お客様はどなた様?
そして――
店の自動ドアが、「ピンポーン♪」と再び鳴った。
今度入ってきたのは、王国騎士団の若い騎士。
鎧の肩には、魔獣の紋章が刻まれている。
「す、すみません! このあたりに“暴走した魔獣”が来ませんでしたか!?
追跡していたのですが……」
騎士は息を切らしながら店内を見回す。
「王国騎士団が魔獣を野放しにしないでくださいよーもう!
たった今追い出しましたけど、店の被害は王国に請求しますよ。」
魔獣を吹き飛ばした直後の店内。
鈴木店長の軽口が、まだ揺れている空気にぽんと落ちた。
◆王国騎士団の若い騎士の反応
騎士は一瞬、言葉を失ったように固まった。
額に汗を浮かべたまま、ぎこちなく笑う。
「え、えぇ……その……
ま、魔獣を追い出した……のですか、店長殿が……?」
視線が店内を泳ぐ。
割れていないガラス。
無傷の棚。少しだけ落ちた商品。
ホットスナックの香り。
そして、なぜか妙に落ち着いているゴルダさん。
騎士はさらに困惑したように続ける。
「……あの……王国への請求は……その……手続きが……非常に複雑でして……
できれば……その……ご内密に……」
ミナちゃんが、こっそり店長の袖を引っ張る。
「て、店長……あの人、完全に怯えてますよ……
なんか……かわいそうになってきました……」
ゴルダさんは腕を組んだまま、
「ま、魔獣撃退するコンビニ店長って変だしね。」
と、さらりと爆弾を落とす。
騎士はさらに青ざめた。
◆そして、追い打ちのように事件は続く。
店の外から――
ドドドドドドドド……!
と地響きが近づいてくる。
騎士が振り返り、叫ぶ。
「ま、まずい! “群れ”が来た!
あの魔獣、仲間を呼んだのかもしれません!!」
ミナちゃんが悲鳴を上げ、
ゴルダさんはトングを構える
騎士は剣を抜きかけ――
そして全員の視線が、店長・鈴木に集まる。
「緊急臨時閉店!!王国騎士を入り口の外に立たせろ!!
ゴルダさん魔導ドアを施錠!!ミナちゃん強盗警報作動だ!!」
◆クリスタルマート、臨時閉店モード発動。
店長・鈴木の声が店内に響いた瞬間、
空気が一気に引き締まった。
まるで戦場の号令のように、全員が一斉に動き出す。
「えっ、えっ!? わ、私が入口に!?
は、はいっ! 了解しました店長殿!!」
騎士は慌てて魔導ドアの外に飛び出し
剣を構える。
読んでいただきありがとうございます!
ゴルダさんは怪力です。




