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新編 レクイエム・オブ・ギアーズ  作者: 舞原涼、へーがたくちくかん
第二章 Spreading and Spreading
12/30

《アクエリアス》、登場

ち、ユーラシアに連絡するまでは想定内だが、まさかアメリカ連合とも手を結ぶとは……! 完全に俺の技術を奪いに来てるってわけか。最悪じゃねえか。

今の日本に正式な軍隊はいない。昔はいた自衛隊すらいない。

本当に、武力を持たないのだ。

だから今日本を守れるのはあいつらしかいない。

兎に角俺は、アメリカの手を押さえるためにできる限り早く攻撃を仕掛けたいところだ。

だいぶ残弾は使っちまったが、いまだに半数は残っている。

陽動する分には十分だ。

ユーラシアは九州を占拠し、そこを拠点とするつもりだろう。

パンドラとの協力体制を築いていないわけはない。あいつらでも厳しいはずだ。

俺はスラスターを全開にしたままアメリカを目指す。




――九州にて。

「《カストル》、《ポルックス》、一度後ろに下がれ! ここは俺がやる」

彼らは接近戦は苦手ではないが、得意というわけではない。ディーヴァとヴァイアランとともに援護してもらうことにする。

俺はアンカーを建物に打ち込み、加速。

パーソナリティを展開しようとしたヴァルゴを一太刀で切り裂く。

もう一機に向けて加速する。

だがそれは、《ヴァルゴ》ではなかった。

少しずんぐりとした見た目をした、そのパンドラは。

「《アクエリアス》! ――なぜここに!」

みずがめ座の名を持つパンドラ、《アクエリアス》。そのパーソナリティは、「回収したナノマシンの性能を混ぜあわせ、性能を変化させる」だ。

つまりこいつは、《ピスケス》のパーソナリティをもらったってわけか。

そして今は恐らく《ヴァルゴ》のパーソナリティを持っているはずだ。

こいつのパーソナリティはかなりギャンブル性が高い。

割合が少し違うだけでも全然違うパーソナリティを発現する可能性がある。

逆に言えば、性能を予想することができないということだ。


予想通り、そいつは光学迷彩を展開した。

《ヴァルゴ》のものであれば、攻撃を受ければ少しは効果が減退するはずだ。

俺はハンドガンのトリガーを引いた。

命中、したはずだった。だが、そいつの迷彩の効果はいまだ健在だ。

クローを振ってくるのが見えた。

体をひねり躱しつつもロングソードを振るい、反撃する。

だが、刃が弾かれ、さらに攻撃を食らう。

「――!? くそ、どんな組み合わせをしてやがる!」

こいつは、《ヴァルゴ》の光学迷彩と、《ピスケス》の不変性を組み合わせたパーソナリティを持っている。つまりは、光学迷彩の効果が切れるまではほぼ無敵ってわけだ。

自分のナノマシンを送り込んで効果を変えることもできない。

《マスター》のパーソナリティなら破壊できるかもしれないが、ジュリアはまだ来ないだろう。


とすると俺は、こいつをいやこいつらを一人で相手しなければならないってわけか。

あいつらは俺が取り逃した奴らを破壊するのに手いっぱいだ。

さっき義父さんから注意されたが、やるしかない。

「avalanche system semi change:"evoleve" up to50」

イヴァルヴのシステムを半分にまで上昇させ、こいつらの対策を生み出させるしかねえ。

俺は辛うじて対ヴァルゴ兵装のおかげで見えている五機の《アクエリアス》に向かって加速した。

ようやく出せました! 舞原さん版の方では名前すら出てこなかったパンドラ、《アクエリアス》ですが、結構な曲者です。この後アヴァランチはどう戦うのか、ご期待ください。

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