異世界コンビニ「クリスタルマート」開店
◆クリスタルマート・朝6時。
石畳の街路はまだ薄暗く、遠くの城壁の上で見張りの兵士が欠伸をしている。
店の前に吊るされた魔導ランタンが、青白い光で店内を照らしていた。
店内では――
新人のミナちゃん(24)が、眠そうな目をこすりながら品出しをしている。
ベテランのゴルダさん(50)は、黙々とホットスナックの補充をしている。
その背中は、なぜか戦場帰りの兵士のような風格すらある。
そして、店長である鈴木は、いつものように店内を見回していた。
そんな静かな朝に――
◆事件は突然起きた。
店の魔導ドアが、「ピンポーン♪」
と軽い音を立てて開いた。
だが、入ってきたのは“客”ではない。
巨大な影。
四つ足。
毛並みは黒く、ところどころに赤い魔力の火花が散っている。
目は、夜の奥底で光るような金色。
ミナちゃんが、棚の陰から小さく声を漏らす。
「…店長、あれ…魔獣じゃないですか……?」
ゴルダさんは、ホットスナックのトングを握ったまま微動だにしない。
その姿は、なぜか妙に頼もしい。
魔獣は店内をゆっくりと見回し、
まるで“何かを探している”ようだった。
そして――
レジの前で立ち止まる。
鼻先を近づけ、ホットスナックのケースをじっと見つめている。
……どうやら、クリスタルマート名物『ドラゴン唐揚げ棒』の匂いに釣られてきたらしい。
だが、魔獣が店内に入ってくるのは、さすがに営業妨害どころの話ではない。
ところで俺は異世界転生者
現在はこの世界でコンビニ「クリスタルマート」店長をやっている鈴木(35)
前世の世界で観たアニメの名場面を思い出す。
俺は両手に波動を込め…
「お客様とて許さん!!」と叫び
波動で魔獣を外へ押し出す!
中世ファンタジーのコンビニに
突然“波動”という概念を持ち込む鈴木
◆店長・鈴木、波動を放つ。
両手に集めた力が、青白い光となって膨らむ。
店内の魔導ランタンが一瞬だけ揺れ、ミナちゃんが
「えっ、店長それ魔法じゃないですよね!?」
と声を上げる。
ゴルダさんは、ホットスナックのトングを握ったまま、
「…あら?」
光が弾ける。
――波動。
空気が押し出されるような衝撃が走り、
魔獣は驚いたように目を見開いた。
次の瞬間、魔獣の身体がふわりと浮き、
店の外へ向かって吹き飛ばされる。
だがその圧ではガラスは割れてない。
なぜか割れない店長補正がある。
まるで“店長の攻撃は店を壊さない”という世界の理が働いたかのように。
魔獣は店の外の石畳に転がり、しばらく呆然としたあと、
尻尾を巻いて森の方へ走り去っていった。
そして店内に静寂が戻る。
ミナちゃんはぽかんと口を開けたまま。
ゴルダさんは腕を組んで、
「……店長あれ、どこで習ったの?」
と、少しだけ興味深そうに見ている。
そして――
店の自動ドアが、
「ピンポーン♪」
と再び鳴った。
拙い文章を読んでいただき
ありがとうございます(;ω;)感謝




