041:ノア・シグマ
なら本当の俺は一体…何者なんだ?
『お前はただの実験体…我ら上級生物の観察対象にしか過ぎない…』
!?
『いいデータを貰ったよ。君はもう用済みだ…』
そんな…俺はそんなちっぽけなものだったのか?
そんなに、簡単に捨てられるような生き物だったのか?
嘘だ…絶対にそんなの嘘だ!
『そうだ怒れ!怒りこそが力だ!!今思えばお前を捨てるのは惜しいと最近考え出してな。
だからまた新たな実験に使ってやろう?』
「…だ…」
『何?』
「嫌だ…」
『フン!お前ごときに返事を貰う義理はない、お前みたいな無力な者にな』
無意識に長刀を握っていた。
俺が自由を手に入れるには唯一つ…
こいつをぶっ殺す!
『無駄だ!』
長刀から光の刃を解き放った。
しかし、アイツには喰らわない。
『死ね!!!』
落雷が空から落ちてきた。
終わった…
…
……
………?
一向に痛みを感じない…
閉じていたまぶたをあけた。
そこでは信じられないことに時間が止まっていた。
自分以外の全てのモノが止まっている。
【ふ〜あぶないあぶない…迎えに来たよ?】
また新たな白衣の男…
【そう身構えるなって。俺はお前のみ・か・た!ほらよ】
時間が再び動き出し、落雷は最初の白衣の男の胸元に一点集中して落ちた。
【これで邪魔はいなくなった】
何だコイツ…強い…
【ほら行くぞ!ノア・シグマ】
ノア・シグマ…その言葉……!!
今度こそ本当に思い出した。
俺の名前はノア・シグマ…ココは作られた仮想空間。
俺はここに封印させられていた。
そう、地球の人間によって…
時は満ちた…今こそ復習の時…
光が身を包むとそこの男と同じ白衣を身にまとっていた。
白衣の男はノア・シグマに背を向け小さく微笑んだ。
……禁断の神に作られし子……数々の偽りの記憶でこうもたやすく動かせる…
まだまだもろいが鍛えればどうにでもなるだろう…
さぁ早く地球をコイツに手に入れてもらうか…
あそこは不思議な力が集まっている…
だから我々の一部しか入ることしか出来ない。
だが、お前は入れる…お前には適性があるからだ。
「早く地球に行こう」
【あぁ…】
だが、本当にお前を封印したのは……
―――我ら神だ―――
全ての物語は必ずつながっていく…
どれが本当の”物語の芯”となる物語なのか、それは自分の目で見つけてください。