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雪乃梢02


トラックに轢かれた私は魂管理委員会のキリコという謎の少年に出会っていた。



『君が死んじゃうのは予想外でさー、あの男の子達だけの予定だったんだ、ごめんごめん!』

『ちょっと待ってよ、じゃあ私がこうなったのは手違い?』

『そうだね』



はぁ? はあああッ!? 手違いでこんなズタボロにされたってわけ!



『グチャッてる割に元気いいね? ハハッ』

『こんな姿見て笑い事じゃないでしょ!? そもそもなんでそんな手違いが起きたのよ!?』

『普段はオート操作だからさっきのトラックも君を避けてあの男の子達に目掛けて突進していくはずだったんだけどさ、僕新米で更に手動操作で動かしてみたくなっちゃって。 テヘッ』



テヘッて…… それじゃ何? この子のせいってことじゃない!!



『まぁまぁ落ち着きなよ、なんとかしてあげるからさ』

『当たり前じゃない! 早く元に戻して』

『元に戻す事は出来ないんだなぁこれが』

『な、な、なんですって!?』

『その代わりに転生させてあげるよ、それも特別に今の時空間に。 手違いで人殺しちゃったら上司に怒られるからさ、それで辻褄合わせよう』



転生?! ラノベみたいじゃない。 でも転生って事は……



『そう、君は雪乃梢じゃなくなる』

『嫌よ! パパとママとの子供でもないし友達だって』

『じゃあ生き返りたくないの?』

『う…… 』

『君の両親は確かに違くなるけどさ、他の人が君にとっての両親にもなるんだからいいじゃん? それに友達だって出来るよ? というか目が覚めたらそういう事になっているから安心しなよ』

『あんたどこまで勝手なのよ! ああッ! ビンタしてやりたいけど動けない』

『こわぁ〜、見た目が凄いから迫力あるねぇ』



こ、この……



『でもこれは凄い特別な事だからさ! なんせ手違いで死んでそれも同じ時代に転生させるって結構難しいんだよ? 君にはわからないと思うけど重力の操作とかその他あれこれ』

『はぁ…… 私本当にこのままだと死んじゃうんだね? 身体を見ればわかるけど』

『そうだよ、どうする?』

『転生したら今の記憶とかなくなっちゃうの?』

『普通はそうだけど僕新米だからそこまで細かい事は難しいかな、まぁ生き返れば前の両親にも会えるし友達にも会えるじゃん?』

『簡単に言わないでよ、私は別人になるって事なんだから』

『で? どうするわけ? 僕一応神様の使いで忙しいわけよ、転生するよね? 決まりだね!』

『ちょ、ちょっと待ってよ!』



何やらキリコは何もない空間を指でポチポチと押し始めた、なんか如何にも嘘くさいけどこんな事が出来ているという事はキリコが神様の使いとかそういうのを抜きにしても箍が外れた存在なんだろう。



『アウチッ!!』

『え?』



キリコが頭を押さえてやっちゃったみたいな顔をしている。 嫌な予感……



『君の転生先しばらく見つかりそうにないや』

『な、何!? ここまで言っておいてそれ?』

『君の容姿が結構良いせいだね、今は見られたもんじゃないけど』

『バカにしてるの!? いい加減にしてよ!』

『これが難しいところでさ、君の容姿に近くて身長体重性格もほぼ一致しないといけないのさ。 それも君の産まれた時代にだから探すの骨が折れそうだなぁ、やめとく?』

『なんなのよそれ! 少し希望持たせといてそれはないでしょ! ちゃんと探してよ』

『探して下さいでしょ?』



私がお願いする方になるとキリコはニヤリと笑って急に上手に出た。 性格悪いよ。



『さ、探して下さい……』

『よろしい、じゃあこのままだと死んじゃうからとりあえずなんの制約に縛られないのに魂入れ替えとくね!』

『入れ替える? 何に?』



するとキリコはキョロキョロと辺りを見回した、そして何かに目を留めた。 



『ま、まさか…… あれ!? そこの黒猫ちゃん?』

『そうだけど? 猫って可愛いでしょ?』

『た、確かに可愛いけど私猫になるの!?』

『一時的だよ一時的! 転生先が見つかるまであの猫で我慢しててね〜!』



キリコの前の空間がパアアッと光り私の身体を包んだと思ったら私の視点は別の視点に変わっていた。 



他のみんなが巨人に見える…… これって私もう猫になっちゃった!?



『そうだよ、元の君を見てごらんよ』

『うわッ、グロッ! 私あんなになっちゃったんだ。 違う視点から見ると酷いなぁモザイク掛けといてよ』

『あはは、なんだ結構ノリがいいじゃん君』

『だってもうこうなったら受け入れるしかないじゃない。 ちゃんと探してくれるんだよね?』

『仕事の合間にね! 僕忙しいんだし』

『はぁー、私が猫のまま野垂れ死しないうちにお願いします』

『あいよー、じゃあ止めた時間をまた進めるね』



キリコがそう言った瞬間宙に舞っていた私は地面に叩きつけられ私の死体ごとトラックは男子達を巻き込み壁に激突した。 



うわぁ…… 更に見れないような姿になっちゃうよ私。

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