気は持ちよう、奇は衒いよう
あの人は最強にカッコイイ。
カッコイイというだけなのに、他のことが全然気にならない。
スッゴいおちゃらけて、変なポーズをしたりしてるけどカッコイイ。
カッコイイ人は、奇を衒うことさえも美しい。
気持ち悪い人は、奇を衒っても気持ち悪い。
カッコイイ人は奇を衒ってもカッコイイけど、気持ち悪い人は奇を衒うと、さらに気持ち悪くなる。
気持ち悪い人が、気持ち悪いことをしようとするなんて、考えたこともないから。
気持ち悪いからこそ、美しいことをしようと努力をするのだと思っているから。
気持ち悪さに、突然の上塗りはキツい。
でも、気持ち悪くなることへの心構えをすれば、大丈夫かもしれない。
あと、ぶっ飛びすぎれば、気持ち悪さもぶっ飛ぶ可能性はある。
カッコイイ人の右側に現れた、三大気持ち悪い要素を兼ね備えた男性を見る。
そして【奇を衒うかもしれない】【奇を衒うかもしれない】【奇を衒うかもしれない】と心で唱え続けた。
すると、その男性は、背伸びをする動作と同時に息を吐き、手を降ろすと同時に吸った。
私の恋心も、その男性に吸われたような、吸われていないような、不思議な感覚に襲われていた。