003:ヒト
ー家ー
あれから何日も同じ生活が続く…
今日は気晴らしにどこかに行くかな…
……ゲームセンターにでも行くか…
準備を整えるとゲームセンターに向かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ーゲームセンターー
パスをパス挿入口に入れるとゲームセンター内に入った。
大体のゲームは意味がわからない。
下級生物用じゃないから…
でも俺にもわかるゲームはひとつだけある。
キング・オブ・ナイトというゲーム。
このゲームは数種類あり、カードバトル・レース・バトル・冒険と種類は様々。
「今日はバトルかな…」
ここのコンピュータはとても強い。
いやライバルといっても過言ではない…っと言っても、こいつ以外とバトルをしたことないだけなんだけどね。
電子マネーカードを挿入口に入れ、その後にマイキャラクターのデータが入ったカードを入れた。
本体から≪START≫の合図が表示されたと同時にバトルが始まった。
俺はまず、相手を動けなくするために、電派という技を使った。
だがコンピューターは暴電を使い、技をはね返してきた。
しかも見事命中…動けなくなった。
何度かコンピューターの攻撃は受けたけど、体勢を立て直した。
コンピューターが攻撃してくれたおかげで溜まったパワーポイントを一気に使った。
≪無奇散破!≫
マイキャラクターはそう叫んだ。
すると無数の見えないものが、コンピューターを貫いていく。
俺は勝ちを確信した。
コンピューターのHPは見る見るうちに減っていく。
だがその考えは甘かった。
コンピューターのHPは1だけ残った。
俺はそれに気づき、とにかく攻撃を仕掛けようとした。
だが、コンピューターはその前に攻撃を受けて溜まったパワーポイントを使ってきやがった。
…奴の必殺技、雅流地抱が発動された。
コンピューターの周りの地面が揺れだした。
どんどん奴の前に土の大玉ができている。
奴がそれに人指し指で触れると、ものすごい勢いで動けない俺のマイキャラクターが吹っ飛ばされ、倒された。
「やっぱり…勝てないか……」
俺は一度も勝った事がない…
何故勝てないんだろう…?
◆◇◆◇◆◇◆
ー町ー
町をふらついた。
ふと、前方を見ると何かの影を見つけた。
「…影?…ヒトの影…か?!」
俺は後を追った、そいつはバイクに乗っていて、追いつくことはできなかった。
「ヒトだった…?ヒトだったよな…やっと…初めてヒトに会えると思ったのに…」
俺は家に帰ることはせず山に向かった。
この悔しさをはらすために。