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新編 レクイエム・オブ・ギアーズ  作者: 舞原涼、へーがたくちくかん
第二章 Spreading and Spreading
19/30

そして戦線は動き始める

少し話の展開を予定より早めてみました。いやまあずっとバトルシーンだけ書いててもしょうがないので。別に主人公が無双し続ける話にする気はないので(ほんとか?)、リズムよくいきたいなと(ショートカットしすぎないように気を付けます)。

「ヨーロッパで交戦状態、か……」

向こうも始まったのかと思いつつロングソードを振るう。

さすがにカプリコーネが何機いようとあまり変わらない。

「ふっ!」

刃を振るうたびにパンドラが一機ずつ減っていく。

戦闘開始から、何時間経ったのだろう? だいぶ体力は消費した気がするが、まだまだ戦える。

システムは兵装を開発できていないようだ。

とはいえ、ナノマシンの残量は6割ほど。まだまだ戦える。だがやはり気になるのは、こうも短期間で人間がいなくなったことよりも、どうしてこれだけの数がいるのか、という問題だ。

絶対に、おかしい。

ある一つの可能性が頭をよぎった。だがそれは、少年にとっては考えたくもない選択肢だった。

だが。状況はそれを完全に肯定している。

「まさか、一般市民を、パンドラに変えたってのか……!」

そんなことが、許されるはずもない。だがオリジンは言うのであろう。


――死にたくないと願ったのはどこの誰?


と。確かに人類は不死を願った。だが、けしてこんな形ではないだろう。

彼らの意識は恐らくオリジンが完全に支配している。つまり、もはや人間ではない。

「ふざけんなよ……! 人の命を、何だと思っている!」

怒りのまま俺は刃を振るう。いや違うな。怒りに任せ刃は振るうが、自分はもはや第三者として戦場を俯瞰していた。

冷静な自分と、怒りに満ちた自分。それが完全に分かれているのが分かる。

怒りと、冷静。相反するはずの感情が胸を占める。

俺は、何のために戦っているのか?

この質問に、今俺が答えるとするならば。

人類のためなんかではなく、自分と、彼女と義父さんのために戦っていると即答できる。なぜなら、もう、人類は滅びるからだ。けして、利己的な考えではない。

アメリカで義父さんは戦っているが、そもそも市街地からパンドラが出現してくる以上、もう人間はいないと考えていい。

そして日本でさえも侵入されつつある。

だからもう、進化がどうとかそういう次元ではない。

もし、オリジンを倒すことでパンドラが人間になるのだとすれば。

もう俺たちに残された道は一つだけ。


――オリジンを倒す。


そしてそう決意したとき。

「evolve system open:gungnir」

「遅いってんだよ、まったく」

しかし、「グングニル」か。随分と大層な名前だ。

一瞬で武装が形成される。対多数長時間戦闘兵装「グングニル」。

右腕には愛用のロングソード。

左腕にはアンカーとハデスの能力を応用したジャック機能をもつフィシアを。

半面装備が重くなった分、もともと薄かった装甲はさらに薄くなる。

まあ、食らわなければいい話だ。

俺はスラスターを吹かし、距離を詰め、フィシアを放つ。

タウロスが一瞬動きを止め、そして俺の仲間のように動き始める。

しかしこれはハデスとは違い、俺の意識ではなく、相手側のプログラムにすべて任せ、最終的に自壊させるように設定されている。

さて、と。一休みできそうだ。俺は敵の数がだいぶ減ってきたのを見てそう思った。

まあ、どうせまだ終わりではないのだろう。

気を引き締め、敵の中に突貫した。


―――


その頃マスターは。

「イヴァルヴが新兵装を開発したのね……! とはいえこれだけじゃ全然足りない」

策は、もうない。

完全に世界はパンドラのものとなった。既に分かりきっていたことだった。

オーストラリアの時点でオリジンを叩けなければ、基本的にそれまでだったのだから。

でも、やれることはやる。

少女はそう決意し、コンソールを叩いた。


―――


アメリカにようやく到着したカストル、ポルックスはと言えば。

多数のパンドラの残骸と、そしてそこに埋もれている一人の男を見つけた。

「おい、これって……」

「間違いねえ。こいつは、ハデス、だ」

アヴァランチとマスターが義父さんと呼び親しくしていたその男は、既に死んでいた。

しかし、そこには一機もパンドラはいなかった。

さて主人公たちはこの後どうなるのか?

ご注目ください。

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