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第31話 陸兵団

遅くなりました。すみません。

「ほんじゃ、これでつまらん話はお終いにして。二人ともこの後、暇?」


 机に置かれたグラスが空になったころ、ライデンが椅子を押し出すように立ち上がった。

これでもう終わりだと思っていた二人は、どちらともなく目を合わせた。

 特に予定が決まっている訳ではない。

 とりあえず、アルトリアは机に両手をついて前のめりになっているライデンに向かって頷いておく。


「はい。大丈夫ですけど?」

「じゃ、決まりやな?」

「あの、何かするんですか?」


 何が決まりなのか。首を傾げるアルトリアの隣で、メイビスが律儀に手を挙げて質問をする。


 しかしライデンは二人に明確な答えを示さなかった。ただ、何かを企んでいるようなニヤリとした笑みを浮かべたまま、ついてくるように顎をしゃくった。


 ◇


 パイロットスーツから緑濃色の戦闘服に着替えた二人が案内されたのは、基地で最も長い滑走路に面した格納庫だった。格納庫と倉庫の合間から草原の柔らかな風が吹き、アルトリアの銀色の髪をなでていく。


「第一派遣連隊、総員整列!!」


 日差しをよけるためか、格納庫の軒下に先導していたライデンがインカムを口元へもっていく。

 するとアルトリアとメイビスの視線の先に巨大な影が現れた。

 頭上から燃焼エンジン特有のゴーッという音が響く。二人が上を見上げると四機の『オ号低空強襲機』がゆっくりと降下してくるところだった。


 全長約19mのボディに、大きく伸ばされた両翼と尾翼。その翼の先端に二基ずつ、合計四つ搭載された燃焼エンジンが空気を吸い込み、強力な推力へ変換し供給していた。

 ノズルの先から赤い炎が吐き出され、地面に敷かれた滑走路のアスファルトを焦がす。


 『オ号』は四つの燃焼エンジンの噴射角を縦軸360度、横軸90度に変更することができる可変機構を持つ垂直離着陸機だ。


 アルトリアも数回操縦したことがある。

 一見、鈍重そうな地上機に見えるが空中に制止するだけではなく、まるで昆虫のように急発進から急停止、真横へのスライドが可能なその機動性は非常に高い。


 さらに『オ号』は、ボディ中央のカーゴを交換することにより兵員輸送、車両輸送、対地攻撃まで幅広くこなすことができる多機能性も兼ね備えている。


 高機動性と多機能性を持つ『オ号』は地上における強襲戦術の重要な役割を担っていた。

 

 『オ号』が機体をわずかに左右に揺らしながら、格納されていた三本の車輪を展開する。タイヤが地面に接触しサスペンションが沈み込む。


 同時に、カーゴの後方装甲板が倒れるように開き、複雑に色が混ざり合った新緑色ベースの迷彩をまとった集団が素早く降りる。

 同色の迷彩を施された三八式歩兵銃を手に、格納庫前に駆け足でやってくる。


 迷彩のフェイスペイントで殆ど誰が誰だかわからなくなっているが、恐らく【菊兵団】のプレーヤー達だろう。

 兵士達は無駄のない動きで、瞬く間に縦八列、横十列の横隊を作り上げた。


 さらに、歩兵を運搬してきた『オ号』が再び燃焼エンジンを吹かして、高度を上げる。と入れ替わるように滑走路の中央に別の『オ号』が降下してきていた。


 新たに表れた『オ号』六機は、砲塔側面に【龍兵団】のシンボルマーク『天へ上る龍』が描かれた『九七式中戦車 先行量産改良型』通称『チハ改』を中央部にぶら下げていた。


 六機はホバリングをして『九七式中戦車』を固定していたアームを取り外した。


 5mほどの高さを自由落下した六両が、着地と同時に薄い黒煙を上げエンジンを始動する。規則正しくリズムをとるエンジンの重低音がうなりを上げる。

 『九七式中戦車』が履帯を軋ませながら歩兵の後方へ速度を上げながら突っ込んできた。


 思わず、大惨事を予測してしまうような状況だが、『九七式中戦車』は、整列している兵士のすぐ真後ろ、ギリギリのところで急ブレーキをかけた。


 運動エネルギーを相殺するために、車体の前方が大きく沈み込む。

 アスファルトに火花と履帯の黒い跡を残しながら、まるで定規で図ったかのように右側から順に並んでいく。


 装備された九九式110㎜ライフル滑空砲とボディの周りに装着されたチョコレートの様な八八式爆発反応装甲が、穏やかな日の光を受けてきらりと輝く。


 完全に戦車が静止すると、ガチャっという音を響かせて砲塔と車体左前方のハッチが開く。中から、ライデンと同じ軍服をまとった戦車兵たちが現れる。

 彼らは車体の左側へ飛び降りると、四名ずつの縦隊を作り上げた。

 

 最終的に前方から歩兵部隊、中央に戦車部隊、後方に『オ号低空強襲機』の飛行部隊が五機ずつ二列横隊に並んだ。


 その間、整列している【菊兵団】の兵士は直立不動のまま微動だにしなかった。


「……すごいですね」

「せやろ?折角やし顔合わせでもしよう思ってな。ちなみにこの部隊は全員がプレーヤーや。ほかの連中は間に合わんから、また今度な」


 戦車を間近で見るとのも初めてというメイビスはもとより、地上戦の経験が少ないアルトリアも驚愕していた。思わず感嘆の言葉が漏れる。


 彼らの動きは、本物の軍隊かと見間違うぐらいに洗練されていた。それはもう見事としか言いようのないものだった。

 そして、それ以上に互いを信頼する固い絆が垣間見えた。


 まったくの素人がここまで精度を高めるにはどれだけの時間を要したのか。

 【兵団】の努力の結晶をほめるアルトリアの言葉に、ライデンもどこか誇らしげに答えた。


 整列する兵士の前にテンドンが軍刀を片手にゆっくりと進み出る。


「兵団長殿へ敬礼!!」


 同時に腰にラッパの様な楽器をぶら下げた―――この兵士だけ突撃銃を持っておらず、大腿部のところにベルトで拳銃を装備していた―――士官クラスと思われる兵士が半歩前に出る。そしてカツッと踵をそろえ、右腕を九十度上げて陸軍式の敬礼をした。


 先頭にいる士官に倣うように八十人の兵士が銃のストックを地面に下し敬礼をする。それに戦車の横に整列する二十四人の戦車兵と二十名の『オ号』操縦手が続く。

 一斉に敬礼する彼らは、ビシッ!という服のこすれる音までピタリと揃っていた。


 彼らの視線を一身に浴びるテンドンも、軍刀を地面に立て、彼ら以上に見事な返礼を返した。

 そして、手を下すとゆっくりとした口調で語りだした。


「諸君、先ほどの戦闘はご苦労だった。無事に民間人の被害なく市街を占領することができた。これも、(ひとえ)に諸君らの奮闘のたまものである。改めて感謝する。……さて、すでに知っていることだとは思うが、つい先日、星系戦の日取りが公式より正式に発表された。今回の相手はゾレグラだ」


 そこで話をやめて一呼吸置くと、彼はメガネを人差し指でクイッと持ち上げた。

 一瞬、レンズが太陽光を反射してテンドンの瞳が隠れる。

 再び話し始めた彼の瞳は、強い覚悟が見て取れた。


「最近衰退の傾向を見せているが、今だに地上戦力は全星系最大規模を誇る。間違いなく脅威だ。また、時期的にゾレグラの青の星は、冬季に突入している。敵の本拠地にして、天候まで奴らの見方をしている。非常に厳しい(いくさ)になる」

 

 固唾を飲んで聞く兵士達を前にテンドンは強く右手にこぶしを握る。血管が浮き出そうなほど力強く握られたこぶしは、あまりに力が入りすぎていて細かく震えていた。


「だが!!私は、この惑星における諸君の戦いを見て確信している!!諸君らが日ごろの成果を遺憾なく発揮すれば、奴らなど恐れるに足らないと!!―――そして、敵を根絶やしに、前回我々を壊滅せしめた宇宙(うみ)の腑抜けどもに知らしめてやろうではないか!!我ら、菊兵団こそ最強の兵士であると!!我ら、龍兵団こそ無敵の軍隊であると!!―――兵団、万歳!!」

《兵団、万歳!!》


 テンドンの演説のもとに、最高潮に達した兵士たちの声が同調する。兵士の野太い声が、幾重にも重なり大きな波を作り出していく。振り上げられる両手と共に、最後には広大な草原の空気すべてを震わせそうなほどの大きな歓声を作り出した。


 そのあまりの迫力に、隣で聞いていたメイビスが一歩後ろに下がった。


 僅かに揺れている綺麗な赤色をした双眸が、彼女が動揺をしていることを物語っていた。


 まぁ、怖気づいてしまうのもわからなくはない。


【兵団】の人間は異質だ。普通に生活をしていたら、まず会う機会さえないような性質の者たちばかりだ。

 犯罪者一歩手前、あるいは右翼ともとられない発言。だが、そんな些細なことはゲームをプレイする上で全く関係はない。

 

 それよりも、この人達を護衛するのは相当に骨が折れるだろう。

 先のことを不安に思いながら、アルトリアは静かに風で揺れる銀色の髪を抑えるために、ミリタリーキャップを目深にかぶった。


「兵団長殿!ご質問をよろしいでしょうか!!」


 場が収まったころ、最前列に立っていた狙撃兵らしき男—――三八式歩兵銃に巨大なスコープを装備し頭に同系色のブーニーハットを被っていた――が黒いグローブをつけた手を挙げて、テンドンに発言許可を求めた。


「なんだ」

「ハッ!そちらに、ライデン殿と共におられる方はどなたでありますか?」


 テンドンは、一度頷くとアルトリアとメイビスに近くによるように手で招いた。

 小柄な彼の左側に、メイビス、そしてアルトリアの順で並ぶ。

 すると、先ほどまで一言も言葉を発さなかった兵士たちが、急にざわめき始めた。


「女子だぞ」

「赤い髪の女の子かわいいな」

「いや、銀髪の子もなかなか……」

「静かにしろ。兵団長殿のお話の途中だろうが」


 隊列の前にいる士官が、後ろを軽く振り向いて勝手な私語をやめさせる。

 再び、場に静寂が戻るとテンドンが口を開いた。


「―――諸君。紹介しよう。今回我々を護衛してくれる空母『海鷹(かいよう)』のメイビス艦長。そして、護衛航空隊隊長のアルトリア少尉だ」


 テンドンが左手を軽く上げて、アルトリアとメイビスを順番に差す。

 とりあえず、紹介された二人は軽く会釈をする。


宇宙(うみ)の人間か?」

「少尉と言う事は【軍人】だろうが、信用できるのか」

「静まれ!!」


 二人の前に整列している兵士たちが、先ほどよりも小さな声で隣の同僚へ声をかける。

 今度は、士官が怒鳴り声をあげる。


「……諸君、不安に思うのはもっともだろう。しかし今回は前回とは違う。護衛に参加してくれるアルトリア少尉は、かの有名なクラン【Collars】の元リーダーだ」

「元リーダー?」

「まさか、幻の!!」


 やはり、その話をするのかとアルトリアはため息をつく。

 先ほど以上に兵士たちがどよめき渡る。今回は士官も目元にアイシャドーよりも強い黒色塗った瞳を見開くばかりで、場を収めることはできなかった。


 彼らの反応を見ると以前の自分のしてきた行動が、多大なる影響を与えていることがよくわかる。


 小さく顔をしかめたアルトリアの心境を置いてきぼりにして、テンドンの話は進んでいく。


「そう。地上機全般の扱いではかのレッドリーダーすらも、かなわないと言わしめる人物だ。我々の護衛にこれほど適任の人物もいなだろう」


 【陸兵団】と【Collars】は数回作戦を共にしたことがあった。


 つまり格納庫の日陰で静かに佇む紫色の髪の男が、レッドリーダーであると知らぬ者は誰一人としておらず、アルトリアの身分を確かにする証拠であった。


 テンドンの言葉に居並んだ兵士たちが、キッと姿勢を正す。


「私から伝えたいことは以上である!この後は、各自自由にしてかまわん。解散!!」


 再び全兵士が一糸乱れぬ敬礼をする。


 そして、なぜかアルトリアとメイビスは兵士たちに取り囲まれた。

 まるでコンサート会場のアイドルにでもなったようだ。逃げ出す暇すらなかった。

 目を白黒させる二人の前には、多くの兵士たちから質問が投げかけられる。


「かの有名なホワイトリーダー殿に会えるとは!!光栄であります!!」

「ホワイトリーダー殿は、今はどの機体に乗っておられるのですか!?」

「ぜひ、我々『オ号』乗りに空中戦のご教授を!!」


 アルトリアは、黒いバイザー付きのヘルメットを手に持った操縦手たちに詰め寄られる。

 まるで、憧れの芸能人に会ったかのような態度だ。


「メイビスちゃん、今日この後空いてる?おじさんとお茶しない?」

「ふざけるな!メイビスちゃんを貴様の様な変態に渡すものか!!」

「お前だってロリコンだろうが!!」

「なんだと!!」


 アルトリアが困惑している一方で、いがみ合う変態の間に挟まれたメイビスは、混乱のあまり口をパクパクさせるだけで、まともな言語を話すことすらできなくなっていた。

 

 さすがのアルトリアも、一騎当千の兵士たちの勢いになすすべがない。とりあえず愛想笑いを浮かべるもののすでに状況は彼女の手に負えなくなっていた。

 

「何やっとんねん!!二人が怖がるやろうが!!全員整列!!」


 そこに助け舟を出したのは、ライデンだった。彼の鶴の一声で、兵士達は姿勢を正し、二人から少し距離を置いた場所へ整列した。


 アルトリアの口から思わず、安堵のため息が漏れる。頬を伝う冷や汗をぬぐうとライデンに頭を下げ、お礼を言った。


「ありがとう、ございます」

「いや、こっちこそほんま、すまんな。こいつら後でちゃんと言っておくさかい。堪忍して」


 申し訳なさそうな顔をしたライデンが、周囲の兵士たちをキッと睨み付ける。

 さすがの彼らも、少しは落ち着いたようだ。

 まだ再起動中なのか隣のメイビスは、目の焦点が合っていなかった。


「おまえら、質問は順番に今から五分以内におえや」


 ライデンの言葉に、姿勢正していた兵士たちからブーイングが起こる。


「あほか!!……別に今日だけの付き合いやない。星系戦の時に聞きゃええやろうが!!それからお前ら二人。―――そう、ロリコンどもや。お前ら半径五メートル以内に近づくの禁止な」


 唖然とする変態二人に対して、ライデンは指をさしながら釘を刺した。


 ◇


「お、終わったか。お疲れさん」

「……はい」

「疲れましたぁ」


 たった五分とはいえ、多くの質問に矢継ぎ早に答えていたため凄まじく濃密な五分だった。


 だが、これでまだ終わりではない。


 兵士たちの質問タイムが終わった後、少し休憩をはさんでからアルトリアは『オ号低空強襲機』の操縦体験、メイビスは地上装備の説明をしてもらう予定になっていた。

 

 明らかに疲れの見えるアルトリアとメイビスに苦笑したレッドリーダーが労いの言葉をかけた。


「いいじゃねぇかよ。人気者で」

「勘弁してください。ねぇメイビス」

「私、正直依頼を受けたこと少し後悔しました」

「まぁ。そう言わないでくれよ。メイビスちゃん。—――それよりもホワイトリーダー。お前さん護衛用の機体はあるのか?」

「いえ?『海鷹』の『零戦』でも使おうかと思っていますが」


 唐突な話の転換に、アルトリアは特に考えることもなく答えた。


 頭の中はこの後に乗ることになっている『オ号低空強襲機』の事でいっぱいだ。

 数回しか乗ってはいないが、ある程度の操縦できるレベルにまではなっていると思う。だから、墜落して備品を破損するなんてことはない。……はずだ。


 そんな心ここにあらずなアルトリアを横目に見たレッドリーダーは、額に手を当ててやれやれと首を振った。


「んなことだろうと思ったぜ。プラズマエンジンを積んだ艦載機でお前が満足できるわけがないだろう。……ファリスにあるお前さん所のドッグに“相棒”を送っといてやったぞ」

「まさか、あれまだ持ってたんですか?」

「当たり前だろう?—――普通に考えて勝手に預かってる装備を破棄するわけがないだろう」

「あれ、かなり古いですよ?」

「十分知ってる。だが、やっぱりホワイトリーダーとしては“相棒”に乗られねぇとな」


 そういって、レッドリーダーは頬をクイッと上げた。


 ◇


 その後、アルトリアは『オ号低空強襲機』の操縦を操縦手たちが見ている中、披露する事になった。


 正直なところ、久々に操縦桿を握ったためまともに動かせるか心配だったが、以外にも体が覚えているのか、すんなりと飛ばせることができた。


 これで地上機を扱わせたら右に出る者はいない、という過大評価をしていた兵士たちの期待に少しは答えられたはずだ。

 とはいえ、さすがに畑違いの事もあり技術的にはアルトリアが学ぶことの方が多かった。


 メイビスの方は、両クランマスターの説明を聞きながら、地上装備の運用方法を指導してもらい他のプレーヤーとの交流も深めていた。


 特に『九七式中戦車』が気に入ったようで、目を好奇心で輝かせながら砲塔の車長席に座らせてもらっていた。


 操縦手もお調子者なのか、彼女を喜ばせるためなのか最高時速100キロで滑走路を爆走していた。その様子を、『オ号』で眼下にその光景をとらえていたアルトリアは、同乗していた操縦手に気づかれないようにため息をついた。


「そんじゃ、次会うんは星系戦当日やな」

「宜しく頼む」

「はい。バラセラバルでお待ちしてます」


 今度、彼らと会うのは二週間後の星系戦当日バラセラバル宙域になる。


 それまでに護衛空母『海鷹(かいよう)』や防空駆逐艦『羽風はかぜ』の装備の最適化や搭乗員の訓練など、アルトリアにはやることが散在していた。


 この後もすぐに高速移動装置(ポータル)を使ってファリスへと戻り、レッドリーダーが派遣してくれた【Collars】のNPCの受け入れ準備を行うつもりだった。


 メイビスも、【愛国者(パトリオット)】の新兵訓練(ブートキャンプ)に戻る予定になっていた。


「じゃ、メイビスも今日はここで」

「うん。いろいろ聞きたいことがあるけど……。また今度聞かせてね。アルちゃんも頑張って」

「わかった。メイビスもね」


 疲労感があるだろうにニコニコと笑みを浮かべるメイビス。アルトリアは自身の銀色の双眸に彼女の顔を映しながら頷いた。


 そして、二人はテンドンとライデンに見送られ、別々の高速移動装置(ポータル)の青い粒子の中に消えた。


読んでいただきありがとうございます。

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