MI5 = マジでイチャコラする五秒前
「俺に言われたことをまんま言い返して子供かよ。そんなんじゃソアラのこと年下あつかいできねーだろ。あいつも子供っぽく見えて意外と大人びてるとこあるからな」
横について説得パートを続けながら、いい感じになったこの間の夜を思い出す。
エロエロソアラとのMI5(Military Intelligence Section 5 = マジでイチャコラする五秒前)の記憶に、体の一部が【ひのきの棒/攻撃力:〇・一】になりかけるも強靭な精神力で抑え、まじめに説教モード。
にもかかわらずデネブは完全無視ですたすた通りを進み続けやがる。人が煩悩に優先してありがたい指導をしてやっているというのに、こいつは。
いくら菩薩のように涅槃ってる俺の顔も三度までだからな。涅槃がなんなのか実はよくわかってねえけど。
「おい、人の話を聞いて――」
「あ、すみませーん」
ふりふりコスの肩をつかんだ俺の手を光速でぱしっと払って、デネブは道ゆく二人組に声をかけた。
いででで、と手を振る俺をデネブは指差し、男たちに告げる。「あの人につきまとわれて困ってるんです」
え?
そこら辺の冒険者たちよりも身なりの整った装備品で固めたふたりが、じろりと俺を見る。やべ、衛兵だ。
「『ねえ君なに色のパンツ履いてるの?』ってしつこいんです」
「言ってねえしっ!」
出会って開口一番に一回聞いただけだ。あと、何度かちょっと覗こうとしたのと。




