表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アラサー魔術師のゆる~いハーレムライフ  ~異世界と現代を行き来してのんびり暮らします~  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/100

秘密

次の日。

 緊張の面持ちでパーティーハウスへと向かう俺を待っていたのは……。


「あらタイラー、おはよう」


 思っていたより様子の変わっていないエルザだった。

 ちょっとだけ面食らいながら中に入ると、そこにはアイリス達がそろい踏み。

 昨日いなかったウィドウもいて、ライザも含めて全員が顔の横に泡のエフェクトとかついてそうなくらい眠そうにしている。


「タイラー……」


「タイラーさん……」


 ウィドウとルルがじっとこっちを見ている。

 いつにも増して真剣な瞳だ。


 二人を制するように、後ろに座っているアイリスがこちらへ言葉を投げかけてくる。


「結論だけ言うと、タイラーは皆のタイラーってことになったから。だからこれからは私とウィドウとルル……三人とも大切にしなさいよ。誰か一人でも不幸にしたら、全員で愛想を尽かすから」


「お、おう……」


 どんな話し合いが行われたのかはわからないが……どうやらアイリスはきれいに話をまとめてくれたらしい。

 ウィドウ達を見てみるが、反対する様子もなく緊張した面持ちでこっちに視線を向けている。

 俺の都合の良い展開過ぎる気もするくらいなので、当然文句は何一つない。

 だがこれから彼女達と同じ時間を共有することになる俺としては、聞かずにはいられなかった。


「ウィドウ達は、それでいいのか?」


「正直に言えば……ちょっと複雑ではあるけど、でもアイリス達もタイラーも好きだから、だから大丈夫」


「皆と一緒にいたいですし……それに過ごしていくうちに、気にならなくなるはずです。おばあちゃんからもそう聞いてます」


 ルルから知ることになった衝撃の事実。

 師匠は重婚して、多夫一妻で幸せに暮らしたらしい。


 あの人は本当に常識に縛られないというか、なんというか……。

 もしかするとルル以外にも、師匠の孫や親族っているのかもしれない。


「愛されてるわね」


「あんまり茶化すなよ」


 エルザの軽口に、ウィドウ達が頬を赤らめる。

 後ろにいるアイリスの方も少し気恥ずかしそうにしていて、その向かいにいるライザだけがによによといやらしい笑みを浮かべていた。


「エルザさんがタイラーをうちに連れてきた時は、まさかこんなことになるとは思ってもみなかったよ」


「それは俺も同じだ」


 ガルの森の調査のために『収納袋』を持っている俺に声がかかって、そこから彼女達と親しくなって……まさか俺がアイリス達と付き合うことになるなんて。


 こうして俺はアイリス・ウィドウ・ルルの三人と付き合うことになった。

 付き合うことになった以上、彼女達とはこれまで以上に密接に関わることになるはずだ。

 深い関係になる以上、避けては通れないこともある。


 それは俺の――前世と今世についての話。

 その全てを明らかにして、それでも彼女達の気持ちが変わらなければ……その時は俺が責任を持って、彼女達を幸せにしてみせる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ