髪がさらさらと揺れる。

 大分慣れてきたのか、艦長席に腰かけるメイビスの姿にどこか安心感を覚える。


 そして艦橋の大型モニターの前を、逆さまに浮遊するライデンの姿があった。どうやら戦車で撃破されたあと『海鷹』に再出撃(リスポーン)したらしい。


「お疲れ様です。ライデンさん。メイビス。―――副長。赤の星まであとどれくらい?」


 メイビスの横に立っていた副長に、あいさつ代わりに腕を借りて減速しながら足をつける。


「このまま順調に進めば、三時間で視認距離に入ります」


 アルトリアの問いに、すぐに答えが返ってくる。メイビスと指揮を交代するタイミングだったのか、手には申し送り事項が表示されたタブレットが握られていた。


「もう少しだね。―――副長も今から休憩でしょ。少しは寝ておいた方がいいんじゃない?」

「ええ。それでは艦長。私はこれで」

「はい。お疲れ様でした」


 一礼して立ち去った副長を見送ると、アルトリアはメイビスの横にある副長席に腰かけた。その様子をみて、メイビスが申し訳なさそうに言う。


「ごめんね。私だけ休んじゃって」

「大丈夫。私は慣れてるし。休むことも仕事だよ。今後に支障が出ても困るからね」


 アルトリアは、両手を組んで伸びをする。そして手を離すと、気だるげにあくびを一つした。


「百戦錬磨のホワイトリーダーもお疲れかいな?」

「いや、さっきも『暗闇の魔女(ナイトウィッチ)』にいい様にやられてしまったんですけど……」


 アルトリアの言葉を、ライデンは腕を組みながら否定する。


「これだけの手勢で、損害は許容範囲。十分やで。逆に上出来すぎるわ」


 それでもアルトリアの表情はすぐれなかった。考え込むように顎に手を当てると様子をみたライデンが肩をすくめた。


「なんや、悩みごとかいな?」

「いえ。ただ、ちょっと気になることがあって」

「気になる事?」


 隣でタブレットの情報の確認作業をしていたメイビスが指を止めた。


「うん。さっきの襲撃の時も思ってたんだけど。……『暗闇の魔女(ナイトウィッチ)』隊が撤退し始めてるんじゃないかなって」

「そうなの?」


 メイビスがタブレット片手に首をかしげる。赤い瞳からの視線を受け止めながらアルトリアは頷いた。


「襲撃されるごとに、攻撃部隊の規模が明らかに小さくなっているんだよねぇ」


 当初の襲撃では戦闘機、爆撃機の混成で三百機近い大編隊だった。しかし、先ほどの襲撃では僅か二十機たらず。しかも足の長い爆撃機のみの編成だった。

 どう考えても少なすぎる。


 もちろん、アルトリアが与えた損害を補填できていないということも考えられる。現時点までにアルトリア指揮下の部隊と、船団の戦車部隊によって計二百機近い敵機を撃墜している。

 もしかしたら部隊の再編が整っていないのかもしれない。


 だが、曲がりなりにもゾレグラ最強を掲げているクランが、たかだか二百機程度の損害で、ここまで消極的になるとは考え難い。


 それに第588航空連隊隊長のチャイカが、最初の襲撃以来姿を見せていない。彼女(チャイカ)は、レーザーブレードを纏った翼からもわかるように、超攻撃的な思考の持ち主だ。決してのほほんと後方から指揮することをよしとする人物ではない。

 そのことも踏まえると、アルトリアはどうしても楽観的に考えることができなかった。

 

「さっき来た二十機だって、ほとんど嫌がらせ(ハラスメント)攻撃でしたし」

 

 現状を考えると、撤退のための時間稼ぎの線が有力ではある。

 とはいえ、判断材料が少なすぎる。前兆のようなものはあるが、まだ判断するには早いとアルトリアは考えていた。

 撤退と見せかけたブラフという可能性もある。ここは慎重に事を考える必要がある。


「今はまだ何とも言えない憶測です。それよいも、ライデンさんが艦橋にいるってことは、降下作戦の打ち合わせですか?」

「まぁ、当初はそのつもりやったんやが。問題が起きてな」


 よいしょと爺臭い掛け声とともに、体勢を整えるとホログラム装置にデータをアップデートする。


「先行した『SS艇309号』からの情報や」


 ホログラム上の赤の星、ちょうど第二都市上空にまるでカーテンのように、いくつもの小さな点が覆いかぶさっていた。


「これは?」

「どうやら、すべて戦闘艦らしい」

「これ、全部ですか!?」


 惑星の一部とはいえ、覆いつくすほどの艦船。この鉄のカーテンを構成するのに一体何隻の船がいるのか。

 もたらされた情報に思わずメイビスの表情が強張る。


「推定で一千隻。……どっから引っ張り出しよったのか、わからへん。こりゃ降下作戦を見直さないかんと思って『海鷹』に来たんやけど―――」

「ちょっと待ってください。艦種はわかりますか?」


 ライデンの話を断ち切ったアルトリアは、大艦隊を見ても動揺していなかった。

 数以上にこの部隊、何かがおかしい。


 その答えを探るために、ホログラムを最大まで大きくして表示させる。


「―――やっぱり」

「なんや?なんかわかったんかいな?」


 インスタントラーメンができるくらいの時間を確認に費やすと、アルトリアは確信と共に大きくうなずいた。


「これ。―――確かに数は多いですけど、全部『ノヴゴロド』ですよ」

「なぁ、ホワイトリーダー。ワイは船の事はさっぱりやねん。わかるように説明してくれんかいな」


 口をへの字に曲げたライデンが、ぼさぼさの髪を掻きむしる


「簡単に言うと、『ノヴゴロド』は砲艦に分類されます」

「そりゃ、あれやろ?海防艦の親戚やないんか?」

「全然違います。砲艦はほとんど航行能力を有さない、浮き砲台みたいなものです」


 まるUFOのような円盤状の船体を持つ、『ノヴゴロド(これ)』を船にカテゴライズするプレーヤーは少ない。ほとんど身動きが取れず、しかも出力不足によって主砲を発射すると姿勢制御ができず、フリスビーのように回転してしまうと言う。


 さすがの運営も、この珍兵器を戦力としては認めず、航空機と同等と艦船としては破格の低コストを実現していた。

 つまりこの兵器を引っ張り出してくると言う事は、よっぽどポイントに余裕がなかったのか。あるいは、節約したポイントを青の星の防衛戦力に投入したのか。


「だがな、スペックを見るかぎり『ノヴゴロド』の主砲は11inch砲や。こんだけ数が集まると脅威なのは変わらんやろう?」


 アルトリアの説明を聞いてもなお、ライデンの顔は陰りが見えていた。

 『ノヴゴロド」は11inch砲が前後に二門。計四門装備されている。だが、それは対して脅威ではない。

 やはり惑星表面をカーテンのように覆うほどの数に、いささか動揺しているのだろう。


「えぇ。当たればですけどね。『ノヴゴロド』の11inch砲は近距離を想定した短射程の砲です。―――こちらの『アイダホ』や『ソルトレイクシティ』であれば、射程圏外から攻撃が可能ですし、対空装備もないでしょうから航空機でも十分に突破可能です」

「そりゃ、ほんまかいな!」


 ライデンの疑うような、それでも信じたがっているような言葉を投げかけてくる。


「いい的です。逆にポイントを稼ぎすぎて他の人に恨まれないか心配です」


 アルトリアの余裕のある表情と態度に安心したのか、ライデンは大口を上げて笑い出した。


「あははは!そりゃいい!よっしゃ!ほんじゃ、ワイはてっちゃんと降下作戦の細かい部分を詰めるわ。ほんま、おおきにな。ホワイトリーダー」


 そう言うとライデンは自室に向かうため、エレベーターに姿を消した。

 自室なら無線が使いたい放題できる。艦橋では艦の操舵の邪魔になると遠慮してくれたのだろう。


「アルちゃん。少し休んだら?」


 説明と作戦の考案を行ったアルトリアを、メイビスが心配そうな表情で覗き込んできた。

 

「……そうしようかな。ちょっと休んでくる。また襲撃受けたらホワイトⅡに指揮で出撃させていいから。それから兵団の人から打ち合わせの連絡があったら起こして」


 あくびが漏れる。アルトリアは、抑制のきかない自身の口に手を当てながら立ち上がった。

 メイビスは、立ち上がったアルトリアを目で追いながら表情を緩めた。


「わかった。ゆっくり休んで。アルちゃん」


 メイビスの言葉に手をひらひらと返して、アルトリアはそのまま自身の部屋へと向かった。

 自室に着いたアルトリアは、パイロットスーツを適当に脱ぐとそのままベッドに身を投げた。清潔なシーツの無機質な香りを鼻腔から吸い込むと、瞼を閉じて深い眠りについた。


 ◇


 次にアルトリアの意識を覚醒させたのは、艦橋からの着信を知らせる電子音だった。


<アルちゃん。起きてる?テンドンさんとライデンさんから連絡があったんだけど……>

「だいじょうぶ。起きてる。すぐいくよ」

<じゃあ、会議室にお願い>


 寝ぼけ眼で壁に設置された通信機を取り、あくびを噛み殺しながら返事を返す。


 そのままベッドから体を起こすと扉の前に立った。

 だが、なぜか自室の扉が開かない。正確に言うと扉の前にエラーと大きく表示されていた。


 おかしいなとアルトリアが首をかしげると、頭に室内を漂っていた白いパイロットスーツが当たった。

それに気が付くと、改めて自身の恰好に目を向けた。寝起き姿のアルトリアは白いタンクトップシャツと下着を纏うだけだった。どおりで自室(プライベート)空間から外に出られないわけだ。先ほどのエラーはシステムによる警告だった。

 

 納得したアルトリアは室内を漂うパイロットスーツを引っ掴む。

 手際よく着こむと、今度は邪魔されることなく廊下に出ることができた。



 『海鷹』には、五十人以上のホログラム投影できる作戦会議が設けられていた。

 今回は、護衛部隊の艦長および地上部隊の主だった士官も集合しての会議になる。そのためには、艦橋のモニターではいささか手狭だ。

 そこで、艦隊をデータリンクで繋ぐことになったのだ。


「ライデンさんは先に入ってるみたいだから、早く行こ」


 エレベーターを降りると、さきに着いていたメイビスに促されるまま会議室に入室した。

 会議室は、大学の教室のように階段状になっており、ホログラム装置が内蔵されている。ほとんどの席に、時折ノイズの走る青白いプレーヤー達が腰かけていた。

 中央に近い席には、テンドンをはじめロバートソンやアーガイルの姿も映し出されていた。

 

「お、来た来た。我らが護衛隊長と艦隊長の御出ましやで!」


 声の先に視線を向けると、この会議室で唯一幻想(ホログラム)ではないライデンが嬉しそうに立ち上がった。

 先の戦闘終了時から『あきつ丸』より乗艦していた彼の言葉に、周囲のホログラムたちも一斉に称賛の声を上げる。

 日本語や流ちょうな英語が溢れかえり、拍手や口笛まで吹き鳴らされた。


 作戦の終わりが近づいていることを実感しながらアルトリアは、苦笑いするメイビスの手を取って中央のライデンの隣に立った。


「これで全員揃ったな。……諸君。いよいよ本番や。これより、ゾレグラ本星赤の星攻略作戦の概要を発表する」


 不敵な笑みを浮かべたライデンが大きく手を振り上げた。

 同時に中央に大きく赤の星のホログラムが出現した。


 ちょうどアルトリアが立っている場所に船団を示すマーカーが表示される。


「今回、栄えある先鋒部隊の総指揮はテンドンが執ることになった。主力も【菊兵団】や」


 苦虫を噛み潰したような顔のライデンが告げると、一部からブーイングが起こる。


<また、負けたのかよ!ライデン>

<かぁぁぁ、ついてねぇよ>

「うるせぇ!正々堂々のジャンケン一発勝負や。とやかく言うなや!―――オホン!編成は今から送る計画書に記載しとる。各々きちんと目を通すように」


 ブーイングにライデンが口から唾を飛ばす勢いで怒鳴り返す。

 文句を言っていたプレーヤー達も、ライデンを茶化す目的だったようで、彼が咳ばらいを一つするとすぐに収まった。


「強襲揚陸は【菊兵団】の『神州丸(しんしゅうまる)』を旗艦に『にぎつ丸』『日向丸』『摩耶山丸(まやさんまる)』『玉津丸(たまつまる)』の五隻を降下させる。SS艇は、混成で半数の八十隻。その他の大発は待機や。小発と共に必要に応じて順次に投入する」


 ホログラム上に読み上げられた強襲揚陸艦が表示される。どうやら損傷が極力少ないものを選抜したようだ。

 

「つぎに作戦の目標を発表する。―――第一目標、ゾレグラ第二都市中央区官庁の完全制圧。第二目標、飛行場およびマスドライバーの奪取。第三目標、敵地上軍司令部の破壊。……わかっとるやろうが、今回は第二都市の制圧が最優先や。いかに、地上部隊を短時間で突破するかにかかっとる」


 第二都市中央区のシステムを制圧することで、赤の星は陥落することになる。

 無論、ゾレグラ側もそれは百も承知だろう。この場にいるすべてのプレーヤーが激しい抵抗があることを予測している。

 実際、都市上空にまるでカーテンのように広がる敵艦隊が表示されると、会議室全体に動揺が走った。


「まず、作戦第一段階。第二都市上空に展開する敵艦隊を突破する。これには、降下部隊と直掩の航空部隊。および敵艦隊に対して護衛部隊から三個戦隊を抽出する」

<兵団長殿!質問をよろしいか!>


 ライデンの発言に、ホログラムの兵士が一人手を上げる。【菊兵団】のエンブレムをつけている彼の表情はすぐれない。


<僅か三個戦隊でこの鉄のカーテンを突破するのは無理でしょう。ここまで護衛していただいたのです。せめて護衛艦隊はこれ以上の損害を避けるためにも、離脱させるべきでは?>

<そうだぜ。我らが団長様よ。無謀に突っ込むなら俺たちだけで、十分だろう?>


 彼の言葉に周囲から賛同の声がチラホラ聞こえたが、ライデンはそれを一蹴した。


「安心せい。この作戦はホワイトリーダーとメイビス艦長、グレザーの連中が承認しとる。――――それにな、ホワイトリーダー曰くこのカーテンは鉄製やなくて向こう側が透けるぐらい薄いレース編みらしい。開けるのが容易すぎて、申し訳ないぐらいのな。……もちろん、ワイらはのぞき見をするような変態やないから、ここは紳士らしく真正面から赤の星を拝みにいくわけやが」

 

 ホログラム上の兵士がライデンの言葉に、苦笑しながら着席する。

 中には、少女の前で下品なこと言うなとヤジが飛んでいる。

 場が盛り上がったところで、ライデンは説明の続きを始める。


「作戦は三つのフェーズで構成される」


 今度は、二次元の惑星表面と鉄のカーテンを示した模式図が現れる。


「まず第一フェーズ、降下部隊と三個戦隊、そして居残りの部隊を分離する」


 模式図で三部隊の進路が表示される。

 降下部隊は第二都市とは反対側に回り込むような航路。

 『海鷹』を旗艦にした居残り部隊は、赤の星を離脱する航路。

 そして、『アイダホ』を主力とする三個戦隊は最短距離で赤の星へ向かう航路。


「次に第二フェーズ。三個戦隊による艦砲射撃および戦闘機による攻撃を行う。ここで、最大限、カーテンに打撃を与える。―――そして、最終フェーズ。同時に、降下部隊が惑星の地平線より突入。カーテンの真下をくぐるように惑星へ降下する。以上や」


 そこでライデンは言葉を切ると、息を軽く吸い込んだ。


「上空援護に割ける航空機はごく少数。そんな状況の中で、地上軍のみで一都市を制圧することになる。かなり困難や。―――だが【兵団】ならできる。必ずできる。ワイはそのことは決して疑わん!!」


 ライデンの力強い言葉に、会議室全体の空気が静かに熱気を持ち始める。

 誰もがギラギラと瞳を光らせて、好戦的な笑みを浮かべていた。


「―――それに、ワイらにはホワイトリーダーとメイビスちゃんがおる。女神に愛されとるのはこっちや!諸君の奮戦に期待する!」


 最後の一声がかけられると、【兵団】に所属するプレーヤー達が一斉に立ち上がり一糸乱れぬ敬礼を披露した。



 


ここまで読んでくださってありがとうござます。

何かと忙しく更新が出来ませんでした。

本当に申し訳ありません。

今後もどうなるか分かりませんが、お付き合い頂けたら幸いです。

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