表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レッドデビル  作者: toyocat
1/18

第一章 詩穂、女子プロレスに挑戦する

今回から、レッドデビルを投稿します。よろしく、お願いします。

私は少しお転婆なところはあるが、中肉中背のごく普通の女子中学生だ。名前は杉山詩穂。よくケンカしてケガもするので、親から女の子はお淑やかにしなければいけないと、事ある毎に口うるさく説教されていた。

はっきりいって、家柄がどうだとか私には関係ないし。

ロングヘアーだと、ケンカするときにじゃまだし、相手に掴まれる可能性もあるからショートヘアーにしている。

学校でケンカすると母に筒抜けで怒られた。

母は、学校にも電話して、私がお淑やかにしているか担任の先生に確認しているようだ。

しかたなく学校でもお淑やかにしていたが、私だって人間、腹の立つこともある。

高校に進学すれば、親には内緒でうっぷん晴らしに女子プロレスに挑戦した。

理由を説明して、親にばれないように覆面女子レスラーとして入門依頼した。

不純な入門理由だが、高校生という若さから将来期待され入門できた。

プロレスジムの本音は、スタイル抜群で美人だから人気が出ると判断したようでした。

プロレスジムの責任者は、私が高校生である事を他のメンバーには伏せて、プロレスは未経験だと紹介した。

ケンカと違い、ルールのあるスポーツなので思ったようにいかない。

しばらく通って修行していると、初めて試合に出させてもらった。デビュー戦だ。

この世界はそんなに甘くない。見事に負けた。入門理由が不純で女子レスラーとして成功する気もない私は、その後の試合も惨敗だった。

無敗のレスラーは聞いた事あるが、無勝のレスラーなんて聞いた事ない。いても公表してないだろう。公表しているのは私ぐらいだろう。

やられてばかりではうっぷん晴らしにならない。少し真剣に修行していると、やっと勝てた。

このように私は、お淑やかな女子高生と乱暴な覆面女子レスラーの二つの顔を持つ女性だ。

    **********

そんな私も女の子、同じクラスの男子生徒でスポーツも勉強も万能な池永春樹の事が気になっていた。

春樹の事を気付かれないようにチラチラとみていると、同じクラスの不良少女、石川晴美に呼び出された。

何かあったのかと呼び出された場所に行った。

「詩穂!春樹に色目使ってんじゃないわよ!」とお尻を蹴られた。

春樹に気付かれないように見ていたが、他のクラスメートの事までは気にしていなかった。

母の目が気になって、お淑やかな女の子を演じている私は、その後、無抵抗でやられた。

その数日後、下校途中、晴美が隣町の不良少年たちに絡まれていた。

不良同士のつまらない争いだと判断して、そのまま通り過ぎようとした。

晴美が私に助けを求めた。

私のようなお淑やかな女の子に何を期待しているのか。

不良少年たちが私に気を取られている間に、自分だけ逃げようとしているようだ。

不良少年の一人が、私の事を晴美の仲間だと思ったようで刃物を出した。

さすがに刃物を見ると、お淑やかな女の子を演じている私も黙っていられない。

晴美を焦らそうとしてその不良少年をからかった。

「そんな物を使わないと喧嘩もできないの?情けないわね。」とクスッと笑った。

予想通り、刃物を持っている不良少年の顔色が変わった。

「ちょっと詩穂!こいつらを刺激しないで!刺されても知らないわよ。」と私の予期せぬ言葉で予想外の展開になり、世間知らずの私に声を掛けた事を後悔して、私の予想した通り逃げる事も忘れて慌てていた。

「喧嘩もできないだと?貴様!バカにしやがって。」と切れて、晴美を捕まえていた不良少年は晴美を突き飛ばして、その不良少年も刃物を出して私を襲った。

突き飛ばされて転倒した晴美が、やばい!と焦った瞬間、私はやむを得ず、刃物を持った不良少年をプロレス技で倒した。

刃物で襲ってきたので手加減できずに不良少年を脱臼させてしまった。

「あいたた~、う、腕が動かない!」と焦っていた。

仲間の不良少年たちの顔色が変わり、「貴様!やる気か!」と私を襲った。

晴美は、わわわ、大変な事になったと、腰を抜かした。

プロレス技と得意なケンカで対抗した。

不良少年たちを全員簡単に倒した。

不良少年たちは、私の強さに敵わないと判断して、「覚えていろよ。」と捨て台詞を残して逃げた。

晴美は私の強さに一瞬言葉を失った。

ふと我にもどり、「詩穂、それだけ強いのに、先日はなぜ私に無抵抗だったの?」と疑問に感じて確認した。

「抵抗してもよかったの?子供のころからけんかの天才と呼ばれていた私が晴美と争えば病院送りになるわよ。さきほどの不良少年も腕が動かないと焦っていたでしょう?」と笑った。

「そんな事をして大丈夫なの?あとで大ごとにならない?」と心配していた。

「人のお尻を蹴ったくせに、そんな事、知らないわよ。世間は晴美がやったと思うでしょうね。お淑やかな私に、そんな事はできないと思うでしょうね。早く逃げないと警察に捕まるわよ。」と笑った。

「ちょっと待ってよ。」と慌てた。

「そんなに焦らなくても大丈夫よ。関節を外しただけだから病院ではめてもらえば終わりよ。もし何かあっても正当防衛だから問題ないわ。」と晴美とは裏腹に冷静でした。

「も~、驚かせないでよ。」と安心していた。

その後二人で帰った。

この事がきっかけとなり、二人は親友になった。

次の日から、晴美は腰巾着のように私の近くにいた。

私の近くにいつも不良少女がいれば、私のお淑やかなイメージが崩れる・・・と困って、晴美に私の近くにこないように説得した。

晴美は私から離れたが、遠くから見守っていて、私が他の不良に絡まれると助けに来た。

    **********

そんな中、私のリングネームは、本名の詩穂を漢字ではなくシホとカタカナにした簡単なものだった。

もっとレスラーらしいリングネームをつけるように忠告された。

私は赤が好きで、レオタードも赤だった。そんな私を見て先輩レスラーが、「昔、天下無敵の覆面女子レスラー、ピンクデビルがいたが、ある日、突然姿を消した。その名前にあやかってレッドデビルにしろ。」と指示された。

ほかにこれといったリングネームも思いつかなかったので、私のリングネームはレッドデビルに変わった。

リングネームが変われば、先輩からの助言もあり、ピンクデビル同様、悪魔のように反則もするようになった。

反則という事は、私の得意なケンカと同じでそれ以来、連戦連勝で人気も出た。あくまでも興味本位のようだ。

晴美もその一人で、試合観戦に何度かきていた。

    **********

しばらくしたある日、晴美が無断欠席した。

仲間の不良少女たちが、なにやらザワザワしている。

担任の井坂健吾先生は、晴美の無断欠席は今に始まった事ではないので、「また無断欠席か。」と気にしている様子がない。

翌日も晴美は無断欠席だった。

晴美の不良仲間から、「詩穂、あんた、最近晴美と仲がよかったわよね。先日晴美を助けた女を知らないか?晴美が人質にされて、その女を連れてこい。と隣町の不良が騒いでいるのよ。」と確認された。

私だと言ったら、お淑やかなイメージが崩れるし、そんな事は信用されないと判断してごまかした。

「ええ、知っているわよ。助けた時はプライベートだったので、私服で覆面をしていなかったようでしたが、女子プロレスラーのレッドデビルよ。晴美の親友らしいから伝えるわ。場所はどこ?」と呼び出された場所を聞いた。

レッドデビルの姿で助けにいく事にした。

晴美の不良仲間もレッドデビルに興味があるようでついてくる様子だ。

困って考えたあげく、「電話したほうが早いわね。」と携帯で電話している芝居をした。

電話の芝居を終えて、「レッドデビルがそこへ行ってくれるらしいわよ。」と伝えた。

不良少女たちは心強い味方が来てくれると喜んで全員監禁場所へ向かった。

監禁場所に到着した晴美の仲間の不良少女たちは、晴美を助けたのは女子プロレスラーのレッドデビルで、晴美の親友だと拉致した隣町の不良少年たちに伝えた。

隣町の不良少年たちが晴美に確認すると、レッドデビルの事を知らないといったので信用されなかった。

    **********

私はレッドデビルの姿で晴美を助けに行った。

目立たないように、コートで赤いレオタードを隠して覆面をポケットに入れた。

晴美が監禁されている場所の近くまで行って、レッドデビルの姿になり監禁場所に行った。

晴美の仲間の不良少女たちと争っていた不良少年たちは、突然背後から掴まれて投げられた。

晴美の仲間の不良少女たちは、突然目の前に不良少年が吹っ飛んできたので驚いて私を見た。

心強い味方がきてくれたと喜んでレッドデビルのうしろに隠れた。

不良少年たちは、「たまげた、本当にレッドデビルが来たぞ。」と身構えた。

「私の親友に何したのだ?そんな大勢で、か弱い女を相手にするとは卑怯ね。喧嘩もまともにできないのか?」と不良少年たちに迫った。

不良少年たちは、悪役レスラーに後ずさりした。

不良少年たちのリーダーらしき人物が、「レッドデビルがなんだ!たかが女一人じゃないか!やっちまえ!」と襲ってきた。

プロレス技と得意なケンカで全員倒して晴美を助けた。

晴美の仲間の不良少女たちは、予想以上のレッドデビルの強さに驚いた。

不良少年たちは、レッドデビルに恐れをなして逃げ去った。

    **********

晴美は、「私の親友って誰なの?」と混乱している様子でした。

「私よ、詩穂よ。声でわからなかったの?冷たいわね。」とレッドデビルの正体を教えた。

晴美の仲間の不良少女たちは、「詩穂って、あの詩穂か?」と信じられない様子で確認した。

「ばれちゃったわね。」と覆面を脱いで、レッドデビルの正体を明かした。

晴美の仲間の不良少女たちは、「詩穂じゃないの!まさか、お淑やかな詩穂が悪役レスラーのレッドデビルだったとはね。私たちとも友達になってよ。私は岸田順子、よろしく。」

「私は下山京子。」

「私は吉川弘子。」とそれぞれ自己紹介した。

「そんなに、一度に覚えられないわよ。よろしくね。」と挨拶した。

順子と京子は中肉中背なのに対して、弘子は少し小太りで迫力もあったので、このグループでは晴美についでNo.2のようだ。


次回投稿予定日は、5月10日を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ