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レッドデビル  作者: toyocat
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第八章 詩穂、春樹とデートする

ある日、池永春樹から、「杉山さん、お淑やかそうですが、先日の体育授業で男性体育教師をレスリングで倒したそうですね。もっぱらの噂ですよ。運動神経もいいのですね。私も勉学とスポーツの両方に自信があります。以前から声をかけようと思っていましたが、その勇気がなく、今日は思い切って声をかけました。今日の帰りに喫茶店に行きませんか?色々とお話しがしたいので。」と誘われた。

私は喜んで了承して浮かれていた。

春樹が詩穂に声を掛けてデートに誘っている様子を見ていた不良グループリーダーの瀬川貞一の指示で動きがおかしい事に晴美が気付いた。

気になり、しばらく様子を見ていると、その不良グループが春樹を連れ出した。

晴美は一人ではどうにもならないので、レッドデビルの力を借りようとした。

詩穂に知らせに行くと浮かれていた。

「詩穂、浮かれている場合じゃないわよ。春樹が詩穂に声を掛けてデートに誘ったと知った不良グループに連れ出されたわよ。何もなければいいけれども、リンチされる可能性もあるわよ。」と春樹の事が心配でレッドデビルの力を借りようとした。

「春樹からデートに誘われたと大きな声で言わないでよ。みんな見ているじゃないの!誰が誰とデートしようが自由じゃないの!なんで私とデートしたら連れ出されてリンチされるのよ。それだと私は一生結婚できないじゃないの。」と理解に苦しんだ。

「えっ?詩穂、結婚するつもりなの?」と狂暴なレッドデビルは結婚しないと思っていたので、思わず口に出してしまった。

「当たり前じゃないの!どういう事なのよ!」と立ち上がり、晴美を小突いた。

「狂暴なレッドデビルが結婚すると聞いて、思わず口に出してしまったのよ。ごめん。詩穂は男性たちの間でマドンナとして人気があるのよ。そのマドンナが狂暴なレッドデビルだとも知らないでね。そんな事より早く春樹を助けてよ。」とその理由を教えた。

弘子たちにも伝えた。

真由美が、「なぜ尾行しなかったのよ。詩穂や私たちへの連絡はラインで充分よ。春樹になにかあったらどうするのよ。」と慌ててみんなで手分けして春樹を捜した。

晴美の予想通り、体育館の裏で不良グループにリンチされている春樹を見つけた。

晴美に携帯で、「体育館の裏よ。みんなに知らせて!」と伝えた。

不良グループの人数が多く、一人で飛び出すのは無謀でしたが、春樹がリンチされていたので冷静さを失い、「何しているのよ!そんな大勢で卑怯じゃないの!」と晴美たちを待たずに春樹を助けようとした。

    **********

「マドンナに見つかってしまった。マドンナもやっちまおうぜ。」と襲ってきた。

春樹が、「詩穂さん、逃げて!誰か呼んできて。」と焦った。

最初は油断して、「逃がすか!裸にして、楽しませてもらうよ。」と一人で襲ってきた。

私はその不良を、「なにが裸よ!このウルトラH!」と簡単に倒した。

他の不良たちが、「おまえ、マドンナに鼻の下を伸ばすからやられるんだ。抵抗する気か?体育教師をレスリングで倒したらしいな。俺たちには通用しないぜ。無駄な抵抗はやめろ。」と同時に襲ってきた。

人数が多く手加減する余裕がなく数人気絶した。

携帯で連絡を受けた晴美たちが近くまできて、争っている物音に気付いてみんな来た。

不良グループのリーダー貞一に、「そんな大勢で襲うから、レッドデビルも手加減する余裕がなかったんだ。襲った相手が悪かったとあきらめるのね。」とレッドデビルにやられて倒れていて抵抗力がなかったので、いつもの恨みを込めて蹴った。

「マドンナの杉山さんがレッドデビルって本当か?」と蹴った足を持って、起き上がって、あげた。

「キャー、H!」とスカートがめくれないように、必死で押さえた。

春樹を介抱していた私は晴美の悲鳴で駆けつけて、「何しているのよ!先ほどもそうだけれども、なんであなたがたはそんなにHなのよ!」と飛び蹴りして止めた。

晴美は吹っ飛んだ貞一を見て、「レッドデビルに病院送りにされたくなかったら立ち去れ!このスケベ野郎!」と蹴って追い払った。

「晴美のパンツは白だった。」

「ああ、俺も見たよ。しかし、マドンナに飛び蹴りされるとは思わなかったよ。」と笑いながら逃げた。

晴美はパンツを露出させられて恥ずかしそうだった。

「ありがとう詩穂、助かったわ。」とホッとした様子でした。

私たちは、春樹を保健室に連れて行った。

春樹は運動神経が発達していて、受け身もしっかりできていたので大したけがもなく、その後の授業にも出席可能だったために全員ホッとした。

    **********

下校時、春樹は、「杉山さん、約束したように喫茶店に行きましょう。」と誘った。

「大丈夫なの?今日は早く帰って休んだほうがよくないですか?」と春樹を心配していた。

「心配してくれてありがとう。大丈夫ですよ。保健室の先生も、授業に出席しても大丈夫だと言っていたでしょう?行きましょう。」と二人で喫茶店に移動した。

喫茶店で春樹は、「杉山さん、今日は喫茶店に一緒にきてくれてありがとう。杉山さんもスポーツ万能で体育教師をレスリングで倒したと聞きましたが、あんなに強かったのですね。石川さんが言っていましたが、杉山さんがレッドデビルって本当ですか?私はその方面に詳しくありませんが、レッドデビルって女子プロレスラーですよね?」と信じられなくて確認した。

「晴美ったらお喋りなんだから。ばれちゃったわね。私はレッドデビルとしてうっぷん晴らしをして、普段はお淑やかにしているのよ。親が、家柄がどうだとか女の子はお淑やかにしないといけないだとかうるさいから。」とあきらめてレッドデビルの正体を教えた。

その後、晴美の事や真由美の事など色々と雑談して帰った。

翌日高校で晴美から、「詩穂、春樹とのデートはどうだった?」と冷やかされた。

順子達が、「えっ!?詩穂、春樹とデートしたの?」とみんなから冷やかされた。

「手は握ったのか?」

「ホッペにキスはしたのか?」

「キスは口だろう!接吻はしたのか?」

みんなから冷やかされたので、「喫茶店で雑談しただけで手も握ってないわよ。何もなかったわよ。」と変な噂が広まらないように慌てて否定した。

晴美が、「そんなに顔を赤くして否定しなくてもわかっているわよ。冗談よ。」と笑っていた。

その話を聞いていた春樹が、「そんな事をしたら、レッドデビルに半殺しにされるからできないだろう。」と笑っていた。

    **********

数日後、春樹は晴美に、「先日、杉山さんがレッドデビルだといっていましたが、レッドデビルって女子プロレスラーのレッドデビルの事ですか?昨日テレビで女子プロレスの試合中継があり、始めて女子プロレスの試合を見ました。確かに、体系も声も杉山さんとそっくりでした。お淑やかな杉山さんが反則もして、あんな狂暴な女性だなんて嘘でしょう?」と信じられなくて確認した。

「詩穂が不良に飛び蹴りした様子を見たでしょう?それでも信じられなかったら証拠を見せてあげるわ。来週もレッドデビルの試合があります。一緒に観戦して、試合終了後レッドデビルの控室に行きましょう。」と誘った。

晴美は私に内緒で、レッドデビルの試合に春樹を連れて行った。

春樹はレッドデビルの試合を直接見て、「レッドデビルって、あんなに狂暴なのか。直接見ると迫力あるな。本当に杉山さんですか?」と信じられない様子でした。

晴美は、「百聞は一見に如かずよ。先日言ったように、試合終了後レッドデビルの控室に行きましょう。」と春樹を誘った。

春樹は、「先日も控室に行くといっていましたが、私はレッドデビルと親しくないのに控室にいってもいいのですか?」と狂暴なレッドデビルの控室に入ることにビビっている様子でした。

晴美は、「二人はデートまでした仲だから大丈夫よ。」と春樹を強引に控室に連れて行った。

晴美は、「詩穂、今日はお客様を連れてきたわよ。」と控室の外で、おどおどしている春樹を強引に控室に連れ込んだ。

レッドデビルの控室で春樹は、「ほんとうに杉山さんですか?しかし杉山さんが、あんなに狂暴だとは思わなかったよ。」とレッドデビルの狂暴さに驚いている様子でした。

私は覆面を脱いで、「もー、晴美、春樹を連れてくるなら言ってよ。」と恥ずかしそうでした。

「春樹を連れてくると言ったら、あんなに狂暴にならなかった?春樹、詩穂の正体見たでしょう?詩穂と結婚して夫婦喧嘩すれば殺されるわよ。」と私を見て笑った。

「ちょっと、二人とも何勝手な事を言っているのよ。」とこれ以上妄想が膨らまないように止めた。

その後、シャワーを浴びて着替えるために春樹を後ろ向かせた。

私がシャワーを終えて出てくると晴美が、「春樹、こっち向いたら詩穂に殺されるわよ。詩穂は今素っ裸だから。」と笑っている中、私は着替えた。

着替え終わると春樹が、「こんなかわいい服を着た女性が、あの狂暴なレッドデビルだとは想像できないな。」ともの珍しそうに私を見ていた。

真由美が、「詩穂が、かわいいブリッコ服を着ているのは、ここに雑誌記者が来てもレッドデビルは帰ったとごまかせるからよ。帰りもマスコミやファンに気付かれずに帰れるしね。私たちが一緒にいれば、ただの女子高生グループだと思うでしょうね。だから試合の日、詩穂はブリッコ服かセーラー服かのどちらかよ。」と服の事を説明した。

その後、試合の事などは春樹を含めて雑談して一緒に帰った。

    **********

翌日から晴美たちは交代で、春樹を襲った不良少年たちを見張っていて、春樹を襲う兆候があればすぐに詩穂に知らせていた。

不良少年たちは、高校で春樹をリンチしようとしても、すぐに詩穂が来るために、放課後学外でリンチする計画を練っていた。

そんな中、春樹を襲った不良少年たちは、晴美たちに見張られている事に気付いた。

「おい、晴美たちのスケバングループの誰かがいつも俺たちの近くにいないか?春樹を校内で襲おうとしても詩穂がすぐに来るのは、あいつらが詩穂に告げ口しているのではないか?先日も春樹を連れ出そうとしている時に近くで弘子が携帯で電話していたぞ。」

「そうか。そう考えると、春樹を襲おうとしても詩穂がすぐにくる理由が納得できるな。放課後、学外でリンチしようとしても無駄だな。俺たちは目をつけられているので、別の不良グループに依頼しよう。詩穂とデートした事を告げれば引き受けるだろう。」と相談していた。


次回投稿予定日は、6月24日を予定しています。

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