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第4話 初レベルUPと無口なオーディエンス

こんにちは。

3/11 1投稿目です。


現在スタバで執筆しています。

今日も3話投稿出来そうな気がします!

まだ太陽が昇っていなく、薄暗い朝にサササっと飛び出す一つの影。

半地下の秘密基地にそろりと入っていく影。


「ああ愛しい愛しい愛しのスライム達!」


大きくてを開き、ギラついた瞳で有名な絵本のセリフをオマージュする。

その顔はまるで恋人に会ったかの様に紅潮している。


「やっぱりリスポーンしてる」


さすがに起きないとは思うが、母親を起こさない様に小声なのが我ながら紳士的であり、好印象だ。

ぴちゃんぴちゃんと音を立てながら跳ねるスライムに近づき見下ろす。

何かを納得したように頷き、足を大きく振り上げスライムを踏み潰した。


バチュん!


踏み潰されたスライムは、身体が散り散りに飛散し光の粒子へ変換される。

何度見ても幻想的な光景に心が洗われていく。


『スライムを討伐しました』


「報告ありがとう」


ついに独り言もレベルUPし世界の祝福に対し返答をしてしまう始末だ。

いつもの独り言とは違う。歴とした会話なのだ。

決して、断じて独り言では無い!


「またねスライムちゃん後でまた来るよ」


ばっちりウインクを決めて秘密基地を後にした。

ここで分かったことを纏めようと思う。


秘密基地ダンジョンメモ

No1,スライムはリスポーンする。

No2,多分スライムを2匹(全部)討伐するとダンジョンを踏破してしまう。


以上が今まででなんとなく分かったことだ。

調べたい事が沢山ある、とりあえず一番大事なリスポーン時間を調べよう。

さすがに朝5時にやる事はないので再び布団に潜り込み目を閉じる。


ピピっ


設定された時間に人間を起こす為、アラームが鳴り響こうとしたが一瞬で止められ悲しげな音を出す。

興奮により8時きっかりに起きたカズキの仕業だ。

学校の日でもこんな早くアラームを止める事はない。


普段ならスマホでSNSや、携帯小説を見てダラダラするものだ。

しかし今日の俺は素早く起き上がりリビングに行く。

母さんは仕事に行った。これで心置きなくダンジョンの検証ができる。


「ダンジョン日和だ!」


人間は夜寝ている間にコップ1杯分の汗をかくらしい。

そんな豆知識を知ってからスッキリとした朝でも必ず朝シャワーに入るのが俺の日課だ。

それに愛しいスライム達に会いに行くのに汚い体では申し訳がない。

シャワーを浴びて心身共に清めたカズキは秘密基地へ歩を進める。


準備は万端だ、いざダンジョンへ参る!


スライムが2匹いた。

現在時刻は08時30分だ。3時間半の時間があれば確実にリスポーンするらしい。


「次は1時間後に来てみよう」


1時間後、寂しいことに秘密基地内には1匹しかスライムがいなかった。

とりあえずまた1時間経過したら確認しに来よう。

奥で大人しくしているスライムに投げキッスを放ちダンジョンを後にした。



バチュん!



『スライムを討伐しました』


時刻は10時30分、しっかりとスライムがリスポーンしていたので踏み潰し討伐する。

どうやら2時間でスライムはリスポーンするらしい。

一応1時間半でリスポーンするか確認しにきた時、スライムが1匹しかいなかった。

寂しさで狂いそうだった。


ああ、爽快感が堪らなく癖になりそうだ。


今は中学校がダンジョン化した事により、政府から侵入禁止エリア指定されたことで長期休暇中だ。

暇な時間が長く続いてしまうと思っていたが、謎多きダンジョンを調査し丸裸にする良い機会だ。

危険な事もあるかもしれないから安全第一を心掛けダンジョンと向き合っていこう。


◯●◯



バチュん





バチュん




バチュん



バチュん


バチュん


バチュん


バチュん


『レベルがUPしました』


2時間毎にスライムを潰していた時の事だ。

聞き慣れた世界の祝福が、初めて聞く音声を脳内に流し込んできた。

いつかこの音声を聞く事になると頭では理解していたが、実際に聞くとドーパミンが溢れ出る。

2日経過しスライムとダンジョンに向き合ってきたカズキは、10匹という2桁のスライムを討伐していた。


「ついに来た!レベルUPだ!」


佐倉和希  人間

LV:2

HP:1 

MP:1 

STR:3 

VIT:1 

AGI:1

SP:2


スキル一覧

無し         


おおおおお!少しだけステータスが上昇している。

でもよっわ……

まあなんであろうと目に見える成長は、テンションとモチベーションを上げる最大の起爆剤だ。


「10匹の討伐でレベルUPか」


次はどれくらいでレベルが上がるのか確認して、何匹倒せば経験値が貯まるのか数えておかなければならない。

喜びの舞をダンジョンの奥にいるスライムに対して披露する。


「………」


無口なオーディエンスだこと。


学校が始まるまでにレベルを沢山上げて体育の授業で無双し、あのパーフェクトイケメン野郎の幼馴染アツシより注目を集めてやるんだ。絶対に。


つい最近まで憧れの人の様に強くなり勇者になる!と声を大にしていた人間とは思えない不純な目標を掲げ、小さな小さなダンジョンを探索する冒険者。

彼が勇者と呼ばれるようになるまでの冒険が、ダンジョンの牙がゆっくりとゆっくりと人類へ食い込んでいく物語が進み始めた。


そんなことを気にする事なく人々は己の安全のみを考え、危険で面倒な事は誰かが対処してくれるはずだと他人任せな日常を過ごしていく。


寝る暇も惜しんで役人達がダンジョンと向き合い、ダンジョンと共存できる様になるのは、まだまだ先の話だった。


能天気な冒険者は伸脚をしてから秘密基地ダンジョンへ入り笑顔で言った。


「いざレベリング!」


自然と鼻歌が漏れ、歩くとスキップしてしまう。

なんて幸せなんだろうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。

3/10〜16の間は毎日2話投稿します。


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