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アラサー魔術師のゆる~いハーレムライフ  ~異世界と現代を行き来してのんびり暮らします~  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


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社会

修正致しました!

以後気を付けます……ご指摘ありがとうございます!


 というわけで俺は再び、『戦乙女』の面々と一緒に旅をすることになった。


 基本的に彼女達の前では気を張る必要もないから楽だが、こっちもこっちでやることがある。


 今回の迷宮行は、正直どこまで続くかがわからない。

 『戦乙女』は可能であれば迷宮深部までの探索を依頼されていると言うことなので、一月二月とかかる可能性もあるらしい。


 それならばということで、しばらくの間会社を休ませてもらうことにした。

 今の会社にあまり未練はないので正直クビを切られる覚悟で出社したんだが、三田課長から予想外の反応が返ってくる。


「次はいつからならプロジェクトに入れそうなんだ?」


 課長は俺を怒鳴りつけたりはせず、あきれ顔をしながらもこれからの話をしてくれたのだ。


 どうやら俺も気付いていなかったのだが、四半期ごとの契約更新の時期が近付いていたらしい。


「あまり無理をしたくないってことだったし、アルバイトに変えたらどうだ? 一応最低限入っておけば、今と同じく社保つけられるように経理の連中に話はつけておいてから」


「……」


 たしかに契約社員としての仕事量を求められると、イラの街で何かあった時に俺は睡眠を削って回復魔法で無理矢理動かなければいけない状態だった。

 なので俺はお言葉に甘え、契約社員からパートに雇用形態を変えさせてもらうことにした。


「なんだ、俺がこんなことをするのが意外だったか?」


「はい、嫌われているものだと……」


「ははっ、お前は前よりずいぶんとあけすけな物言いをするようになったな」


 異世界とこっちを行ったり来たりしているうちにやや粗暴になった物言いをする俺にも、三田課長は怒鳴りつけたりしなかった。


「なに、お前くらい能力があるやつをアルバイトの時給で雇えるんだから、こっちとしても助かるくらいさ」


 いつもくどくどとした説教ばかり受けていたので知らなかったのだが、どうやら三田課長はなんやかんやで俺の能力を認めてくれているらしい。


 世の中に本当に悪い人間というのは、ほとんどいないのかもしれない。

 色々なストレスがかかって余裕がなくなるだけで、人の根っこの部分は善性でできているのだと、俺は思う。


 現代日本は、生き抜くには大変な場所だ。

 ディスグラドでも生活するようになった今、なおさらそんな風に思う。


 第一に普通の生活をする難易度が高すぎるし、社会そのものから受けるストレスだって並大抵のもんじゃない。


 サラリーマン道を道半ばでドロップアウトした俺が言うことではないかもしれないが、週五でフルタイムで働けているというだけで、めちゃくちゃすごいことだ。


 けれどそんな普通の生活をしても、それで当然だという風潮があり。

 誰からも褒められたりすることもなく、SNSで行われる幸せや金持ち自慢を見て、自分はなんてダメなんだと落ち込む。

 そりゃあデジタルデトックスなんて言葉が流行るわけである。


「飲み行きましょう、先輩!」


「今回は自分も一緒にいいですかね?」



 今日はただ会社に顔を出しにきただけなので、仕事をするつもりはない。



 帰宅しようとしていると、いちかと五反田から飲みに誘われる。

 まだ午後四時なので少し悩んだが、受けることにした。


 適当に漫喫で時間でも潰してから行けばいいだろ。


 こうやって慕ってくれる後輩がいることを、もう少し大切にした方がいいかもしれない。

 そんな風に思えるようになったのは、やっぱり心にゆとりができたからなのかな?


 まだ前世を思い出す前、俺はこのまま何も良いことなく死んでいくのかなと思っていたごく普通のサラリーマンだった。


 けれど少し視点を変えたり、ほんの少し視野を広げたりするだけで、世の中まだまだ捨てたもんじゃないと気付けたはずだ。


 だって課長も五反田もいちかも、今と変わらず俺の社会人生活に居てくれてたんだから。


(それに今回の迷宮行は、俺だってどうなるかわからない。別に俺は師匠と違って、何が起こっても生き残れる絶対強者じゃないんだから)


 危険にさらされる可能性があるからだろうか。

 俺は今という時間を、大切にしようと思うことができた。


 英気を養うためにいちか達に酒を飲みに行き、二次会でカラオケに行って熱唱した。

 二日酔いにならない程度に酒は抑えたので体調は万全だ。


 そして次の日、俺はテレポートを使い、久しぶりに『戦乙女』のパーティーハウスへと向かうのだった――。


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