029:or死す!?
ー砂漠ー
クレナスと別れた後、俺たちは再びジャングルを歩き続けていたんだが…
いつの間にかに砂漠の上を歩いていた。
「…アツィ―」
額からは溢れんばかりの汗が噴出し、着ている服は汗でびしょびしょ。
クレナスから貰った水もあとわずか…
マイも相当参っているようだ。
ふと目の前にオアシスが見えた。
「みじゅ!」
マイはフラフラになりながらもオアシスに向かって走って行ってしまった。
さすがにそんな元気もない俺はトボトボと歩きながらオアシスに向かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ーオアシスー
ありったけの水が体の中を潤していく。
俺は一人水浴びをしていた。
マイは水の中に入ることを拒んでいる。
それでも俺は一人ゆったりとした時間を過ごした。
『qas@jzwweektu?』
「…っえ?」
またあの声だ。
突然水の中からやる気のなさそうな魚がふわふわと浮かんできた。
それを見た瞬間、俺は動くのをやめた。
「…マイ…アイツは?」
マイは腰に装備しておいた本をゆっくりと取り出すと、パラパラとめくり始めた。
「…あった。ヒィッボって言う砂漠地帯特有の魚らしいよ。危険度もEだって…」
それだけわかれば十分だった。
「…でも…!」
すかさず長刀を取り出すと、≪ザクッ≫っと、ぶった切った。
「なんだって?」
「話しは最後まで聞いてよ!」
「倒したんだから大丈夫だよ」
「だから問題なの!」
マイは必死だった。
「砂漠地帯に住む生き物達には餌となるものが少ないから、こういったものには群がって来るんだよ!?」
≪ブーン≫
耳の横で何かが通り過ぎた。
≪ブーン≪ブー≪ブーン≫
小さな虫達がヒィッボの死体に群がっている。
「砂虫だ…」
マイは新たなページを見ていた。
「…!早くココから逃げよ!!」