生なんとか(200文字)
200文字小説デビューです。
生キャラメル食べたいです。
「なあ俺、前からずっと思ってたんだけどさ」
ある朝、隣をあるくそいつが言い出した。
「なんかさー《生なんとか》って妙に美味しそうだと思わない?」
「え。そうかな…」
「美味しそうだよねッ!?」
「はあ…例えば?」
「生クリームに、生ビール、生キャラメル」
「おぉ、まぁ、確かに」
「生肉、生唾、生コンクリート」
「…お…おぉ?」
「生ゴミ」
おれは道端に落ちているバナナの皮を指差しながらそいつに言った。
「…食ってみろよ」