028:回転
ー船ー
思い浮かべろ!
思い浮かべるんだ!!!
まぶたを少しずつ上に上げてみると、長刀は光り輝きながら赤い、その光景には似合わない、火の粉が吹き荒れていた。
間違った。
少し気が緩みすぎたか…?
またまぶたを閉じ、考えた。
さっきメルボを見たら、スグそこの上空にいた。
もぉチャンスはこれしかない!
その時、鮮明に頭の中で思い浮かべることができた。
かすかに船のエンジン音と一緒に、何かが回転する音が聞こえる。
もっと…もっとだ!
もっともっと!!
俺は閉じていたまぶたをゆっくり開くと、長刀はものすごい勢いで回転していた。
それと同時に船も回転していた。
「どうした?!」
俺はクレナスとマイに聞いた。
「上だ!上を見ろ!」
クレナスは怒鳴って言った。
上を見てみるとメルボが足を動かすのをやめ急降下していた。
「メルボからは逃げ出せない…私が奴を殺る」
クレナスは古の碇を高々と持ち上げていた。
俺はそれと同時に高速回転している長刀を、光の刃ではなった。
光の刃は回転を得ると周囲に風を起こし、メルボの体を玉砕した。
「戦えるのはお前だけじゃないんだぜ?」
今考えればクレナスがあいつと戦ってれば、早く済んだんだよな…
それにしてもかっこつけちゃったかな?
クレナスの方を見ると、また船を動かしていた。
無視かよ…
メルボの肉片がボーン鳥の頭や湖の中に落ちていく。
それと同時にチューブの量が増えた。
メルボの肉片の臭いをかいで集まってきたのだろう。
そのおかげかボーン鳥たちは道をふさがれ、前に進むことなくその場で爆発した。
その爆風はこの船ごと向こうの岸まで飛ばしやがった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー岸ー
「何とか着いたようだな…」
クレナスは無傷のようだ。
「いたたたた…」
マイも怪我をしたように思えない。
俺はというと…なぜか俺だけ木に引っかかっていた。
クレナスたちは俺の姿を見て笑っていた。
その後なんとかして降ろしてもらった。
「…クレナス本当にいいのか?」
「あぁ、私はあの町の人間だ…あの町を守らなければならない。
だから私は行かない」
俺はクレナスに、一緒に旅に行かないかと誘っていた。
でも無理なようだ。
「それに…まぁいい。ほら二人とも早く行くんだ」
俺とマイはクレナスに背中を押されながらも、また次なるジャングルの中に入っていった。
それにしても、ダスキールもクレナスも、俺たちとの別れぎわに何を言いたかったのかは、わかるはずもなかった。