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さぃょゎゅぅしゃ  作者: みさわみかさ
マジ(で危機)の宅◯便
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【急募】かんたんなおつかいクエスト【初心者歓迎】

「そう、残念ね。でも、ここエリースは、あなたの出てきた村と違って物騒なの。自分の身は自分で守らないと」


 俺は開店した酒場で、昨日、受付をしてくれたお姉さんに事情を話し泣きついた。みっともないことに、本当に文字どおりちょっと泣いていた。どうでもいいけど出身地は村じゃねーから。

 お姉さんは同情はしてくれたものの、当然ながら金銭的にはなにも力になってくれなかった。


「そうだ。かわいそうだから、今朝入ったばかりの緊急クエストを紹介してあげる」


 ほう、緊急クエストとな? 

 つってもレベル一だし、やべーモンスターの討伐とかはちょっと無理なんですけど。

 期待と不安が混じる。お姉さんは奥から持ってきた籐製のかごをどんとカウンターに置いた。


「ニシンのパイよ。隣町のトーラスにいるお孫さんに届けてほしいって依頼なの」

「あのー、俺、空とか飛べないんですけど?」


 箒も黒猫も下宿させてくれるパン屋の妊婦も俺にはない。


「レベル一のあなたにルーナが使えるとは思ってないわ。徒歩でも一日で往復できる距離よ。報酬は六千イェン。あなたを見込んで特別に前渡ししておくわ」


 捨てる神あれば拾う神ありってのはこのことをいうんだろう。俺は、絶対達成します、と約束した。

 それにしてもこのお姉さん、めちゃめちゃ親切だな。そう言うと、お姉さんは首を横に振った。


「そうでもないわよ。あたし、ハンサムに弱いの」


 俺が? またまたご冗談を。見た目も中身も絵に描いたようなみごとなキモオタですぞデュフフ。

 お姉さんは、あなたの村には鏡もないの、とあきれ顔で手鏡を持ってきた。って、誰これっ。

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