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さぃょゎゅぅしゃ  作者: みさわみかさ
【快報】第3使徒・プレアはついに悟リの領域に
122/148

はじりん ~はじめてのりんかんがっこう~ <よていひょう> やがいすいはん(ぜんら)/きゃんぷふぁいやー(きんりんじゅうみん(だんせい)さんか)/よるのおりえんてーりんぐ

「神のじじいが勇者の使徒を集めろつってたけど、こういうのって、たいてい全員そろわないと先に進めないようになってるもんなんだ。メンバーが欠けるのはまずいんだよ」

「そうですか、それはたいへんですね」

「だろ? わかってるなら助けると思って協力してくれよ。おまえの力が必要なんだよ」


 よし、これで心はゆらいだはず。あとは義務感を強調して一気にたたみかける。


「それにあれだぜ、勇者の使徒はおまえだけの問題じゃないんだからな?」

 まじめそうな子の弱いところを突く。

「おまえひとりの復活だけでなく俺、そして俺の家族の命までかかってんだ」

 そして強気でのひと押し。初日の従順だったときのように、押しの強さに女は弱い。

「おまえひとりのわがままでみんなに迷惑がかかる」

 少し上から目線なぐらいにリードするのがちょうどいい。

「いい歳してんだから自分の都合ばっか考えず他人のこともだな――」

 最後に、普段見せない厳しい一面を見せることでトクンとさせオトす、完璧だ。


 第一使徒は突然、立ち止まった。勢いあまって進みすぎ振り返る。

 その先には――満面の笑顔が咲いていた。よっしゃ、オチたっ。

 幼稚園児のころから親父のエロゲーをプレイし、恥ずかしながら精通もエロゲーで迎えた(ちなみにタイトルは『はじりん』こと『はじめてのりんかんがっこう』。そう、もちろんロリものだ)俺にとって、ゆれる女心の機微を的確に見抜き、巧みに操るぐらいは朝飯ま「ご自身のことばかりですね」――えっ?


 にっこりとほほえんでいるのに不穏なオーラがドバドバ出ている。液状だったら三十分で街が水びたしになる勢いだ。


「ご自分の都合ばっかり」


 笑顔でぷいと言い捨ててまた歩きだす。ちぃっ、どこで選択ミスった。

 あとを追いリカバリーを図る。

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