005:死
ー???−
そこはどこか懐かしく、暖かった…
俺はそこで、一人で暮らしている…
生活は平凡で、その生活は毎日続いていた…
だがある時、その生活は崩れ去ることになった…
ある日、外に外出しようとした時だった…
ドアを開こうとしても中々開かない…
まるで外側から開かないように誰かから押されてるかのように…
突然≪キュイーン!≫という鋭い音が連続して聞こえる…
家が揺れだしている…
外を見た…
外では数万の黒い何かが家にぴったりと着き、家の周りを回っている…
そのせいでだんだん家が削られていた…
ものの数分で、とうとう≪ミシミシ≫と家が悲鳴を上げながら潰れた…
そこから逃げ出そうとした…
だけど、逃げることはできなかった…
その、数万の黒い何かが俺の周りに集り、壁を作っていたから…
抜け出そうとした…
でも、こいつらは鋼のように固く、頑固として周りを回るだけ…
だんだん俺と黒い何かの距離が縮まっていく…
俺は何度も頑張った…
でも無駄だった…
最後には締め上げられ、体に幾つもの傷が作られ…
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……………………………………………
………………死んだ…………………
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◆◇◆◇◆◇◆
ー家ー
目を覚ました…
「夢……か…」
いやな夢を見た…
起き上がるといつものように朝食を食べた。
昨日はいろいろとあったな…
「電話番号聞くの忘れてた!」
教えただけなら、またいつ話せるかわかんないじゃん…
家の外に出た。
家の周りは住宅街で、中に誰が住んでいるのかは知らない。
もしかしたら住んでいないのかもしれない…
他の家に入るためには、その家のパスが必要だし…
もしかしたらこの辺に住んでんのかな…?
俺は公園に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー公園ー
いつものようにパス挿入口にパスを入れて公園内に入った。
いつ見ても広い公園は、いつもより静けさに包まれていた。
中級生物の姿も見えない。
「中級生物の姿もないことだし…」
とある場所に向かった。
一度も行った事のない所…それは、公園の最後部。
ここは木々が山と同じようにうっそうとしており、日の当たりもよく、ひなたぼっこにも最適。
何度かその周りには行った事があるんだけど、中級生物もその周りをうろつくことがあるから、
誤って眠って、その間に何かされるのは嫌だったし、いつもあそこは利用してなかった。
でも今日は違う。
今日は中級生物が公園にいないから!