王国騎士リオネル・グランツ
外では、魔獣たちがじりじりと店を囲み始めていた。
「みんな動くな…不安かもしれないがこれは王国騎士団の仕事…
彼は若いがなんとかしてくれるだろう…
1人だけだがなんとか…なんとかがんばってもらって…
なんとかならなかった場合は…勇姿をたたえよう。」
店長のゆっくりと静かな声が、
魔導ランタンの光よりも重く、店内に落ちた。
ミナちゃんは息を呑み、
ゴルダさんは巨大トングを握ったまま、
「(……店長、それ本気で言ってる?)」
と、目だけで問いかけてくる。
だが――
店長の視線は、ただひとり。
入口の外で震えながら剣を構える若い王国騎士を信じて見つめていた。
外では魔獣の群れが、
低い唸り声を重ねながらじりじりと包囲を狭めている。
騎士は振り返り、
店長の言葉を聞いてしまったらしい様子。
「えっ……えっ……!?わ、私ひとりで……!?
あ、あの……店長殿……? “なんとか”って……その……
なんとか……?」
声が裏返っている。
鎧の肩がカタカタと震えている。
剣先がぷるぷるしている。
それでも、
彼は逃げなかった。
魔獣の群れに向き直り、
深く息を吸い込む。
「……王国騎士団、第三分隊……新兵、リオネル・グランツ……!
任に……任務に……全力で……あた……あた……当たります!!」
叫びは震えていたが、その背中は確かに“覚悟”を帯びていた。
ミナちゃんが小声でつぶやく。
「て、店長……あの人……死ぬ気じゃ……」
ゴルダさんは腕を組み、
「まあ、若い頃はああやって無茶するものよ」
と、どこか懐かしそうに呟く。
外では――
魔獣たちが一斉に吠えた。
リオネル騎士の喉がごくりと鳴る。
読んでくれてあいしてる!
リオネル・グランツはイケメンです。




