お酒はハ(ーレムの女の子)タチになってから
日が沈み通りが閑散としていくのと入れ替わるように、酒と食い物を提供する店は活気づいていた。
注文を取りに来たウエイターに俺は酒と料理を頼んだ。ソアラもそれにならって食いものといっしょにアルコールも注文する。見ため的、人間換算的に、飲酒はいいんだろうか。デネブも同じ疑問をいだき不満を唱えた。
「勇者様、ソアラが飲むのは止めないんですか?」
「一応、実年齢は俺らよりずっと上だからなあ」
「年齢制限って身体的な成長が基準ですよね? どう見たって私より下じゃないですか。店員さんもそう思わない?」
話を振られたウエイターのお兄さんは「エルフの人は歳がわかりにくいからねえ」と苦笑いした。
「じゃあ、あたしも飲む。あたしはビールを」
「おまえはだめだ。店員さん、こいつにはジュースを」がらにもなくデネブには保護者の感覚が湧く。
「勇者様とソアラだけ飲むなんてずるいです」
「もうわかった、俺らもソフトドリンクにするから」
なっ、とソアラに同意を求めたが「私は飲むよ?」と笑顔でさらっと拒否。協調性なしかっ。
こいつが飲むのも止めるべきなのかもしれないが、デネブに対するような保護者感覚がなぜか起こらない。種族の違いで感覚が狂うからか、物理的年齢が上だからなのか。どうもこいつはつかみどころがない。まさか神のいう「裏切り者」ってことは(このおっぱいの大きさからして)ないとは思うが。危険を察知するアイテムも譲ってくれたし。それでもいまひとつ腑に落ちないというか。もやっとする。
デネブは不満そうだったが、俺が飲まないということで不承不承引いた。




