036:絶体絶命
ー城内部ー
いつの間にか眠りについていたようだ…
「…?」
知らない間に白衣のローブを身にまとっていた。
少し目がかすむ…
扉を開け、部屋を出た。
しかしそこには沈黙だけ…
城内部のことは知らないのに、足が勝手に動く。
そうだ…そういえばココを逃げるんだった。
早足で城の奥に進んでいった。
すると、玉座のある部屋についた。
そこで玉座の後ろにある仕掛けを作動させると、二つの玉座の間に地下へ進む階段が現れた。
「完璧だ…早くこっちに!」
俺は誰に呼びかけてるんだ…?
すると、向こうの方から俺と同じように白衣のローブをまとった女が…
「…ッガ!!グゥゥゥ…」
頭がキリキリと痛む…
突然体が動かなくなった。
「……マ!」
…今なんて?
「…グマ!先に行って!!」
…一体誰のことを…
女の後ろからあやし黒い煙が出てきたかと思うと、女を包み込んだ。
「シグマーーー!」
それが彼女の最後の言葉だった。
「ハルカ!!!!!!!」
……―――
◆◇◆◇◆◇◆
ー城内部ー
目を覚ますと、全身汗だくになっていた。
「何だよ…最近の夢は…」
喉が渇いた俺は、部屋を後にした。
そういえば、さっきの夢みたいに玉座の後ろに仕掛けはあるのだろうか…?
そもそも玉座自体あるのだろうか?
足の向きをかえると、夢の通りに通路を歩いた。
それにしても、あいつらはどこに行ったのだろう…
後ろから誰かがついてくるような気がする…
でも、振り返っても誰もいない…
そんなことが何度も続いた。
もうすぐ玉座がある部屋の近くまで来た時だった。
誰かの話す声が聞こえる。
「例の町から脱走してきた奴らがここら辺にいるってよ!」
脱走…俺のことか?
「だからあの町であいつらがうろちょろしてたのか…」
あいつら…?
「あんな腐れロボット、何体いるんだろうな!」
…警備ロボがすぐ近くまで来てる!?
「今日は楽しく暴れられそうだぁ!」