008:親密
ー町ー
次はマイがどこかに連れて行ってくれるらしい。
向かった先はレストランだった。
◆◇◆◇◆◇◆
ーレストランー
「ここはあたしのおごりで!遠慮しないで注文して!」
彼女はそういうが、無人のレストランで注文して食べ物は来るのか、それが心配だ。
1つ言っておくけど、ここのパスは僕のじゃない、彼女のものだと。
「じゃあ、この安いハンバーグで。」
「そんなモノでいいの?じゃあ私は…これにしよっと。」
彼女はテーブルの隅にある、マネーカード挿入口に電子マネーカードを挿入し、ボタンを押した。
するとその場所から何かを選ぶモニターのようなものが出てきた。
「文字わかるの?」
「ううん、このメニューの番号を押すだけだから文字が読めなくてもわかるの。」
言っとくけど僕らがメニューを決めれたのは写真があったから、それだけ。
彼女は慣れた手つきでモニターに数字を入力すると、モニターは元ある場所に戻った。
ものの数分経った。
その時、急にテーブルの中心が開き、頼んだ料理が出てきた。
目の前にはハンバーグとライスが、彼女の前にはグラタンが出ていた。
俺たちは楽しくお喋りをしながら昼食をとった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー町ー
俺達の残りのお金も少なくなってきた。
2人合わせて、残り125ビルといった所かな。
そのお金を使い俺たちは遊園地に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー遊園地ー
遊園地前に着いた。
ここの遊園地には着た事がない。
もちろんここのパスを持ってるのは彼女だ。
パスを挿入すると中に入っていった。
この遊園地はあまり使われていないはずなのに手入れが行き届いていた。
「ソラ!早く」
俺たちはカード販売機に向かった。
ここの遊園地は、マネーを遊園地のポイントに買えて、乗り物に乗ったりするらしい。
隅に小さく≪マネーをポイントに変えたものは返金・換金はできません≫と書いてあった。
俺たちは50ビルずつ販売機に入れカードを買った。
入園料として10ビル減らされ、遊園地専用のポイントカード内には400P入っていた。
俺達の残りの残金25ビル。
まずは小さなアトラクションから行ってみた。
お化け屋敷や、船っぽい物に乗って、水の上を進んでいくアトラクションとか。
見るもの全てが初めての物、体験することが全て初体験。
ここには、今までにないものを感じた…
その後ジェットコースターに乗った。
ジェットコースターではスリルを味わうものだけど、俺は風を味わっていた。
その後、最後に観覧車に乗った。
これで遊園地のポイントカードも0Pになった。
観覧車では、風景を味わった…
そして彼女という、マイという”ヒト”と交流することを味わった…
既に辺りは暗くなっており、観覧車から降りる時には閉館時間ぎりぎりだった。
俺たちは急いで遊園地を出た。
「今日は楽しかったよ。」
「私も!また一緒にどっかいこうね。」
「うん…」
俺たちはそこで別れ自分達の家に向かった。