026:復讐再び
ークレナスの家ー
クレナスさんが家の奥から戻ってきた。
「やっぱりか…準備をしていてよかったようだ」
クレナスは少し早口で俺たちに命令した。
「ボーン鳥たちが一斉に陸に上がったときがチャンスだ。その時私に捕まっておくんだぞ!いいか?」
俺たちは首を縦に振るとボーン鳥たちが陸に上がるのを待った。
まだ全ての水が引いてはなく、ボーン鳥が爆発する場所はこの町の近くか、それとも…
途中で時間が来て、遠くで叫んで爆発するか、そのどちらか…
時間を待った、するとボーン鳥たちは途中で叫び声を上げ一斉に爆発した。
大きな煙が上がり、町の周りは煙の壁に包まれ、視界が悪くなった。
「よかった…」
「安心するのはまだ早い」
俺とマイは同時にクレナスを見た。
「お前らには聞こえないか?あの音が…」
「音…?」
よーく耳を澄ませた。
最初は何も聞こえなかった。
けどだんだん音は大きくなり、その音は恐怖へと変わった。
「ボーン鳥の足音と、水の波がこちらに向かってくる音がするだろう?
作戦変更だ、奴らがあの煙の中から現れたら私に捕まれ!」
まず最初に煙の壁を通り越し大きな波が流れ込んできた。
何の被害もなかったが。
陸は消えうせ、ボーン鳥の行動範囲が広がった。
これがボーン鳥の作戦だったんだ…
最初の奴らがまず爆発で波を立たせ、第2陣の行動範囲を広げ俺たちのスグそばで爆破する。
俺たちはクレナスの体にしっかり掴まった。
俺は男だから少し抵抗したけど、クレナスに怒鳴られ、しょうがなくつかまった。
ボーン鳥が煙の中から現れた。
「行くぞ!」
クレナスはどこからともなく古の碇を取り出すと、その上に3人で乗り、古の碇をフル回転させた。
古の碇が回転を始めると竜巻がその場で起こり俺たちは徐々に上昇した。
◆◇◆◇◆◇◆
ー上空ー
クレナスがちょうどいいところで碇を引き上げた。
ボーン鳥は悔しそうにこっちを見ながら鳴いていた。
「これで、大丈夫だ」
そんな言葉は無意味だった。
ボーン鳥たちが一斉に小さな羽根をばたつかせこちらに向かって飛んできた。
「そんなバカな!?あいつらは飛べないはずだぞ!」
クレナスは動揺していた、しかしその同様はほんの少しだけだった。
すぐに次のことを考えると、碇をまた俺たちの下において回転をさせた。
さっきより回転が速くなっており、大きな竜巻ができた。
何匹かのボーン鳥は竜巻に吸い込まれ上空に振り飛ばされると、爆発した。
他のボーン鳥は竜巻の周りで止まりながら叫んでいる。
「あそこで爆発されたら危ないな…」
そういうとクレナスは古の碇の鎖部分を持ち振り回し始めた。
ボーン鳥は無残にもその古の碇にあたり吹き飛ばされた。
不意にその中に一匹が古の碇にあたる前に爆発した。
けどそんなことは問題ではなかった。
逆回転し威力が上がっただけだ。
クレナスはうめきながら振り回している。
マイはその時下にボートが流れてきているのを見つけた。
そのことをクレナスに話した。
「このままじゃもたない。あの船に乗って逃げ切るぞ!」
そういうと、俺たちは船に向かって急降下した。