冬まつりの迷子
雪のお姫様が主催の冬まつり。冬の妖精たちが遊んでいる。小さなもの巨大なもの、雪像と氷像が様々な色の篝火に照らされ並んでいる。
見物客で賑わっている中を母親と少女が歩いていた。ある雪像の前で少女は立ち止まり、魅入った。母親は気づかず歩いていく。
少女が振り返った時、母親の姿はなく、少女は泣く。強烈な孤独を感じ、怖くなった少女は、ふと雪像を見ると雪像の目が赤く光ったように感じた。涙で景色が歪んで見える。
「ママ!ママ!どこ?ママ!」
母親を捜し氷像の前で立ち止まる。氷像の目が黄色く光ったように感じた。
「ママ!」
母親は少女に駆け寄ると、屈んで少女をギュッと抱きしめ優しく微笑んだ。
「ごめんね」
氷像を見つめた母親の目が青く光ったように感じた。頬に舞った雪が涙でとけた。