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PET  作者: 古屋 零
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004:危険

ー山ー


山の門の入り口前に着いた。

さっき見た影の持ち主のバイクが置いてある。

「ここに…いる…!?」

山に入るために必要なパスを挿入口に入れると、急いで中に向かった。

”ヒト”と出会うため。


この山には多くの無級生物が住んでいる。

何故無級生物が入れたかというと、ここの無級生物は昔からこの山に住んでおり、

この壁を作るとき、無級生物が立ち去らなかったから、壁を作り逆に出さないようにしたと、

前読んだ本に書いてあった。

無級生物は、この山にある餌がなくなると共食いをし始める。

でも今はその時期ではない。

その時期だったとしてもその共食いが行われる場所はたいてい決まってくる。

そこを避けて歩けば安心だ。


その時、山のどこからか悲鳴が聞こえてきた。

”ヒト”の声だった。

急いでその声がする場所に向かった。

そこは木々が密集している場所だった。

女が無級生物に襲われている。

「今はそんな時期じゃないはずなのに…なんで…?」

女の子は無級生物のひっかく攻撃により、服の一部が裂けていた。

そんな中、俺は動きもせずじっと見ていた。

助けなきゃ……でも…”ヒト”が嫌がる所を見てみたい…

傷つく所を見てみたい…死ぬ所を見てみたい…

観察していたい…!

無級生物が俺の臭いに気づきこちらに向かってきた。

これじゃ観察どころじゃない!

我に帰ると、女の子の所まで走り手を引いてその場から逃げた。

ガムシャラに逃げた。

大事な大事な観察体を殺すわけには行かないから……


彼女はさっきの恐怖からか、目に少し涙を浮かべている。

彼女もきっと自分と一緒だ…

主に観察されながら生きている…

だから彼女もこの山に来れた。

彼女の恐怖が収まるのを待った。


数分後、彼女の恐怖が収まると、山は危険だということを思い出し山を後にした。


◆◇◆◇◆◇◆


ー山前ー


山の門から出ると、俺は彼女からバイクのカードキーを受け取った。

そのカードキーをバイクに差込み、彼女を後ろに乗せると家に向かった。

バイクにはじめて乗ったけど、初心者とは思えない運転だった。

そして家に向かう途中、彼女が俺の腰に回した手は柔らかく、優しかった…



◆◇◆◇◆◇◆


ー家ー



家で彼女がけがした場所を手当てし、ベットの上に座らせた。

別に変なことをしたいわけじゃない。

でも少しは…いや、俺はそんなことをしない。


…でも、観察のためなら…?


彼女に暖かい飲み物を用意すると、彼女に聞いた。

「なんで…山に行ったの?なんで…逃げなかったの?」

彼女は何も答えなかった。

俺はそのまま彼女を、家に帰らせた。

彼女は帰る間際に俺の家の電話番号を聞いていった。

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