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エッセイ

エスプレッソ豆を中挽きにしてペーパードリップで飲む ~コーヒー好きの深い沼 ~

作者: シサマ


 皆様おはようございます! シサマという者です。


 季節は秋を迎えましたが、私の住む北海道はもう、暖かいのは昼間だけ!

 朝晩ははっきり言って、肌寒いほどに涼しい毎日でありますね。


 「なろう」の秋、創作の秋とは良く言ったものですが(←今俺様が制定しましたが何か?)、涼しく長い夜にはホットコーヒーが恋しくなります。


 正直な所、平日の朝は時間に余裕がないし、取りあえず目覚まし&朝食流し込み液体としてコーヒーが消費されてしまう感は否めません。

 

 カフェインに弱い方もおられますので、コーヒーはモーニングコーヒーのみの需要、というライフスタイルの方も多い事でしょう。

 特にこだわりもなく、ズルズルと手近なコーヒーとの関係を続けてしまいがちですよね。


 ……最後の一文が妙に生々しく、不意に昔を思い出して胸が苦しくなってしまったので、足早に本エッセイのテーマを述べさせていただきます。


 「コーヒーの世界は一度ハマると底なし沼です。だが楽しい! 参考になるかどうかは分かりませんが、私のコーヒーライフを紹介させて下さい!」



 ……さて、こんなエッセイを書くのですから、私は当然、コーヒーが大好きです。

 豆から淹れたレギュラーコーヒーは勿論、粉末やポーションのインスタントコーヒー、更には一般のコーヒーとはもはや「別の文化」と言ってもいい缶コーヒー、ペットボトルコーヒーに至るまで、分け隔てなく楽しむ毎日ですね。


 しかしながら今回は、タイトルにもある通り、豆から淹れるレギュラーコーヒーにこだわりたいと思います。


 私は最近、輸入物のコーヒーにハマっております。


 ……ん? そりゃそうだろ。元来コーヒー豆は日本じゃ獲れないだろって?


 はい、確かにそうです。

 日本のスーパーやコーヒー専門店で扱っているコーヒーの大半は、輸入したコーヒー豆を「日本で焙煎、或いは抽出や加工までを行った」ものです。


 「結局、コーヒーってのは焙煎なんだよ! 豆の鮮度や品質は確かに重要だが、産地や銘柄なんて、味に大した影響はねえんだよ!」


 ……というお言葉を、とある知り合いのコーヒー店主からいただいた私は、人生も折り返しを過ぎた今、コーヒーに新しい刺激を求めて、幼い頃からすっかりマンネリ気味に慣らされてきた「日本で、日本人の手によって焙煎されたコーヒー」からの脱却に挑みました。


 私の住む北海道釧路市は、小さな田舎町なので、海外で焙煎や加工まで施された輸入物のコーヒーは殆ど扱われておりません。

 やむなく頼るのは「通販サイト」です。


 試しに最大手のサイトを覗き、「コーヒー 輸入物」で検索すると、おお! 出てくる出てくる!


 そこで私の目にとまったのは、イタリアのコーヒーでした。

 コーヒー産出国から輸入した豆を、イタリアで、イタリア人が焙煎したものですね。


 元来コーヒーの焙煎ジャンルとして、深炒りの「イタリアンロースト」というものがあり、苦味やコクを愛するコーヒー好きには人気の定番ですが、伝統に裏付けされた「本物の」イタリアンローストを、私も飲んでみたい……。


 その情熱に突き動かされた私は、何の予備知識もなく、パッケージのお洒落さが目についた『KIMBO NAPOLITANO』というコーヒー豆をポチってしまったのですっ!!!


 ちなみに、通販サイトからの購入という事で、コーヒー豆の鮮度には若干の不安がありました。

 ですから、粉に挽かれたレギュラーコーヒーではなく、あくまで豆のままのものを、自宅で挽く事を選択した訳ですね。



 ……そして、遂に到着した『KIMBO NAPOLITANO』!

 

 豆250グラムで1250円(当時)。

 輸入コストがかかっているとは言え、日本のコーヒー豆と比べてみると、決して安い買い物ではありません。


 どうやら、モンテ物産という日本の会社が貿易商になっている様ですね。

 貼り付けられた日本語のラベルは、『キンボ ナポリ』と、イタリアン風情台無しなオモロ片仮名表記にされていました。


 意気揚々と、我が家伝承の50年モノ電動ミルで『キンボ ナポリ』を挽こうとしたその時、私はこの豆がエスプレッソ用だと初めて知ったのです!


 コーヒー好きならご存知だと思われますが、エスプレッソとは、イタリアが発祥と言われる有名なコーヒーのジャンルで、深炒りの豆を細かく挽き、少なめのお湯で豆に高い圧力をかけて素早く抽出する事により、旨味を凝縮させたコーヒー。


 エスプレッソを淹れる場合、専用のエスプレッソマシンが必要であり、エスプレッソ用のコーヒー豆を一般的なペーパードリップや普通のコーヒーメーカーで淹れた場合、苦味やえぐ味が強くなってしまう……という一般認識がありました。


 くっ……エスプレッソマシンを持っていない私は、本物のイタリアンローストを味わう事は出来ないのか……と、一瞬加齢とは意地でも無縁の膝折れに襲われましたが、そこはまだ豆の状態。

 エスプレッソの常識に逆らう、中挽きにすればバランスが取れるはずだ!


 1回目のテイスティングは、試しに粒にばらつきが出る程の粗挽きで淹れてみました。


 ……これは……香りが違う!


 深炒り豆ですから、取りあえず香りだけはいいだろうと思いましたが、ダークチョコレートみたいな、甘くて深いいい香り。

 これが、イタリアンローストの伝統なのか……!?


 ただ、ちょっと粗挽きし過ぎたのか、色味は濃いのですがコクがありません。

 苦いけど厚みのない、ブラックの缶コーヒーみたいな味になってしまいました。


 続いては、少し細かめの中挽きに。

 電動ミルの刃が空振りを始める音の変化を感じて約3秒後……みたいなタイミングですね。


 中挽き完成。

 イタリアンエスプレッソには砂糖を入れるのが一般的とあって、通ぶらずに少し砂糖を入れて、2回目のテイスティング。


 めっちゃうまい!


 深い香りとコク……ペーパードリップで淹れてもえぐ味はありません。

 

 また、深炒りで酸味が殆どないせいか、砂糖の存在感が分かりやすく、ダークチョコレートの様な風味がある事からも、コーヒー砂糖にこだわってみれば更なる味の拡がりが期待できます!


 パッケージをよく見ると、『KIMBO NAPOLITANO』はKIMBO社のコーヒー豆13種類の中で10番目のグレード、つまり、焙煎の深さで言えば4番目なのです。

 この豆は、エスプレッソ用と謳いながらも様々な抽出方に対応した優等生と見て良いでしょう!


 「濃いめのコーヒーが好きだけど、炭焼コーヒーは焦げ臭くてイマイチ」という方には絶対のおすすめですね!

 暫く他のコーヒーが飲めなくなるレベルですよ!


 尚、KIMBO社のNAPOLITANOには、白パッケージ(←ユベントス?)と赤黒パッケージ(←ACミラン?)があります。

 私が飲んでいるのは白パッケージですので、赤黒パッケージの味は保証出来ません。

 

 いずれは、NAPOLITANOもサッカークラブ、ナポリのカラーであるスカイブルーになって欲しいと、サッカーファンの私は切に願います。


 

 結論:コーヒーは焙煎だ、という一説には説得力がありました。

 

 日本で、日本人が焙煎したコーヒーは、国民性もあるのか万人向けで、誰が飲んでもまずくはないものの、際立つ売りもない印象。

 裏を返せば、それが日本の築き上げた伝統と信用とも言えますね!


 そして、焙煎は勿論の事、豆の挽き方で味はかなり変わります。

 コーヒーミルを買うお金、豆を挽く時間など、クリアすべきハードルがある事は確かですが、大した額や時間ではありません。


 まずは、いつも飲んでいる豆の挽き方を変えてみる。

 

 深炒り豆の苦味、浅炒り豆の酸味を意識してみる。

 

 世界のコーヒーの伝統、そして海外の人々の暮らしに想いを馳せ、輸入物コーヒーにチャレンジする。


 コーヒー好きの沼は底なしです!


 


 


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― 新着の感想 ―
[気になる点]  ――国産コーヒ豆の存在を忘れないで下さい……(涙  実は、国内でも細々とコーヒ豆の栽培は行われているんですよ、滅多に手に入りませんけどね。 [一言]  コーヒは秋の夜長の友ですよね。…
[一言] コーヒーは確かにハマると沼ですね。 自分も一時期ハマって、豆からハンドミルで挽いて淹れてました。 だけど自分の場合、豆や焙煎ではなく、抽出法をいじるという、多分珍しいハマり方をしてました。…
[良い点] 興味深いエッセイ! ひいてもないのにひいた気になれるっ [一言] 私は近所のカフェでコロンビアを飲んでますっ(*´ω`*)
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