020:火山
ージャングルー
「それにしてもこれでどんな奴でも倒せそうだよね〜
この弓とか何発撃っても減らないし」
「そうだな…でも、俺のこの長刀は長いから、使いにくいんだよなぁ」
俺たちはそんな会話をしながら歩いていた。
ダスキールさんがいた町から1キロぐらい歩いたところだった。
急に地震が起こった。
「地震だ〜〜〜!!」
それと同時に町の近くにあった火山が噴火し始めた。
溶岩は街に向かって勢いよく流れていた。
「ねぇソラ!ダスキールさんが危なくない?!」
ったく、どんだけ偽善者なんだこいつは…
「あぁ、助けに行こう!」
俺たちは町に向かって走った。
町に着くと既に溶岩はすぐそこまできていた。
溶岩の熱がこちらに伝わってくる。
俺たちはダスキールさん家の石の扉を叩いた。
「ダスキールさん!ダスキールさん!」
「早く、早く!」
石の扉がおもむろに開いた。
ダスキールさんは慌てた様子もなく普通に話しかけてきた。
「戻ってきたのか?忘れもんか?どうしたんだ?」
「どうしたんだ?じぁないですよ〜早くここから脱出しないと死にますよ!」
「だから早く!」
ダスキールさんは微動だにしなかった。
「おまえらなぁ〜…まぁとにかく中に入れ。」
「そんな場合じゃ!」
「いいから」
俺たちは無理矢理ダスキールさんの家に入れられた。
「早くここから出ないと!」
「お前らわかってねぇーな?この家は対溶岩用の家で、あれぐらいじゃどうってことはないんだよ」
「…っへ?」
「無駄だったね…」
どんよりとした空気が流れた。
「…まぁそんなことよりお前ら先を急ぐだろ?」
「まぁ…でも、外は溶岩で今行くことは無理ですし…」
「いけるぞ?地下を通ればな」
「…地下!?」
「もしかして得体の知れない化け物とか出ませんよね?」
また地下を歩かなければならないというのはつらい。
「なんかお前ら地下であったのか?そんなモノなんてでねぇよ!」
そういわれるまま俺たちは地下に連れられていった。
◆◇◆◇◆◇◆
ー地下ー
「ここは迷路になってるから俺が案内していってやるよ」
ダスキールさんはランプを手に持ち、俺らを案内してくれた。
「ホントに何も出ませんよね?」
「あぁ、でねぇが…いつもと空気が違う…」
後ろから≪ウゥゥゥゥーン≫という音が聞こえてきた。
「誰かお客さんらしいぞ」