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PET  作者: 古屋 零
19/41

019:ダスキール

ー???町ー


石の扉は重く開いた。

「お前ら誰だ?見かけねぇ顔だなぁ」

そこからは一人の男が出てきた。

あごに髭をはやしており、口にはタバコを咥えていた。

「まぁ入れや。久しぶりの客人だ!おもてなしぐらいはするぜ?」

俺たちは男に進められるまま石の家の中に入っていた。


◆◇◆◇◆◇◆


ー石の家ー


俺は壁に木の槍を置くと椅子に座った。

家の中は木でできていた。

「ほら、これでも飲みな」

男はカップの中に濁った液体が入ったものをこちらに渡してきた。

「これは何ですか?」

「これか?名前は知らねぇけど、あいつはたしか、ココアとか言ってたな…」

「ココア?」

「とにかく飲んでみな、お嬢ちゃん。」

マイは一口飲んだ。

「アマ〜イ〜!」

俺も飲んでみた。

確かに甘い。

今まではコーヒーと水ぐらいしか飲んだことないから、これは初めての味だ。

「これはどこで?」

男はあごをぽりぽりとかきながら言った。

「あぁ…それはな、なんと言うか…まぁ…ここをたまたま通りがかった旅人がよ、これをくれたんだよ。確か名前は…クロリンとか…クロだったと思うな…」

なんていうアバウトな発言。

「そういえばおじ様のお名前は何ですか?」

マイはおもむろに聞きだした。

「俺か?俺はだな、ダスキールだ。よろしく!お前らは?」

「マイです。」

「ソラです。」

ちょっと和んだ。

「へぇ〜この辺りじゃ珍しい名前だな。」

今思えばこの”ヒト”は最初にあった男とは違う、最初の男は狂っていた。

でもこのダスキールさんは、優しい…

俺たちが住む町にもこんな”ヒト”がいれば、楽しく過ごせたような気がする。


「それよりおまえらどっから来たんだ?」

「大きな壁に覆われた南の方の町からジャングルを通ってここに」

「あそこから出てきたのか…お前らが何考えてるかわかんねぇーな。

俺だったら、逃げださねぇーけどな……

それに、あそこのジャングル危険なのに、よく生きて出られたな!」

その後もいろいろと話した。

そして一晩そこで過ごした。

「ほら起きろ、朝だぞ!」

俺たちは起きるとダスキールさんが用意してくれた朝食を食べた。

「じゃあ俺たちはそろそろ…」

「もぉ行くのか?ならこれを持ってけ!」

ダスキールさんは俺に長刀を投げ渡した。

「えっ…!でもこれじゃあダスキールさんの武器が…」

「いいんだよ。俺は普通にいろいろ持ってるし、その刀は使わねーし。

それに…それもあいつからの貰いもんだし。お前は何も考えなくていいんだよ。」

長刀はよく手入れがされてあるようで、手にしっくりなじんだ。

「忘れてた…マイちゃんにはこれを。」

ダスキールさんはマイに弓矢を渡した。

「ありがとうございます!」

そして俺たちはダスキールさんと別れ、また北に向かって歩きだした。

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