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レッドデビル  作者: toyocat
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第七章 陽子の正体判明する

ある日、バイクでツーリングに行くことになった。

晴美が、「先日言ったように、陽子さんもツーリングに誘おうよ。真由美、陽子さんに連絡して。」と陽子をツーリングに誘う事にした。

真由美は、「わかったわ。その前に、みんなのスケジュールを教えてよ。」とスケジュール調整しようとしていた。

みんなのスケジュールを確認して陽子に連絡した。

陽子と色々と打ち合わせて、日程調整した。

真由美が、「次回のツーリングだけれども、陽子さんとも相談して、来週の土曜日にしたわ。陽子さんも友達とツーリングする予定だったらしいわよ。その友達を連れてくるから一緒にツーリングに行こうと言っていたわ。」と日程調整結果を全員に伝えた。

ツーリング当日、集合場所で待っていると陽子は後部座席に友達を乗せてきた。

陽子は、友達とバイクから降りて、「紹介しなくても知っているわよね。」と連れてきた友達の事を説明した。

陽子さんの知り合いは知らないし、タレントかな?とみんなで誰だろうと陽子の連れてきた友達に注目した。

ヘルメットを外した。

晴美が、「えっ!?総理大臣直属の第四秘書?」と予想外の人物に驚いた。

真由美が、「先日はお世話になりました。今日はよろしくお願いします。」と挨拶した。

「こちらこそよろしくお願いします。皆さん、陽子ちゃんの友達なのよね。陽子ちゃんから、ツーリングは女ばかりだから一緒にツーリングにいこうと誘われました。私は陽子ちゃんと違い、バイクには乗らないので後部座席で失礼させていただきます。」と自己紹介した。

陽子は、「だから、車の運転もカーブの曲がり方がへたくそなのよね。そのうちに事故を起こすわよ。」と笑った。

「うるさいな、ゆっくり走れば大丈夫よ。」と不満そうでした。

「そんな車が前を走っていると渋滞するのよ。後ろから車がくれば、左に寄って止まり、後ろの車を先に行かせる事を推奨するよ。」と笑っていた。

二人が険悪な雰囲気になってきたので真由美が、「それじゃ行きましょうか。ツーリングに慣れている陽子さんに休憩のタイミングなどを任せるわ。先頭でお願いします。」と話題を変えた。

    **********

ツーリングに一番慣れていて、休憩のタイミングなど上手なので、陽子が先頭でツーリングを開始した。

ツーリングの途中でレストランに入った。

真由美が、「レストランはほかにもいろいろとありましたが、このレストランにした理由は何かあるのですか?」と今後の参考にしようとした。

陽子は、「知らない土地でおいしいレストランを捜すのは、詳しい人の行動を参考にすればいいのよ。つまり、トラックの運ちゃんだとかタクシーの運ちゃんはおいしいレストランをよく知っているわ。トラックやタクシーが多く停車しているレストランにすれば間違いないわ。いままでのレストランには乗用車が多く、トラックやタクシーがあまり停車していなかったので避けたのよ。ここはトラックが多く停車しているでしょう?だから、ここにしたのよ。」とこのレストランを選んだ理由を説明した。

晴美は、「なるほどね。陽子さんに休憩のタイミングを依頼して正解だったわ。ほかにも色々と教えてね。」とツーリングに慣れている陽子に、いろいろと教えてもらおうとしていた。

陽子は、「わかったわ。そのほかにもいろいろとあるので、その都度教えるわ。話は変わりますが、先日真由美さんから聞きましたが、皆さん、そろそろ修学旅行らしいですね。どこに行くの?」と雑談を始めた。

「京都です。観光バスで回るのではなく、四人ずつのグループを作り、それぞれ高校が契約した貸し切りタクシーで回ります。」と説明した。

「メンバーは毎日変えるの?それとも同じメンバーなの?」と確認した。

「修学旅行中は同じメンバーよ。メンバーを変えれば、あるメンバーが金閣寺に行きたいと希望しても、別のメンバーが金閣寺は昨日行ったなどと、色々問題が発生するためよ。」と説明した。

「なるほどね。でも、面白い事をする高校ね。なぜ、そんな事をするの?先生の目が行き届かないので、さぼる生徒も出てくるのではないの?」と不思議そうでした。

「生徒の自主性を伸ばすためよ。修学旅行前から、みんなで京都の事を色々と調べて、当日タクシーの運転手さんの意見も聞きながらまわります。こうすれば生徒のためになります。確かに、陽子さんが指摘したように、喫茶店などでさぼって、レポートは京都の観光案内を参考にして適当に書く生徒もいると思いますが、それより生徒の自主性を重んじる高校の判断よ。それに、最後にタクシーの運転手さんの意見も聞くと予め生徒に伝えておけば、さぼる生徒は少なくなるわ。」と説明した。

「なるほど、そういう意味があるのですか。私も京都旅行した事があります。神社、お寺が有名ですけれども芸者も有名です。有名な芸者を知っていますので紹介しましょうか?」と確認した。

「ぜひ、お願いします。」と芸者に興味がある様子でした。

「そういえば去年の修学旅行で、観光案内を参考にしてレポートを作成した生徒がいて先生から、この建物は修学旅行の一週間前から修復中で、現在立ち入り禁止のはずだが、どうやって入ったのだ?と指摘されてばれた生徒がいたと聞いたわよ。それで今年からはレポートには写真が必須となったのよ。」と全員で大笑いした。

そのほか、陽子さんはどんな人なのか、総理大臣のお嬢様だとか、刑事だとか、素性を色々と考えていた事を説明した。

第四秘書の泉が、「陽子ちゃんは、総理大臣のお嬢様で正解よ。ね、じゃじゃ馬娘さん。自分も総理大臣直属の秘書なのに、厄介な問題は全部人に押し付けるんだから。先日の詐欺師の話も、そんな話があるのかないのか全秘書に確認したのよ。」と笑っていた。

「じゃじゃ馬で悪かったな。泉は俺の助手じゃないか。助手にできる仕事をまわしただけだ。でもわざわざ確認しなくても、総理大臣が不良少女の事で動かないだろう。要領悪いんだから。」とすねた。

「それだったら、人に頼まず直接真由美さんに返事すればどうなのよ。」とふくれた。

二人が険悪な雰囲気になってきたので、「厄介な問題を頼んで申し訳ございませんでした。」とその間に入り、多忙な総理大臣直属の秘書の手を煩わせた事を謝った。

仕事を押し付けたと聞いて、「それぞれ、秘書の仕事の内容は決まってないのですか?」と不思議そうに確認した。

「決まっているわよ。陽子ちゃんは総理大臣の護衛がメインの仕事だから、刑事のような仕事もしているわよ。だから刑事かもしれないと思ったのよね。総理大臣の秘書の中で、けん銃を携帯しているのは陽子ちゃんだけで、今もけん銃を携帯しているわよ。私はそんな陽子ちゃんの助手よ。」と補足説明した。

晴美が、「先ほど、陽子さんの脇腹のあたりに何か硬い金属のようなものを感じましたが、まさか、それってけん銃ですか?仕事中でなくてもプライベートでも携帯しているのですか?」と不思議そうでした。

陽子は、「晴美さん、鋭いわね。そのとおりよ。プライベートの休日でも、スケジュールは総理大臣に報告しています。急に調査が必要になれば緊急連絡が入る事もあります。ですから、私たちは急にツーリングから抜ける可能性もあります。」と休日でもけん銃を携帯している理由を説明した。

陽子に緊急呼び出しもなく、ツーリングも無事終わった。

集合場所まで戻り、そこで解散した。

陽子は総理大臣のお嬢様だと判明し、全員すっきりした。

    **********

やがて、修学旅行の時期がきた。

お寺や神社以外に、陽子に紹介して頂いた芸者に会って、芸者の事など詳しく聞いた。

陽子から紹介して頂いた芸者の鶴千代から意外な事を聞いた。

「それと真由美さん、先日息子から電話がありました。男性に、女性は生理や出産の時に出血が多いと説明してもわからないわよ。」と意外な事を聞かれた。

「えっ?それって、まさか警視庁の高木刑事は・・・」と信じられない様子でした。

「私の長男よ。」と鶴千代から聞いて、全員驚くとともに世間は狭いなと感じた。

修学旅行も無事に終わり、レポートを確認した担任の井坂先生は、「そうか、京都では芸者も有名だな。他の教師に聞いたが、鶴千代さんは人気芸者らしいな。金銭面は大丈夫だったか?あとで、高校に請求書を郵送してこないか?」と金銭面の心配をしていた。

真由美が、「はい、大丈夫です。私の知り合いが鶴千代さんの事を知っていて、紹介して頂きましたので。」と説明して先生を安心させた。

不良少年グループが、「芸者は色っぽかったか?俺も芸者と遊びたかったな。」と残念そうでした。

晴美が、「このスケベ野郎!芸者の話を聞いたのは女性だから、色っぽかったかどうかなんて見てないわよ。芸者の事を教えてもらっただけで遊んでないわよ。」と純粋に芸者の事を調べただけだと主張した。

同級生が、「芸者の話を聞いたのは、石川さんたち活発なグループと、杉山さんたちお淑やかなグループの二グループだけです。レポートはあとでよませてもらうとして、何かおもしろい話はありませんでしたか?」と普段接する事のない芸者について知りたそうでした。

晴美が、「そうね。芸者はかつらだと思っていたら、京都は芸者の本場だから、かつらではなく実際に髪を結っている芸者もいたわよ。花街には髪結いさんもいたので、実際に髪を結っている様子を、動画撮影してきました。あとで見せてあげるわね。」と実際に髪を結っている芸者もいる事を説明した。

「風呂に入って髪を洗えば、その都度髪を結うの?」と不思議そうに確認した。

「個人差はあると思いますが、ほとんどの芸者は、一度髪を結えば一週間は髪を洗わないそうよ。寝るときは時代劇のような高枕で寝るそうよ。」と芸者から聞いた話を説明した。

真由美が、「大石内蔵助が討ち入り計画を見抜かれないように、討ち入りまで京都の花街で毎晩ドンチャン騒ぎをして世間を欺いていたそうよ。そのお店は四条通に面していてまだ健在だったわ。」と討ち入りに関連した説明をした。

京子が、「花街のお茶屋は一見さんお断りと聞いたので、お高くとまっているなと確認すると、お茶屋では料理を作ってないそうなのよ。仕出し屋で作っているそうなのよ。一見さんだと客の好みが不明なため断っているそうです。ですから、最初は誰かといっしょにいって紹介して頂くそうよ。」と説明した。

同級生は、「芸者とは気付かなかったわ。私も芸者に会いたかったわ。ところで真由美、京都に知り合いがいるのでしたら、それ以外に何か穴場はなかったの?」と興味本位で聞いた。

真由美は、「四国の四十八か所巡りは有名ですけれども、そのミニチュア版が京都にあると聞いていったわ。迷わなければ三十分程度、迷っても二時間はかからないと聞いたのでね。近所の人はそのコースでよく散歩するらしいわよ。仁和寺の裏がスタート地点だったわ。」と穴場を紹介した。

「そんなところがあったの?ゴールはどこなの?変なところにでて迷子にならない?」と心配していた。

「ぐるっと回って元に戻るのよ。」と迷う事はないと安心させた。

「私も真由美のグループに入ればよかったわ。」と修学旅行前に、色々と話を聞くべきだったと残念そうに後悔していた。


次回投稿予定日は、6月18日を予定しています。

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