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PET  作者: 古屋 零
31/41

031:困惑

ー砂漠ー


「ホントだ、どうしてだろうね…?」


≪シューーーーーーー!!!!≫


「…!!!??」

何だこの音…


≪シューーーーーー!!!!!!!!≫


後ろを振り向くと、大きな砂煙を上げながら、サソリの尾のようなものがこちらに向かってきていた。

「マイ!!」

「ほぇ?えぇぇぇぇえええ!!」

俺たちはとにかくピラミッドの中目指して走った。


≪シューーーーーー………≫


ピラミッド手前まで来ると、さっきまでの音も消え、”シュ”の姿も消えた。

「助かった…のかな?」

「とにかく今は中に入らないか?」

そう言って俺が先に中に入った瞬間だった。

大きく地面から砂煙が上ったと思うと、マイがシュの攻撃に見事にヒットしていた。

マイは宙を舞うとピラミッドの側面にぶつかり、ゴロゴロと転がってきた。

その瞬間、俺は無防備だった。

何が起こったかわからず、ただその光景をじっと見ているだけで…

突然横から何かにぶん殴られたかのような衝撃を受けると、目の前が真っ暗になった。



………



目を覚ました…

死んでない…

横に目をやると、マイが倒れこんでいた。

「…マイ…」

フラフラと立ち上がりつつ、マイの元に歩み寄った。

「…マイ…大丈夫か?」

しかし返事はない。

「マイ…?」

マイを揺さぶってみた。

残り少ない水を顔にぶっかけた。

でも…でもマイは動かない。


「マイ…マイ…マイ!!!!!」


このとき始めた知った。

俺はマイのことが本気で愛していたと。

観察対象としてではなく、ヒトとして、本当の”人”として。

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