表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッドデビル  作者: toyocat
18/18

第十八章 詩穂、正義の味方になる

ある日、練習終了後、私は良子と晴美と千代子と一緒に帰っていた。

途中で不良少年に絡まれた。

晴美が、「千代子、あの二人に任せましょう。」と二人さがった。

案の定、二人は不良たちを簡単に撃退した。

晴美が、逃げ帰った不良の様子が不自然だった事に気付いた。

私は晴美がいない事に気付いて、「千代子、晴美は?」と確認した。

「元スケバンの勘で、あの不良の様子が不自然だと言いながら尾行して行ったわよ。」と説明した。

「も~、晴美は昔から手がかかるんだから。でも晴美の勘はよく当たるのよ。」と晴美の勘を信じて、晴美のあとを三人で追った。

晴美が戻ってきた。

「晴美、あの不良の様子が不自然とは、どういう事なの?」と確認した。

晴美は、スマホで撮影した動画を見せて、「あの不良が詩穂たちと争っている時、誰か出てくる予定のようでキョロキョロしていたわ。それであとをつけるとビンゴだったわ。スマホで撮影した写真を見て。このイケメンの指示で私たちを襲ったそうよ。タイミングを見計らかって適当なところで出てきて、私たちを助けて恩を売って私たち四人の誰かに近づこうとしたようよ。でも、そのイケメンが飛び出す前に、二人とも不良たちを撃退したから、助けるタイミングを逸したようでした。」

「良子、面白そうね。このイケメンが近づいてきたら付き合ってみようか。」

「そうね。変な事したら懲らしめてやろうよ。」

「晴美に近づいたら私が護衛して、千代子に近づいたら良子が護衛して。」と四人で盛り上がっていた。

数日後、そのイケメンが千代子に声掛けしてバーに誘った。

バーに入ってから千代子はトイレに行き、そこでラインで三人に知らせた。

三人とも変装して、知り合いを装って、千代子から連絡のあったバーに向かった。

千代子がトイレから戻り、水割りを注文した。

トイレで時間稼ぎしたのに、会長、まだ来てくれないわ・・・と不安そうでした。

良子が千代子から連絡のあったバーに到着すると、すでに閉店していた。

良子はラインで事情を説明して、「GPS機能で千代子の携帯を検索すると、ここにいるわ。千代子が危険だわ。携帯を詩穂と通話状態にして乗り込むわ。」と携帯を詩穂と通話状態にして、覆面をしてブラックデビルの姿で窓ガラスを割って乗り込んだ。

電話を受けた詩穂は、会話を録音した。

千代子は睡眠薬で、意識がもうろうとしていた。

千代子は、窓ガラスが割れる音でブラックデビルに気付いて、「助けて!睡眠薬を飲まされた。」と告げて意識を失った。

良子は、「この娘に何を飲ませたの?この娘は私が連れて帰るわ。」と迫った。

バーテンダーが、「おい、みんな出てこい!」と店の奥にいた仲間を呼んだ。

良子が争った。

私も到着して、レッドデビルの姿で飛び込んだ。

晴美も到着して警察に通報した。

到着した高木隆一刑事が、「最近、若い女性が行方不明になる事件が数件発生している。先日、アベックで来ていた女性が酔いつぶれて、奥の休憩室に運ばれたそうだ。たまたま、その時、そのアベックの女性の知り合いがこの店に客として来ていて、アベックだったので、気を遣って声をかけしなかったそうだ。それ以降、その女性と連絡がつかなくなったそうだ。ちょっと、奥の休憩室も調べさせてもらうよ。」と警察官数名で調べた。

本棚で入口を隠した隠し地下室を発見した。

鑑識を呼んで調べた。

鑑識の報告により、女性を拘束可能な設備を発見した。

写真も発見した。

その写真には、素っ裸にされて開脚状態で剃毛された上、腰を前に突き出させられて拘束されている女性数名が映っていた。

どこかに売り飛ばしていた事が判明した。

そのリストを発見して、いままで行方不明になっていた女性を警察が救出して、赤黒レスリングジムが表彰された。

マスコミは、以前、殺人犯を目撃して命を狙われていた目撃者を守った事なども報道した。

特に今回は、人身売買組織のアジトを発見して警察に通報した事から女性の味方だと大々的に報道した。

犯人は、まさか、覆面女子プロレスラーが二人も、閉店したバーに窓ガラスを割って乗り込んでくるとは思わなかった。女だからと、数人で刃物を持って対抗したが、無茶苦茶強くて全員倒されたと自供したらしい。覆面をしているから、現在のヒーローだと報道した。

弘子が社長室に呼び出された。

「マスコミが赤黒レスリングジムの事を現在のヒーローだと報道しただろう。それでバックアップしているわが社は、ヒーローの元締めだと報道されて、正義の味方だと人気があがって寄付が増えている。株価も上がっている。注文も殺到して工場フル稼働状態だ。これは吉川君がレッドデビルを紹介して頂いた事から始まっています。それらすべてを君が担当するのは無理があると思います。君に部下二人をつけます。経理部と総務部からの移動です。引継ぎや残務処理後、来週木曜日に着任します。」と指示された。

弘子はお昼休憩に詩穂とラインで連絡した。

「詩穂たちがヒーローになっているわよ。詩穂たちを援助しているわが社が、ヒーローの元締めになっていて、わが社の人気があがり寄付も寄せられているのよ。今後も正義の味方を実践してくれれば寄付も倍増するわ。」

「だから、私たちに正義の味方を続けろとでもいうの?なりゆきでしただけよ。」

「そんな冷たい事をいわないでよ。詩穂がヒーローしなくなったら、せっかく、私に部下二人ついたのに、また私一人になってしまうわ。」と寂しそうでした。

「そんなに悲しい顔して訴えないでよ。そんな事、私には関係ないわ。知らないわよ。」

「ヒーローだとマスコミが報道したから、探偵事務所を併設しなさいよ。マネージャーの伊吹さんに頼むわ。」

変な事を引き受けないように、千代子を捜して手を打とうとした。

今日は休みだった。

千代子に電話した。

話中だった。

翌日、千代子は私のお爺ちゃんに、探偵事務所を併設すれば、マスコミにヒーローだと報道された事から人気が出ると提案していた。弘子に唆されたようだ。

お爺ちゃんが母と相談していた。

気になり、ドアの外で聞き耳立てた。

母は、「探偵と言っても、迷子の猫や浮気調査が多いでしょう?そんな事をやってられないわよ。」と消極的でした。

そこへ千代子がきた。

私は慌てて隠れた。

千代子が、「いま有名人から護衛の依頼がありました。ある探偵事務所が調査して、襲われる可能性があるらしいです。警察に通報すると、実際に襲われていないので、事件が発生していないと警察は動けないそうです。昨日お願いした、正義の味方に丁度いいと思います。」と千代子が押し切り、その有名人の護衛をする事になった。

千代子が、プロレスジムのメンバーで護衛すると連絡していた。

母が私と良子を呼んだ。

「詩穂、良子さん、バランス感覚を養うためにバレーダンスを始めなさい。」

「バランス感覚を養うのだったら、平均台など体操じゃないの?なぜバレーダンスなのよ。」とバレーダンスを推薦したのには何か裏があると感じた。

「なるほどね。簡単に騙されないわね。実は、超一流バレーダンサーの栗垣知子さんが不良から狙われているようなのよ。ジャガー姉妹と良子と詩穂の四人で、順番に一人ずつ栗垣知子の近くにいなさいよ。」

「なぜ四人なのよ。ピンクデビルもいれれば五人になるわよ。自分だけ逃げようとするなんてずるい!」

「私もそう思ったけれども、さすがにピンクデビルには言えなかったのよ。詩穂にしか言えないから期待していたのよ。」

「ほら、みんなもそう思っているじゃないの。」

どうやら母も諦めたようだ。

「わかったわよ。このメンバーでラインを使って連絡取りあいましょう。」

私たちは、そのバレーダンサーが来るまで待っていた。

母からラインが入った。

「誰よ。護衛するだなんて大きな事を言って。移動途中に襲われたわよ。私が蹴散らしたわ。探偵が尾行しているから、黒幕の正体が判明するのも時間の問題よ。」と口先だけなんだからと呆れていた。

みんな、ありがとうだとか、ごめんだとか返信した。

やがて、バレーダンサーの栗垣知子が来た。

付き添いの両親が、「ここに来る途中、不良数人に襲われて、通りがかりの小母さんに助けられました。ぜひ、護衛をお願いします。」と娘の事を心配して護衛を依頼した。

千代子が、「すでに護衛しています。覆面をしていなかったので気付きませんでしたか?その小母さんはピンクデビルです。」と教えた。

「えっ!?あの方が、伝説の覆面女子プロレスラーですか?どうりで強いはずだ。不良少年たちを、あっという間に倒していました。」

「そうです。あなた方が依頼した探偵が不良たちを尾行しています。黒幕の正体もすぐに判明するでしょう。そうすれば警察に通報すれば、今度は警察が対応するでしょう。私たちは警察が動くまで護衛させて頂いて、あとは警察にお任せします。」と護衛について提案して、両親も納得して契約成立した。

今話題の正義の味方について取材していた週刊誌記者が気付いて記事にした。

「超一流バレーダンサーの栗垣知子が襲われて、正義の味方が救った。」と報道した。

弘子に陽子から連絡が入った。

「栗垣知子の件、襲ったのはバレーダンサーのライバルだと思っているようですが、違うわよ。そのライバルに指示した本当の黒幕がいるのよ。強靭な用心棒を何人も雇っているので私も心配です。弘子さん、正義の味方の元締めでしょう?しばらく、私専属の探偵にして頂けませんか?」と依頼した。

赤黒レスリングジムは、今まで協力していた晴美を正式に採用して、千代子と二人で探偵の依頼に対応していた。

弘子は晴美に連絡して事情を説明した。

「えっ?という事は、私たちが総理大臣直属の秘書とチームを組むの?」と確認した。

「そうよ。良子さんや千代子さんは陽子さんの事をよく知らないかも知れませんが、詩穂や晴美はよく知っているでしょう?陽子さんから、栗垣知子さんの護衛もあるので、五人全員は無理でも、数人陽子さんとチームを組んでほしいそうよ。チームワークから、詩穂さんを陽子さんの下につけてほしいそうよ。」

翌日、弘子が赤黒レスリングジムにきた。

「今回の依頼の件ですが、柔道の達人の陽子さんが心配するほど強靭なボディガードがいるから、主力メンバーのレッドデビルとブラックデビルが陽子さんの下について。一方栗垣知子の護衛は、たかが不良少年だから、ピンクデビルとジャガー姉妹で対応お願いします。」と提案した。

「提案というより、その言い方は元締めの指示のようだわね。でも、その人員配置でいいと思うわよ。」と全員納得した。

栗垣知子も、詩穂たちの活躍により事件解決して、ホッとして、お礼に赤黒レスリングジムでバレーダンスを披露した。


レッドデビルはこれで終了です。

今まで、ご愛読ありがとうございました。

最後に、バレーダンサー、栗垣知子という人物がでてきました。

次回の投稿は、このバレーダンサー、栗垣知子について、投稿します。

今年中に、投稿開始予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ