表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ「クリスタルマート」  作者: らいすクリーム


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/15

王国広報局・文書管理課エリザ・フォン・ハルテンと王国広報局・記録映像課バルド・クレイン

店長が2人の前に立つと、

残された“王国広報局アルバイト”2名は

ぎこちない姿勢で直立不動になった。


背筋がピンッと伸び、

緊張で顔が引きつっている女性役人が一歩前へ。


「わ、わたくし、王国広報局・文書管理課所属エリザ・フォン・ハルテンと申します!」


声が震えている。


次に、眼鏡をかけた細身の男性役人が前へ。


「わ、私は、王国広報局・記録映像課バルド・クレインと申します!」


こちらも緊張で汗だく。

だがやる気はあるのかもしれない。


「防犯カメラ映像を解析して万引き犯を捕まえるのには

力を発揮できるかと思います!」


確かにそれはアリかもしれない…

王国の市民リストと照合してとことんやるか。


エリザ

「店長殿…!どうか、どうか我々をお導きください!」


バルド

「王国広報局の名に恥じぬよう、アルバイトとして誠心誠意働きます!」


店長(…いや、そこまでの覚悟はいらんのよ)


常連のおばあちゃん

「店長さん、また変なの増えたねぇ」


冒険者

「王国の人がバイトってマジかよ…」


子ども

「ねぇ店長、この人たちレジできるの?」


2人に制服を渡し、着替えてもらう。

バックヤードで制服を手渡すと、エリザとバルドの2人の

緊張感が増してくる。

店長が落ち着いた声で言う。


「大丈夫大丈夫。日頃利用してるコンビニの店員さんを真似すればいいだけ。

気負う必要はないよ」


その一言で、2人の肩が少しだけ下がった。


エリザ

「こ、これがクリスタルマートの制服…」


バルド

「お、おお意外と軽い…」


感動しているが

軽さは何かに関係あるのか…。


店長

「着替えたらレジ前に来て。まずは簡単な研修からね。」


2人

「は、はいっ!!」


エリザは制服がやたら似合っている。

真面目なタイプこその着こなしだ。

ただし表情は緊張でカチコチ。


バルドは制服のサイズが微妙に合ってない。

でも本人はやる気満々。


2人

「店長殿……!準備できました……!」


店長

「うん、いい感じ。じゃあ研修始めようか。

お客様が入ってきたらとりあえず挨拶は大事だからお願いね。


入ってきたら"ッシャッセー!"

お帰りの時は"シター!!"だから。」


嘘である。いつもは普通にしている。

だがエリザとバルドは、店長の言葉を「絶対の真理」 と受け止める。


エリザ

「“ッシャッセー!”…!?

こ、これが…この店の挨拶…!」


バルド

「“ッシター!”…!?

 帰りの挨拶は…こんなに力強いのか…!」


2人ともメモ帳を取り出し、

ガリガリと書き込んでいる。


エリザ

「店長殿、復唱いたします…!

入店時は――ッシャッセー!!」


バルド

「退店時は――ッシター!!」


2人

「……よし、覚えました!!」


◆そして実践へ


ちょうどその時、

魔導ドアが開き、常連のおばあちゃんが入店。


ウィーン


エリザとバルドが同時に息を吸い込む。


エリザ&バルド

「ッシャッセーーーー!!!!」


おばあちゃん

「ひぃっ!?な、なんだい急に元気だねぇ!?」


店長(とりあえず面白いからこのままでいいか)


レジと商品の補充、商品の前出し等の

店長のいい加減でも時々丁寧な研修を終え、

ついに――王国広報局アルバイト2名が

本格的にクリスタルマートの戦力として配置される時が来た。


◆配置完了:新生クリスタルマート


レジ担当:エリザ

制服は完璧に着こなし、姿勢も美しい。

ただし――


エリザ

「ッシャッセーー!!」


まだ店長の冗談を信じている。


常連のおばあちゃん

「今日も元気だねぇ……!」


エリザは手ごたえを感じている。


店内担当:バルド

棚の前で真剣な顔で並べ替えをしている。


「ポーションは色順…いや、効能順…?

店長殿はどう並べていたか!」


と悩みながらも、

棚は妙に几帳面で綺麗になっていく。


冒険者

「なんか今日、棚がいつもより整ってるな…。」


バルド

「書類整理と同じだ、出来る!出来るぞ!!」


レジの奥でコーヒーを飲みながら、静かに店を見守る店長。

ゴルダさんとミナちゃんは連れ去られて行ってしまった。

それでも代わりに来た広報局バイトは意外と優秀で回せている。


「…うん。こういう

店長がなにもしなくていいって時間が一番いいな。」


店長のその一言が、

クリスタルマートの“平和の証明”。


しかし突然


ドゴォォォォン!!


とありえない爆音とともに

魔導ドアが外れてドアごと店内に吹き飛ぶ。



読んでいただきありがとうございます!


クリスタルマートの制服は縦ストライプです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ