021:招かざる客
ー地下ー
≪ウゥゥゥゥーン≫という音がだんだん近づいてくる。
それとともに、音のする方向に光が見えた。
「よし!お嬢ちゃん、弓を構えるんだ。」
「えっでも…もし”ヒト”だったら?」
「あれは”ヒト”でも生物でもない。とにかく構えな!」
マイは言われるがまま構え、弓を放った。
弓が飛んでいくと見事光っているものに当たった。
でも次は光がいくつにもなった。
「たくさんいるらしい。しかし奴らは何でこんな所に?」
「とにかく逃げませんか?」
「いや、あいつらはどこまでも追って来る、逃げても無駄だ!」
ダスキールさんはまたマイに弓を放たせた。
また命中するかと思った瞬間、≪ウィイイイイン≫という音ともに矢が切られる音がした。
そして奥にいるものの正体がわかった。
「警備ロボだ!」
光は警備ロボの目から出ている光だった。
警備ロボは俺たちを見つけると速度を上げ向かってきた。
丸鋸を俺たちに向けながら。
「ダスキールさん!」
「わかったよ…じゃあ最後の攻撃をして逃げるか」
「最後の攻撃?」
「あぁ、さぁお嬢ちゃん…弓矢に意識を集中するんだ」
マイが弓に意識を集中し始めると、弓矢は光だし、マイの手から離れて回転し始めた。
マイは弓矢の光と矢を握った状態になった。
「その光が最大限になった時、弓を放て!それと、ソラ!お前は長刀を奴らに向け構えとけ!」
俺たちは言われたとおり構え、マイは光が最大になった時、弓を放った。
弓は光を保ちながら、ものすごい回転と速度で警備ロボの丸鋸を攻撃した。
警備ロボの丸鋸に弓が当たると警備ロボはバランスを崩し、将棋倒しをしながらこちらに向かっていた。
<ヒルムナ!行ケ!>
「いまだソラ!お前も撃て!」
マイが意識を集中している間、俺も意識を長刀に集中させ光を溜めていた。
それを今放った。
光の刃は真っ直ぐ無防備な警備ロボを串刺すと、光はやみ警備ロボたちも動かなくなった。
「これで一安心だな。」
「でもあいつらしぶといよね…もう襲ってきたりしないよね?」
「今倒したんだからその心配は…」
「心配はした方がいいぞ。奴らはこれぐらいであきらめやしないし、数も多い。
それに来る度に強化してきやがる。
だから、心配はするんだ!わかったな?さぁ出口だ」
いつの間にか出口前に来ていた。
来る度に強くなるか…なら俺も強くなればいいだけだ。
本当にここでダスキールさんと別れると、俺たちは目の前に広がるジャングルに向かった。
新たな決意のもと、俺たちは北にある約束の地に向かう。
この2人で…この2人でだ!