014:鬼ごっこ
ージャングルー
俺たちは木の陰に隠れた。
警備ロボは俺たちが隠れたことに気づくと、胴体から丸鋸を出してきた。
次々に木々をなぎ倒していく。
俺たちはまた走った。
上空から何かが回る音が聞こえる。
警備ロボの上空班が頭にプロペラをだし、俺たちを捜しているようだ。
「ソラ〜、私達助かるのかな…?」
「助かる!だから今は逃げるんだ」
その時またあの音が聞こえた。
≪ガサガサ≫という音が…
だが今度は少し違う、葉っぱが揺れてるんじゃない、木が揺れている。
それから考えるとかなりの大きさ。
警備ロボの気配とは全く違う何かが、こちらに向かってきていた。
<先輩!アッチカラ音ガスルデヤンス!>
<全軍!音ノスルホウニ向カエ!>
警備ロボが音のする方向に向かっていくのが見えた。
その時、先頭を行っていた警備ロボがこちらに向かって飛んできた。
俺たちは焦って逃げようとしたけど、そのロボットの様子がおかしい。
警備ロボはそのまま木に頭からぶつかり、壊れた。
「奴だ…」
また次々と警備ロボガいろんな方向に飛んでいく。
いや、投げ飛ばされていた。
<ナンダコイツハ!チガウジャナイカ!>
<ソンナコトヨリ!逃ゲタ方ガイイカト!>
<一時退散ダ!>
警備ロボはは多数の被害を出しながらも、町の方向に逃げていった。
そして、”何か”は警備ロボ達を追っていった。
「何だったの…?」
「わからない…でも、このジャングルには…何かがいる…」
俺たちはまた北に向かって歩き出した。
歩いていると少し開けた場所に出た。
そしてそこにはポツーンと一軒の木でできた家があった。
「…夢と…同じ…」
「…っえ?」
彼女には聞こえなかったらしい。
あの家を見ると恐怖を覚える。
「ねぇソラ…大丈夫?あの家の中に何かあるかもしれないし…行ってみようよ」
「…っえ?あぁ…」
何も知らない奴はのんきでいい…
その家のドアの前まで行った。
◆◇◆◇◆◇◆
ージャングルー
{家}
「あれ?ここの家…パス挿入口がないよ?」
彼女がドアノブに手をかけるとドアは開いた。
「旧式…かな…?」
そういえば、夢の時もパスを挿入せずに入ってた……
「ごめんくださ〜い」
家の奥で小さく、物音が聞こえた。
「誰かいるのかな?」
「もぉ行こう、迷惑かけちゃいけないし…」
「行こうよ!もしかして”ヒト”かもしれないし!」
彼女はそういうと、家の奥に進んだ。